ずっと好きだった女の子に告白しないでいたら、、、
ええっと。高校の時、俺は同級生の絵梨がすんごい好きでした。
絵梨とは1年2年と同じクラス。よく喋ったなあ。
絵梨は彼氏つくらないし、俺たち まさか両想い?なんて痛い妄想いだいてました。
それくらいとても仲が良かったけど、告白とかのアクションは起こせなかった。
無理しなくても絵梨との毎日は楽しいし、下手に告白なんかしてふられたら鬱だ。
俺は不確かなことに挑戦するより、のほほんと現状に満足する性格。
そんなぬるま湯につかっていた俺、3年になって とうとう絵梨とは別々のクラスになってしまった。
それでも廊下とかで会えば、立ち話をして盛り上がった。
クラス離れても二人の関係は、良くも悪くも現状維持のまま。
そんなヘタレ俺の起爆剤になったのが、Aという男。
Aとは3年時に初めて同じクラスになったんだが、何かとうまが合い、常に行動共にするようになった。
こうなると俺が絵梨と話す時は、俺と一緒にいるAとも絵梨は自然と話す事になる。
Aは いい奴で話し上手だし、みんなで会話が弾んで楽しかった。
それぞれの家に遊びに行く事も増えた。
これも行動的なAのおかげだ。
でもAにはちょっと嫉妬したね。彼は陸上部の花形で、人気あったしね。
ちなみにAはその当時、他校の女生徒と付き合っていた。
だから安心はしつつも、Aと絵梨が楽しそうに話しているのを見ると、何だか少しだけ悔しくなった。
俺もうかうかしてられないなと思った。
しかしある日、Aがふと、「俺、絵梨のこと好きになったかも。」と俺に告げてきた。
Aは 俺が絵梨のこと好きだって知らないはず。
だからこの機に俺も、Aに宣戦布告をするべきだった。
しかし直接対決を避け、「お前、彼女いるじゃん。」と言ってやった。
「それもそうだな。」Aはそれきり黙ってしまった。
「彼女を大事にしろよ。」と、俺はAに片腹痛い忠告をしたもんだ。
一応は ほっとした俺だが、Aの気持ちを知ってしまった以上、俺も動かなきゃ。焦りが空回りした。
その後のAの行動は、まさに電光石火。
その事を俺に告げてから1週間もしないうちに絵梨に告白し、晴れて二人は付き合うようになったのだ。
A、おそるべし。
2年近く前に進めなかった俺とは比べようがないほどの積極性だ。
二人の交際を知った俺はかなりショック受けたね。
Aもさることながら、絵梨がまさか受け入れるとは。絵梨はAが好きだったんだ。俺は友達としか見られてなかったんだ。
どっちにしろ俺に目はなかったのか。勘違いしてた自分が恥ずかしい。
でも絵梨を好きな気持はAには負けないのに、俺の方が知り合って長いのに、Aに持っていかれてしまった。
自分自身の優柔不断さをこの時ほど情けなく思った事はない。しばらくは嘆きと後悔の日々が続いた。
以後、絵梨への感情は、俺の心の中に不発弾として残った。
俺の夏休みは暗かった。
くそっ、今頃Aと絵梨はラブラブデートしてるんだろうよ。
俺は猛烈に勉強した。勉強して、いい大学行って見返してやるんだ。お前らがいちゃついている間に差をつけてやる。
絵梨を忘れ、諦めるため、勉強に没頭し、自分に言い聞かせた。
高校3年にしては寂しい夏休みだが、受験生としては正しい夏休みの過ごし方だ。
夏休み明けに更なる衝撃が俺を襲う。
Aの家に男友達で集まって、過ぎ去りし夏休みの話題で盛り上がっていた時だ。
話の流れでAが、「夏休み中、絵梨とセックスした。」と話し始めた。
俺は息が止まった。
付き合っているから当たり前とは言え・・・ショックだ。
胸を痛めている俺とは裏腹に、他の友人たちは大興奮。
それまでもAは、付き合った女とのセックス話をしてくれた事はあったが、所詮はみんなが知らない他校の女子ばかりだった。
だが、今回は顔見知りの、隣のクラスの、親しい同級生の女。みんなの盛り上がりが俄然いつもと違うのも当然だろう。
Aは爽やかな顔に似合わず、かなり露骨に絵梨との初セックス内容を話した。
俺は聞きたいような、聞きたくないような。
しかし他の奴らは容赦ない質問攻め。それにAは快くさらっと答える。
絵梨は当然、処女だった。
そしてAは絵梨とのセックス話を、いちいち他の女とのセックスと比べて語った。これは癇に障った。
そして乳首の大きさや色、アソコの色、どんな声でよがったか、そしてオッパイの大きさを、手で形作り教えてくれた。
絵梨の裸の特徴を身振り手振りで話すA。
みんなはそれを聞いて大喜びだ。そしてもっと聞きたがる。
うあああ、やめろやめろ!言うな!おまいらも聞くな!俺にはもう耐えられない、これ以上は聞けない。
話を逸らそうとするが、興奮状態の奴らには通じるはずもない。
そしてこの時、初めて教えてもらったが、Aは絵梨と付き合い始めの頃、実は まだ前彼女と切れていなかったんだと。
夏休みの初め頃、それでちょっともめたらしいが、Aは上手く向こうを切り捨て、絵梨を納得させたんだって。で、初セックス。
この話を聞いた時は、俺ってつくづく甘かったなって落ち込んだ。
Aの話で印象に残ったというか、ショックだったのは、絵梨はゴムを望んだのに、Aは生を押し通した事、挿入した時、絵梨は悲鳴を押し殺したような声を上げたって事、そしてすべてが終わった後、絵梨は泣いていた・・・という事だ。
特に、生で外出しの件でAは、「ゴムと生じゃ気持ちよさが違うし。」だと。
知るかよ!絵梨は妊娠が不安でゴムを望んだんだろ。それなのにお前は自分の快楽を優先させやがって!
いや、俺が怒っても仕方がない。絵梨はAの彼女なんだし。
俺も他のみんなと一緒に、この猥談で盛り上がればいいんだ。
ちなみにこの初セックスの舞台は、何と、この部屋。
Aはベッドを顎でしゃくり、「そこでやった。」と言った。ベッドの上に座っていた友人は「うひょー」と飛び跳ねていた。
俺には そのベッドの上で抱き合う二人の幻が見えた。ああ、ダメだダメだ、そんな想像しちゃダメだ。鬱になる。