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眠れないから ぼくと彼女の話 思い出す
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72 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 03:31:50.86 ID:NWjmv6xd0.net
しばらくは浮気のことでちくちくと虐められたが、その方が気が楽でよかった

学校の友だちには絶対に言わないでくれたのも彼女の優しさを感じた


73 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 03:38:06.15 ID:NWjmv6xd0.net
それからは彼女の束縛が少しきつくなったくらいで、平穏な日々を過ごすことができた

先輩からは何度か連絡がきたがすべて無視するうちに連絡も来なくなった


付き合ってから3年がたったころ、ぼくの実家に彼女を連れて行ったが、親も彼女を気に入ってくれたので、なんとなく結婚するんだろうなあと思い始めていた


74 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 03:41:30.07 ID:NWjmv6xd0.net
そして、ついに就活の時期がやってきた

彼女もぼくも慣れないスーツに身を包み、説明会やセミナーに足を運びつつ暇を見つけてデートをする日々がはじまった

彼女はメーカーで営業がしたいと言うようになっていた

ぼくはある程度の待遇さえ保証されていれば どんな仕事でもいいと思っていた


75 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 03:46:59.69 ID:NWjmv6xd0.net
しかし、現実は厳しかった

結局 ぼくは内定はいくつかもらったものの、納得いく結果ではなかったため院への進学を決めた

彼女は希望業界の会社にことごとくお祈りされて希望していなかった業界に就職することになった

彼女にらも納得いくまで就活することを勧めたかったが、精神的に参ってしまった彼女にそんな言葉はかけられなかった


78 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 03:50:26.42 ID:NWjmv6xd0.net
卒業旅行は2人でグアムに行った

ほとんど日本語が通じるし ほぼ日本みたいなものだったが、はじめて2人でいく海外旅行でとても楽しかった

そして、ぼくは学生のまま、彼女は社会人になった




79 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 03:53:41.72 ID:NWjmv6xd0.net
社会人になってはじめの1ヶ月は研修で、彼女は同期と研修所で楽しくやっているようだった

毎晩のように酔っ払って電話をかけてきていたが、月の半分がたったころにはそれもなくなった

ぼくは不安に思ったが、自分から電話をかけると迷惑になるだろうと思って我慢していた


80 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 03:55:30.85 ID:NWjmv6xd0.net
電話はなくとも、LINEは毎日きていたため変化に不安はあっても彼女が何かしているとは考えなかった

考えても仕方ないし、何よりぼくは一度過ちを犯しているから一度なら許そうと思っていた


81 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 03:58:43.11 ID:NWjmv6xd0.net
そしてやっと彼女が研修から帰ってくる日がやってきた

大学1年の頃から付き合い始めて4年間、毎週かかさず会っていたので1ヶ月も会わないことは初めてのことで、とても苦しかった


82 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:01:57.40 ID:NWjmv6xd0.net
彼女に何を食べたいか聞くと、なんでもと言うので焼肉屋を予約してから彼女がくるのを待った

しかし駅に現れた彼女は、勘が悪いぼくでも気がつくくらい、思いつめた表情をしていた

それでも気がつかないフリをして、バカを演じて店に向かった


83 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:04:23.86 ID:NWjmv6xd0.net
彼女はよく食べるほうだ

男のぼくと同じくらいよく食べる

その彼女の箸が止まりっぱなしだった


彼女が何か言おうとするたびバカなぼくはそれを遮ってどうでもいい話をした

そのうち彼女も諦めて普通に笑ってくれた


84 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:06:01.83 ID:NWjmv6xd0.net
その日は金曜日だったので2時間で店を追い出されてしまった

ぼくと彼女は手を繋いで4年間何度も通ったぼくの家に向かう道を歩いた

彼女はずっとうつむいていた


85 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:12:15.32 ID:NWjmv6xd0.net
ぼくの家について、ぼくはシャワーを浴びることを提案した

彼女も一緒にシャワーを浴びた

シャワーを浴びながらぼくは彼女を抱きしめた


久しぶりに会う彼女に我慢がきかなくなって、そのままキスをした

彼女もぼくの舌を受け入れてくれた

シャワーをとめると、狭い浴室にぼくたちのキスと音にまじって興奮した吐息が漏れるのが反響していた


87 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:16:35.23 ID:NWjmv6xd0.net
彼女も興奮しているのが分かったので、ベッドに誘うと、返事の代わりに彼女からキスをされた

ぼくは彼女を抱えてそのままベッドになだれこんだ

1ヶ月の空白を埋めるように、激しく求めあった

しかし、彼女が帰ってくるのを楽しみにオナ禁していたのが仇となったのか、あまり長くはもたなかった


88 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:19:06.08 ID:NWjmv6xd0.net
ぼくも彼女も笑ってしまい、張り詰めていた糸が切れてしまった

ぼくは彼女にごめんと言い、いったあともしばらく彼女の中にいた

彼女はぼくを優しく抱きしめると、言わなきゃいけないことがあるの

と言った


89 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:21:23.12 ID:NWjmv6xd0.net
ぼくはしまった、と思ったが

もうバカのフリは通用しなかった

ぼくは体勢を整え、彼女に腕まくらしてあげるようにしてから、言わなきゃいけないことって何?

とできるだけ穏やかにたずねた




90 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:23:30.68 ID:NWjmv6xd0.net
彼女は自分から言いだしたくせになかなか話し始めなかった

だからぼくは彼女の頭を撫でながら、自分から質問することにした



研修で何かあったの?

彼女は首を振った


91 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:26:27.35 ID:NWjmv6xd0.net
はっきり言ってこれには驚いた

てっきり研修所で浮気したとかそんな話だと思っていた


彼女はぼくを見た

そして

別れなきゃダメだと思う

はっきりそう言った


92 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:29:13.78 ID:NWjmv6xd0.net
ぼくは頭が追いついていなかった

だってぼくと彼女は結婚して3人の子どもに恵まれて華やかさはないものの幸せに暮らすんじゃなかったっけ?あれ?


なんで?

まったく心当たりがなかった

どうしてこんなことになるのかさっぱりわからなかった


93 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:33:14.91 ID:NWjmv6xd0.net
配属先が発表されたの

青森県だって

彼女はそう言った

ぼくらが出会って一緒に過ごしたのは中国地方のある県だった


94 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:34:29.96 ID:NWjmv6xd0.net
全国転勤がある仕事とはいえ、初っ端からこんなことになるとは思わなかった

研修中にふざけすぎたせいかな

と彼女は笑ってた

ぼくはなんでそれが別れることになるのか分からないと食い下がった


95 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:36:56.14 ID:NWjmv6xd0.net
1ヶ月会えないだけでこれなのに?給料も安いし毎月こっちに帰ってこれる余裕ないよ

耐えられるの?わたしは無理だと思った

だから別れなきゃダメだと思ってる


ってそう言った


96 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:40:50.68 ID:NWjmv6xd0.net
ぼくは黙ってしまった

彼女は続ける

配属されるのはゴールデンウィーク明けだから、それまでに引越しとか住むとことか準備しなきゃなんだよね

忙しくなるな

はっきり言って、ぼくも遠距離を続ける自信はなかった

中途半端に遠距離恋愛を続けて彼女の負担になって ぼくの存在自体が疎ましいものだと思われる前に綺麗な思い出で おしまいにしたほうがいいのかなと思った


97 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:44:26.86 ID:NWjmv6xd0.net
ぼくが黙っていると彼女はキスをした

こんな風になっちゃってごめんね

大好きだよ

ぼくがしっかりしていれば、仕事なんか辞めてぼくについてこいと言えるのに

ぼくには何の力もない

ぼくは泣き顔を見られないように彼女に背を向けた

彼女は後ろからぼくを抱きしめた


98 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:50:31.59 ID:NWjmv6xd0.net
別れても好きだから、ぼくがあなたを守れるようになったらすぐ迎えにいくから

それまで待っててとは言わないけど、そのときに まだぼくを好きでいてくれたなら、またぼくと一緒になってほしい

そんなようなことを泣きながら支離滅裂な日本語でなんとか伝えた

彼女も泣きながら、うんとだけ言って ぼくたちはまたキスをした


99 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/06/29(月) 04:53:49.18 ID:NWjmv6xd0.net
そうしてぼくと彼女は別れました


連絡も誕生日くらいにしかとっていません

ぼくはまだ彼女を迎えにいけるおとこにはなれていません


おしまい



>>次のページへ続く

 
 

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