どうしてくれよう
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どうしてくれよう。
買い物途中で眠ってしまった息子を抱いて帰って来た女房は、俺がパソコンの前に座っているのを見て落ち着かない。
「何だ、これは!」
わざとらしく、俺の後ろでテーブルを拭いていた女房の手が止まる。
「こんな変わった形のパターもあるんだな」
安心した女房はテーブルを拭き始めたので、俺はまた叫ぶ。
「何だ、この男は!」
すると、また妻の手が止まった。
「こんな奴、プロにいたか?」
女房はその場から離れられなくなっていた。
そんなにテーブルを擦るとニスが剥げるぞ。
ネットを見ている俺の後ろで、今にも泣きそうな顔で延々とテーブルを拭いていた女房は、考えた末に俺をその場から引き離しに掛かる。
「ねえー、あなたー。優も眠ってしまったからいいでしょ?」
俺の背中に大きなオッパイを押し付け、前に回した手でオチンチンの辺りを触ってくる。
「こんな昼間から?」
「だって、したくなっちゃったんだもの。お願い。これが欲しくなっちゃった」
こんな裏切り行為をしている女房を、はたして抱く事が出切るのだろうか?
抱けた。
「好きよ・・・あなた無しでは生きてゆけない・・・好き・好き・・あなたが大好き」
メールを見られたかも知れないと不安な女房は、わざとらしく俺を好きだと言い続ける。
「凄い・・あなたのオチンチン凄い・・・・紀子駄目になっちゃう」
感じながらも、褒める事も忘れない。
そして その夜、保存してあったメールやアドレスは全て消されていた。
一度出しても許してくれず、続けて逝かされた俺はしばらく眠ってしまったが、女房は軽く俺の5倍は逝ってしまったはずなのに、ベッドから抜け出して削除したのだ。
プリントアウト出来なかった事は悔やまれるが、女房の体力に脱帽。
『来週も女房が浮気します』
どこかで聞いたような言葉だが、こうなったら言い逃れ出来ないように、来週尻尾を捕まえてやる。
しかし,女友達と行くと言っている温泉に行くとは限らないし、待ち合わせ場所や時間も分からない。
これからメールで相談して決めるのかも知れないが、今後は警戒してすぐに消してしまうだろう。
そうかと言って、鈍臭い俺に尾行など上手くいくはずがない。
さあ、どうする?
諦めて、メールを見た事を言って、来週の旅行だけでも阻止するか?
「旅行は来週だっただろ?確か紀子の行く旅館に売っている温泉饅頭は、皮が薄くて美味かったような記憶がある」
「だったら、お土産はそれにします」
鎌をかけたら躊躇する事無く言ったので、女房がその旅館に行く事に賭けてみるか。
翌週の土曜日に、俺は旅館のロビーにいた。
落ち着かない俺は、チェックインの2時間も前に入ってしまったが、フロントのお姉ちゃんが美人だったので退屈はしない。
「あなた??」
時間も忘れて俺がフロントのお姉ちゃんに見とれていると、やはりこの旅館に来た女房が俺を見つけ、状況が飲み込めずに一瞬不思議そうな顔をしたが、自分の置かれた立場が分かってくると、今にも泣き出しそうな顔に変わる
隣を見ると、相手はいかにも性欲が強そうな、脂ぎったハゲ親父。
俺もこの歳で既に抜け毛が気になっていて、遺伝からいってもハゲるのは確実だろうから、出来ればハゲについては触れたくないが、こいつだけはハゲ親父と呼ばずにはいられない。
女房が床上手だったのは、こんなハゲ親父に3年も掛けて仕込まれたとは。
「ご主人?・・・・・これは違うんだ・・・・駐車場で・・・偶然一緒に」
「その前に、腕を放したらどうだ?」
ハゲ親父と女房は、突然の事に腕を組んだままだった。
「あなた聞いて。これは・・・」
「優は俺が育てる。二度と俺と優の前に姿を見せるな!」
女房はその場に座り込んで 大きな声で泣き出したので、何事が起こったのかと周りの客が一斉に見る。
流石に恥ずかしかった俺は旅館を後にしたが、ハゲ親父は女房の横でうろたえていた。
そして,俺は女房の実家によって息子を連れ去り、家に帰ると旅館での女房よりも大きな声で泣いた。
どうしてくれよう。
二度とこの家には入れてやらん。
そうは思っても、女房は合鍵を持っている。
(実家に帰らせて頂きます。養育費はいりません。その代わり、優には一生会わせません)
俺は男らしく手紙をテーブルに叩きつけて、実家に帰ってやった。
「帰ってきて。私が悪かったです」
女房はハゲ親父と泊まるのをやめて帰って来たんだ。
少し嬉しい。
息子を預けて急いで帰ると、女房だけでなく女房の両親も来ていた。
「話は聞いた。どうか許してやってもらえないだろうか?」
あの威張り腐った父が土下座している。
「離婚だけは許してあげて」
あの気の強い母が涙を流している。
「あなたに誤解を与えてしまうような事をして、本当に悪かったと反省しています」
女房も泣いて反省・・・・・・・いや、この期に及んでも誤解だと言っている。
「何が誤解だ!先々週抱かれたのも知っているし、温泉にまで行っておいて誤解だと!それに相手は、奥さんに ばれなければ未だに続いていたかも知れない元不倫相手だろ!」
「元不倫相手?」
母は知らなかったようだ。
「元不倫相手????」
?が多いところを見ると、父はもっと知らなかったようだ。
「親として恥ずかしい。どうしてばれるような不倫をした!」
叱り方が、何か違うような気がする。さてはお前も不倫経験者だな。
母も同じ事を思ったようで、横目で父を睨んでいた。
その後,両親は外に出ると、言い争いをしながら帰って行ったのは言うまでも無い。
「忘れられないと書いてあったが、今でもあのハゲ親父が好きなのか?俺に抱かれながら、ハゲ親父を思い出していたのか?」
「違う。私はあなたが好き。久し振りだったから、あんな事を書いてしまったけれど、今はあなたが好き」
「今更機嫌をとろうとしても遅い」
「本当です。確かに昔は彼が好きでした。でも今はあなただけ」
「それならハゲ親父とセックスがしたいだけで、俺を裏切った事になるじゃないか」
「はい。つい昔を思い出してしまって、エッチしたくなってしまいました」
はっきり言うなよ。
心までは,ハゲ親父に盗られなかった事を喜んで良いのか、身体がハゲ親父を求めてしまった事を悲しんで良いのか分からないじゃないか。
女房は立ち上がると、俺の目をじっと見ながらミニスカートの裾を徐々に上げる。
するとそこに現れたのは、俺が大好きな黒いヒモパンだった。
「ごめんね。今夜は何でもするから許して」
こんな事を言われては、俺の変態の血が騒ぐ。
「それなら・・・・・・・・・」
いや、今回は許す訳にはいかない。
このヒモパンは、あのハゲ親父のために穿いて行った物だから。
これは美人でナイスバディーな妻をもった夫の宿命か。
「今からハゲ親父に電話して、どう責任をとるのか聞け。その答えが納得出来なければ、刺し違えてでも徹底的に追い込んでやる」
泣きながら電話した女房は、意外な答えを口にする。
「彼は慰謝料として、百万払うから許して欲しいと言っていました」
離婚しなくても金がもらえるのか?
それにしても一回抱いて百万とは。
女房が電話したから、格好をつけて見栄を張りやがったな。
それなら100回抱けば一億払う気か?
少し納得出来ない事があった俺は、女房の携帯からハゲ親父に電話した。
「ご主人!すみませんでした」
「女房を抱いた上に旅行まで行って、全て金で済まそうと言うのか?女房は元部下だそうだから、明日会社にお邪魔する。その後自宅にも」
今後,女房とは会わない事と、慰謝料百五十万で話がついた。
抱いたのが一回と未遂が一回だから、やっとこれで計算が合う。
次は女房の番だ。
「どうやって責任をとる!」
「二度と会いません。今後一切連絡もしないから許して」
「それでは俺が傷付いただけで、紀子はハゲ親父と再会するまでの生活と何も変わらない。こんなに俺を苦しめておいて、何の罰も受けないで済ませる気か!」
「あなたに彼女が出来ても・・・・あなたが浮気しても何も言いませんから、どうか許して下さい」
これも駄目だ。もてない俺には、そんな気持ちのいい事は起こりそうにない。
「それと、今後あなたの言う事には一切逆らいません。あなたの言う事なら何でもします。一生懸命償って、良い奥さんになりますから許して下さい」
良い奥さんになることよりも、何でもしますという言葉に反応した。下半身が。
勿論,離婚は脅しで、こんな女房でも惚れていては許すしかない。
しかし、どのように許せばいい?
女房はあのハゲ親父に、週一で抱かれていたとして月4回。いや、生理があるから月3回として年36回。
付き合っていたのは3年だから、108回は抱かれている。それが一回増えて109回になっただけだ。
結婚前と結婚後では違うが、許すには そう自分に言い聞かせるしかない。
しかし,今後の事を考えれば、罰は与えておかなければ。
俺はハゲ親父からの慰謝料を当てにして、アダルトショップに行って車のトランクが一杯になるほど色々買い込んで帰ると、先ずはその中からセーラー服を渡した。
「こんな短いスカートは校則違反だ。下着も調べてやるから、先生の顔を跨いでみろ」
女房は寝転んだ俺の顔を跨いだ。
「何だ、この下着は!高校生がこんな厭らしい下着を穿いて来ても良いと思っているのか!」
「先生許して・・・・・紀子恥ずかしいです」
「駄目だ。罰としてお仕置きしてやるから、先生がいいと言うまで、そのままの格好でいるんだ」
俺は下からローターを当ててやった。
「先生許して・・・・・紀子立っていられない」
しかし,役に成り切っていたのは女房だけで、俺は教師の役には成り切れず、途中から変態親父の役になってしまったからやめた。
「これを穿いて、下にはこれを着けろ。下着は穿くなよ」
合皮製の身体に張り付く黒い超ミニスカートと、装着型のローターを渡す。
「コンビニに行くぞ」
「許して下さい。これでは見えてしまいます」
「うるさい!何でもすると言っただろ!」
家から遠く離れたコンビニに着くとスイッチを入れ、眠ってしまった息子もいたので、俺は車の中から時々携帯で指示を出しながら見ていたが、結局この罰は失敗に終わった。
「どうして勝手にトイレに入った!」
「ごめんなさい。我慢出来なくて・・・・・・」
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