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人生何が起きるかわからないという話
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453 名前:447 投稿日:2008/08/19(火) 10:49:48 ID:VKHmbW/v0
俺は当時 都内私立大に通う大学3年生で、彼女いない歴=年齢の22歳。
当然、童貞だった。
所属していたサークルでは、メンバーがひっついたり離れたりと忙しい中、そういうのとは縁のない男だけのもてない集団を形成していた。
454 名前:447 投稿日:2008/08/19(火) 10:54:47 ID:VKHmbW/v0
所属していたゼミでは、ぼちぼち卒論の構想などを新学期初めに発表しなくてはいけなくなっており、俺も夏休みの初めころから なんとなく準備を始めた。
ある時、たまたま自分の専攻テーマと近い1こ上の先輩が大学のサーバでHPを作っていることを発見した。
テーマは似ているんだが、学科は違ったので知らない人だった。
ちょっと聞きたいことがあったのでメールを出した。
455 名前:447 投稿日:2008/08/19(火) 10:56:29 ID:VKHmbW/v0
今は、ああいうのなくなっているんじゃないかなあ?個人情報保護の観点から。
当時は、個人が かなり特定できる形で大学のサーバ上で学生は自分のHPを持つことができた。
誰でもアクセスできたし、メールを送ることもできた。
まあ、そんなネット黎明期の話。
456 名前:447 投稿日:2008/08/19(火) 11:00:25 ID:VKHmbW/v0
メールを送ると、相手からは非常に丁寧な返事が返ってきて感激。
お礼のメールなどをやりとりするうちに、日頃何をやっているかなども お互いメールに書くようになっていった。
彼女とは もともと学年は一緒だが、浪人した俺は大学では1つ学年が下で、しかし誕生日は ほとんど1年離れていて、俺が ほとんど1歳上だったことがわかった。
457 名前:447 投稿日:2008/08/19(火) 11:04:37 ID:VKHmbW/v0
8月も終わりのころ、ようやく内定がもらえたとのメールをもらった。
当時は就職氷河期。
俺は半ば冗談で「じゃあ、なんかおごります」と返事をしたら「じゃ、おごって」と即返事が来た。
あまりの急展開に どばっと汗が出て、震える手で返事を書いた。
待ち合わせの日取りや、行くお店(といっても学生なので安い飲み屋)も決まった。
458 名前:447 投稿日:2008/08/19(火) 11:09:13 ID:VKHmbW/v0
待ち合わせの日、俺は大学の正門前で彼女を待っていた。
夏休みなので人気も少ない。
メールで、彼女は身長が155くらいでメガネをかけているということは知っていた。
それと思しき子が向こうからやってきた。
もう、こちらは緊張のあまり変な汗を大量にかいていた。
むこうも こちらに気づいたらしく、駆け寄ってきて
「加藤、さん(仮名)ですよね?」
「は、はい・・・守本さん?(仮名)」
「はい。ええと、はじめまして・・・」
「こ、こちらこそ・・・き、今日は暑くて大変ですね。汗だくになっちゃった・・・」
「お待たせしちゃった?」
「いや、大して・・・・」
459 名前:447 投稿日:2008/08/19(火) 11:16:22 ID:VKHmbW/v0
守本さんは、顔はう〜ん、いまいちかもしれないが、(と言っても、タイプとしては好みの顔立ち。強いて言えばAV女優の伊藤青葉似)
髪は肩くらいまでの黒髪。
服装は、白いシャツに黒いキャミのようなもの(服は詳しくないので・・・)に紺のひざ丈くらいまでのパンツをはいていた。
色は、白くもなく黒くもなく、普通。
内心、もうちょっとかわいかったら・・・と思ったが、向こうも同じようなことを思っているだろう。
しかし、その他の点は かなり好みだ。
特に、小さい、黒髪、赤ブチの四角メガネにすでに参りそうだった。
話し方も、ゆっくりおっとりしているんだが、芯がある感じでいい。
460 名前:447 投稿日:2008/08/19(火) 11:21:22 ID:VKHmbW/v0
守本さんは、普段あまり飲まないらしいのだが、なぜか日本酒を相当のペースで飲む。
なんか はしゃいでいるようだ・・・
かわいい、かも・・・
女性と専攻の話ができるってのが すごく新鮮だったし、他の趣味の話も(映画とかマンガとか)結構あう。
これは、イケるのか!?と思っていたところ、
「ああ、そのマンガね、彼に貸してもらって・・・」
「え?彼氏いるんだ・・・」
「うん、写真見せてあげるね」
げっ・・・結構渋くて俺より(遥かに)かっこいい・・・
もう、ダメだ・・・
461 名前:447 投稿日:2008/08/19(火) 11:23:44 ID:VKHmbW/v0
しかし、その後 守本さんがぽつぽつと語りだすには、彼氏はサークルの先輩なんだけれど、今年の春から就職して忙しくなかなか会えない。
メールすら忙しくてなかなか帰ってこなくて寂しい。
浮気も疑ってしまう。
メールや電話でわがままを言って彼を困らせてしまう。
そんな自分が嫌だ、ということだった。
462 名前:447 投稿日:2008/08/19(火) 11:29:32 ID:VKHmbW/v0
22年間彼女なしの俺としては、恋愛話に とんと疎く、どうすればいいかわからず おろおろするだけ。とにかく、聞くに徹した。
「加藤君は、彼女いるの?」
げっ・・・来た・・・
22歳童貞ですってのが、バレる・・・
どうしよう、嘘をつこうか、しかしどんな嘘だ?ええい、もう本当のことを適当に言ってお茶を濁せ!!
「あっ、いや、その、サークルの同級生が好きだったんだけど、全然ダメだったよ・・・あはははは・・・」
「そっか・・・サークルの中でって手軽な面もあるけど、結局それが大変なんだよね・・・」
「そうそう!」
な、なんとか流せた・・・
463 名前:447 投稿日:2008/08/19(火) 11:34:15 ID:VKHmbW/v0
もう時計は23時半を回っていた。
5時間以上も女性とサシで話したのなんて生まれて初めてだった。
それだけでも、いい経験になった・・・
「じゃ、そろそろ。おごるという約束なんで、俺が・・・」
「いいよ〜・・・私も半分払うよ〜・・・」
もう、グテングテンな守本さん。
「あ〜、もうフラフラなんだから、しっかり帰りの準備して、俺が払っとくから・・・」
「え?なになに?あ〜、悪いですね〜・・・ごちそうさまです〜・・・」
465 名前:447 投稿日:2008/08/19(火) 11:38:24 ID:VKHmbW/v0
店を出たものの、守本さんは ほとんど歩けない。
こりゃ、送っていくしかない。
送ると俺が帰られない時間だったが、仕方がない。
「いい?守本さん、最寄駅までは送って行くから、そこからタクシーでね」
「はいはい〜・・・いやあ、なんか悪いですね〜・・・本当に・・・」
ええと、こりゃあ おぶっていくしかないな。
女の子とそんなに直に接するのが初めて、すごくドキドキした。
466 名前:447 投稿日:2008/08/19(火) 11:48:25 ID:VKHmbW/v0
おぶってても寝てるし、電車の中でも寝てるし、守本さんはすっと寝てた。
しかし、俺は相当酔っていながらも、女の子と夜に二人ということが初めてで、興奮していた。
というか、童貞の俺はこれだけで相当に幸せだった。
469 名前:447 投稿日:2008/08/19(火) 12:39:51 ID:VKHmbW/v0
さて、最寄駅に着き、タクシー乗り場まで守本さんを連れていった。
「行き先をちゃんと告げて、ね」
守本さんはタクシーの奥の座席に自分で座ると、こちらに身を乗り出してきた。
そして俺のシャツの裾を引っ張ると
「今日は、泊まっていくの!」
な、な、な、なんですとー!!
>>次のページへ続く
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