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妻とつきあうこととなったった本当の理由
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私と妻が付き合う事になった切欠は、信じられない事に妻の方から「今度、食事にでも誘って頂けませんか」と声を掛けられた事だった。
それは私だけではなくて、他の社員達にも信じ難い出来事だったと思う。
何故なら妻は、身長が170センチある髪の長いモデルのような美人で、下請け会社の社長の娘だったから。
会社ではマドンナ的存在で、男子社員の憧れの的だったが、隙のない妻には誰も声を掛ける事すら出来なかった。
「香織君と付き合っているそうだが、君はもう34だろ?早いもので香織君も28になったと聞いたが、ここらで そろそろ決めたらどうかね。
近々私は常務になる。
そうなれば、いずれ君を課長にして、ゆくゆくは部長に推薦しようとも思っている。
その為にも早く身を固め、家庭を持って落ち着け」
私に目を掛けてくれていた高橋部長にそう言われ、とんとん拍子で話は進み、付き合い始めて僅か半年で、部長夫妻の仲人で結婚。
2年後には子供も生まれ、その息子も早2才。
子供は可愛い盛りで、妻は相変わらず綺麗で優しい。
妻には何の不満もないが、ただ1つ有るとすれば、頻繁に実家に帰る事ぐらい。
しかし、それは私の出張が多くて、その間帰っているだけで、私が帰る前には戻って来ていて、必ず息子と笑顔で迎えてくれるので、不満などと言うものでは無い。
この世の春とは正にこの事で、私は幸せの絶頂にあった。
そんなある日、退職してライバル会社に入った元総務部長に、出張先の会社で偶然会う。
この人は、私達の仲人をしてくれた当時、部長で今では常務の高橋常務と同期で、常に出世を争うライバルだった。
私が直接聞いた訳ではないが、退職した理由が「高橋の下でなんか働けるか」らしい。
「君は課長になったらしいな。おめでとう」
話を聞くと、偶然同じホテルに泊まっていた。
「狭い業界だから得意先で会っても不思議ではないが、ホテルまで一緒とは奇遇だ。これも何かの縁だから、今夜一杯どうだ?」
我社の事を探りたいのかとも思ったが、直属では無かったにしろ、仮にも元上司だった人の誘いは断り難く、私達はホテルの側の居酒屋にいた。
「課長自ら商談か?」
確かに課長になってから、出張先も規模の大きな会社だけに成り、出張の回数も減ったが、それでも月に2回は3・4日の出張が有った。
「課長と言っても、会社で座ってばかりいられないのは、伊藤部長もよくご存知じゃないですか。
それよりも、こちらは私のような課長で、そちらは伊藤部長に出て来られては、勝ち目が無くなってしまいます」
「いや、部長と言っても、会社の規模が天と地ほど違う」
最初は、仕事の話ばかりだったが、酔いが回ると伊藤部長は、とんでもない事を言いだした。
「君は出世間違い無しだから、そう躍起に成らなくても良いだろ。少しぐらい手加減してくれよ」
「いいえ、営業なんて常に競争ですから、うかうかしていたら降格が有るかも知れません」
「いや、君は勝ち組だ。高橋に付いて、香織君を嫁に貰った時点で、会社では勝ち組だ」
私は、これはしっかり者の妻を貰ったから、出世出来るという、妻に対しての褒め言葉だと受け取ってしまい、お世辞だとしても嬉しかったが、次の言葉で皮肉だと知る。
「ただ、男としてはどうだろう。男としては勝ち組どころか、最低な男に成り下がってしまったな」
流石に、酔っている元上司でも頭に血が上る。
「どう言う意味です?いくらお世話に成った伊藤部長でも、その言い方は許せない」
「だって、そうだろ。君は上司の愛人を引き受けて、プライドを捨てて出世をとった」
私は伊藤部長の言う意味が、すぐには理解出来なかった。
「まさか・・・・知らなかったと言う事は・・・・・・・・・・・・」
当時、高橋部長は平の部長で、伊藤部長には取締役が付いていた。
取締役会議で、自分よりも格下の高橋部長を常務にという話が出た時
「社内に愛人がいる様な人間を常務にしても良いのか」と暴露した。
しかし、それは個人の問題で会社には関係ないと跳ね除けられ、身辺を綺麗にする事という条件が付け加えられるに終わる。
「取締役の何人かは既に知っていたので、高橋が先に手を回していたのさ。重役以外は知らないはずだが、まさか当の君まで知らなかったとは・・・・・・・・・・」
高橋常務は、昔から腰も低くて物腰も柔らかく、いつも笑顔を絶やさない優しい人なので、私には到底信じる事が出来ない。
しかし、伊藤部長も、気性の激しいところは有るが、男気のある嘘の無い人だという印象があり、私は何が本当なのか分からずに戸惑うばかりだったが、出張から家に戻ると、いつもの様に妻と息子が笑顔で出迎えてくれた。
「変わった事は無かったか?」
伊藤部長に言われた事が気になっていたが、間違っていた場合、これほど妻を侮辱する話は無いので、どうしても切り出せない。
「いつものように、実家に行かせて頂きました」
妻の笑顔を見ていると、やはり妻を信じようと思う。
私は寝付かれずに、妻の寝顔を見ていた。
そう言えば、私と付き合う前の、妻の男性遍歴は何も知らない。
付き合った時は、既に28歳で、勿論処女ではなかったが、それはお互い様で別段気にもしなかった。
入社以来、目立つ存在だったので気にして見ていたが、社内では浮いた噂は一度も聞いた事がない。
伊藤部長の話を思い出し、妻が高橋常務の熟練した性戯で、乱れている姿が脳裏に浮かぶ。
伊藤部長の話が本当だとすれば、どの様に情報を仕入れたのだろう?
その時、1人の男の顔が浮かぶ。
その男は、伊藤部長に付いていて、妻と同じ営業二課にいた鈴木係長。
出世争いで伊藤部長が勝っていれば、当然この男は課長に成っていただろうし、逆に私などは万年係長だったかも知れない。
こんな事を考えていたが、伊藤部長の言っていた事が本当だったとしても、それは私と結婚する前の話し。
結論は、妻に聞くまでも無く、結婚前の話しなので、何も言わないで現状維持。
今が幸せなら関係ないと、自分を落ち着かせる。
翌日出社すると、高橋常務から話し掛けられた。
「昨日まで出張だったらしいな。その内部長に引き上げてやるから、精々頑張れ。それはそうと、今度の出張はいつだ?」
「再来週の月曜から、4日間の予定です」
「そうか、大変だな。身体を壊すなよ」
今までにも何度か声を掛けてもらって、その度に出張の予定を聞かれた様な気がする。
今までの私は何も思わず、気にも留めなかったが、伊藤部長の話を聞いたからか、何か違和感を覚えた。
「部長。高橋常務から、私の出張について何か聞かれた事はありますか?」
「そう言われれば、何度か予定を聞かれた事がある。君は高橋常務のお気に入りだから、何かと心配してくれているのだろう」
今一番勢いのある高橋常務の事で、下手な事は話せないと思ったのか、部長も多くは語らない。
しかし、多くを語らない事で、逆に頻繁に訊かれているのではないかと疑る。
どうして常務が、私の出張予定を?
まさか今も。
どんどん考えは悪い方へと向かってしまうが、家に戻って妻の笑顔を見ると、思いすごしだと安心する。
何より、結婚以来、妻に疑わしい行動は無い。
妻の性格で、不倫なんて有り得ない。
しかも、幼い子供を連れて不倫相手に会うなんて有り得ない。
妻と一緒にいると、疑ってしまうこと自体申しわけなく思うが、一人でいると考え込んでしまう。
仮に不倫しているとすれば、私の出張中しか考えられない。
実家に子供を預けて。
妻を疑っている事に罪悪感を覚えながらも、頭の中は伊藤部長の言葉に支配されていく。
「今から香織の実家に行かないか」
車で1時間ほどの距離なのに、実家に来たのは久し振りだった。
「ご無沙汰しております」
「いや、いつも香織が勝手してすまないな。嫁に行ったのに、そう頻繁に帰って来るなと言いたいのだが、私達も孫の顔を見たくて、つい・・・・・・・・・・・・」
歳の離れた長男はまだ大学生で、今は義母と2人だけで暮らしているので、寂しいのかも知れない。
「一杯どうだ?帰りは香織に運転させればいい」
義父は、久し振りに会った私を歓迎してくれた。
「香織はお邪魔している時に、一人で出掛ける事もありますか?」
「無いな。女房と買い物にはよく行くが」
やはり私の取り越し苦労だと安心して、美味い酒をたらふくご馳走になった。
家に戻ると、私はそのままソファーで横になってしまい、妻は眠ってしまった子供を抱いて寝室へ。
「あなた。こんな所で寝てしまったら、風邪をひきますよ」
気付くと目の前に笑顔の妻の顔があり、体には薄い夏蒲団が掛けてくれてあった。
「もう、こんな時間か」
「何度起こしても、起きてくれないから」
妻の声を遮るように引き寄せてキスすると、妻もそれに応えてくれたので、私はお尻を撫ぜていた。
「だめー。もうお湯が入った頃だから、お風呂に入って来ます」
妻は嬉しそうに、バスルームへ逃げて行く。
少し遅れて私も行くと、既に妻は湯から上がって、スポンジにボディーソープを付けていた。
私は湯に浸かりながら、妻が身体を洗う様子をじっと見る。
「いやだー。そんなに見ないで」
湯から出ると、妻を見ていて硬くなった物を目の前に突き出す。
「まあー!ウフッ」
妻は掌にボディーソープをたっぷり乗せて、慌しく両手を擦り合わせ、私のオチンチンは泡で見えなくなって行く。
しばし、心地良い指の動きに身を任せていると、急にお湯を掛けられて、また姿を現したオチンチンに、今度は膝立ちになった妻の唇が近付いて来る。
私は、新婚当初の妻を思い出していた。
付き合っていた半年間は、いくら私が迫っても上手くかわされ、結局はキス止まり。
初めて妻と結ばれたのは、新婚旅行先のホテルだった。
その夜の妻は、終始恥ずかしそうに俯いていたが、いざセックスが始まると乱れに乱れて終始声を上げ続け、何度も何度も達してくれた。
しかしその間、いくら目の前にオチンチンを持って行っても決して口にする事は無く、これほど感じてくれているのは私を愛してくれているからで、処女では無かったが、経験は左程多く無いのだと思った。
初めて妻が私を口にしたのは、それから3ヶ月ほど経ってから。
しかも、ただ口に入れているだけで何もせず、妻にとって初めての経験なのだと感じた。
最初は ぎこちなかった妻も、私が何も言わなくても裏側に舌を這わせ、横から咥え、わざと大きな音を出して吸ったりして、徐々にプロ顔負けの性技を見せだしたが、これも愛するが故に私のオチンチンが愛しくなり、自然とそうするようになったと思っていた。
これらは演技だったのだろうか?
その後の妻は、セックスでも凄く献身的に尽くしてくれ、私が身を任せる事も多く、普段の妻からは、誰も想像出来ないような顔を見せ、
その事全てが私だけのものだと思うと、男の独占欲を充分満足させてくれていたが、
これら全て高橋常務に仕込まれた技で、常務にも同じ顔を見せていたのか?
いや、今も見せているのか?
私だけのものでは無かったのか?
妻の口の中で、私が急送に萎んで行く。
「えっ?」
「早く洗って、寝室に行こう」
寝室での妻は、何とか私を奮い立たせようと、顔を跨いだ格好になり、腰を妖しく動かして誘いながら、無我夢中で舌を使ってくる。
「ごめん。飲み過ぎてしまったようだ。明日頑張るから・・・・・・・・」
しかし次の日も、そのまた次の日も結果は同じ。
「ごめん」
「私なら大丈夫だから、謝らないで。きっと疲れているのよ」
このまま永久に、この状態が続くかも知れないと脅えた私は、私の思い違いを信じながらも誤解を解くために、思い切って鈴木係長に声を掛けた。
「鈴木先輩。今日仕事が終ってから、一杯付き合って頂けませんか?」
あえて鈴木係長とは呼ばずに言ったが、私用が有るからと断られる。
「お願いします。妻の事で訊きたい事が・・・・・」
「香織さんの事で?」
私が妻と言っただけで、名前がすぐに出てくるほどよく覚えていた事で、伊藤部長が常務と妻の事を、この男に探らせていたのだと確信する。
妻を出した事で どうにか付き合ってはもらえたが、直接のライバルでは無かったにしろ、以前上司がライバル関係にあった事で、私を高橋常務の犬だと思っているのか口は重い。
「率直に言います。以前 高橋常務と妻の事を調べていましたか?」
「私からは何も言えません。これ以上会社に居辛くなるのは嫌ですから」
それは私だけではなくて、他の社員達にも信じ難い出来事だったと思う。
何故なら妻は、身長が170センチある髪の長いモデルのような美人で、下請け会社の社長の娘だったから。
会社ではマドンナ的存在で、男子社員の憧れの的だったが、隙のない妻には誰も声を掛ける事すら出来なかった。
「香織君と付き合っているそうだが、君はもう34だろ?早いもので香織君も28になったと聞いたが、ここらで そろそろ決めたらどうかね。
近々私は常務になる。
そうなれば、いずれ君を課長にして、ゆくゆくは部長に推薦しようとも思っている。
その為にも早く身を固め、家庭を持って落ち着け」
私に目を掛けてくれていた高橋部長にそう言われ、とんとん拍子で話は進み、付き合い始めて僅か半年で、部長夫妻の仲人で結婚。
2年後には子供も生まれ、その息子も早2才。
子供は可愛い盛りで、妻は相変わらず綺麗で優しい。
妻には何の不満もないが、ただ1つ有るとすれば、頻繁に実家に帰る事ぐらい。
しかし、それは私の出張が多くて、その間帰っているだけで、私が帰る前には戻って来ていて、必ず息子と笑顔で迎えてくれるので、不満などと言うものでは無い。
この世の春とは正にこの事で、私は幸せの絶頂にあった。
そんなある日、退職してライバル会社に入った元総務部長に、出張先の会社で偶然会う。
この人は、私達の仲人をしてくれた当時、部長で今では常務の高橋常務と同期で、常に出世を争うライバルだった。
私が直接聞いた訳ではないが、退職した理由が「高橋の下でなんか働けるか」らしい。
「君は課長になったらしいな。おめでとう」
話を聞くと、偶然同じホテルに泊まっていた。
「狭い業界だから得意先で会っても不思議ではないが、ホテルまで一緒とは奇遇だ。これも何かの縁だから、今夜一杯どうだ?」
我社の事を探りたいのかとも思ったが、直属では無かったにしろ、仮にも元上司だった人の誘いは断り難く、私達はホテルの側の居酒屋にいた。
「課長自ら商談か?」
確かに課長になってから、出張先も規模の大きな会社だけに成り、出張の回数も減ったが、それでも月に2回は3・4日の出張が有った。
「課長と言っても、会社で座ってばかりいられないのは、伊藤部長もよくご存知じゃないですか。
それよりも、こちらは私のような課長で、そちらは伊藤部長に出て来られては、勝ち目が無くなってしまいます」
「いや、部長と言っても、会社の規模が天と地ほど違う」
最初は、仕事の話ばかりだったが、酔いが回ると伊藤部長は、とんでもない事を言いだした。
「君は出世間違い無しだから、そう躍起に成らなくても良いだろ。少しぐらい手加減してくれよ」
「いいえ、営業なんて常に競争ですから、うかうかしていたら降格が有るかも知れません」
「いや、君は勝ち組だ。高橋に付いて、香織君を嫁に貰った時点で、会社では勝ち組だ」
私は、これはしっかり者の妻を貰ったから、出世出来るという、妻に対しての褒め言葉だと受け取ってしまい、お世辞だとしても嬉しかったが、次の言葉で皮肉だと知る。
「ただ、男としてはどうだろう。男としては勝ち組どころか、最低な男に成り下がってしまったな」
流石に、酔っている元上司でも頭に血が上る。
「どう言う意味です?いくらお世話に成った伊藤部長でも、その言い方は許せない」
「だって、そうだろ。君は上司の愛人を引き受けて、プライドを捨てて出世をとった」
私は伊藤部長の言う意味が、すぐには理解出来なかった。
「まさか・・・・知らなかったと言う事は・・・・・・・・・・・・」
当時、高橋部長は平の部長で、伊藤部長には取締役が付いていた。
取締役会議で、自分よりも格下の高橋部長を常務にという話が出た時
「社内に愛人がいる様な人間を常務にしても良いのか」と暴露した。
しかし、それは個人の問題で会社には関係ないと跳ね除けられ、身辺を綺麗にする事という条件が付け加えられるに終わる。
「取締役の何人かは既に知っていたので、高橋が先に手を回していたのさ。重役以外は知らないはずだが、まさか当の君まで知らなかったとは・・・・・・・・・・」
高橋常務は、昔から腰も低くて物腰も柔らかく、いつも笑顔を絶やさない優しい人なので、私には到底信じる事が出来ない。
しかし、伊藤部長も、気性の激しいところは有るが、男気のある嘘の無い人だという印象があり、私は何が本当なのか分からずに戸惑うばかりだったが、出張から家に戻ると、いつもの様に妻と息子が笑顔で出迎えてくれた。
「変わった事は無かったか?」
伊藤部長に言われた事が気になっていたが、間違っていた場合、これほど妻を侮辱する話は無いので、どうしても切り出せない。
「いつものように、実家に行かせて頂きました」
妻の笑顔を見ていると、やはり妻を信じようと思う。
私は寝付かれずに、妻の寝顔を見ていた。
そう言えば、私と付き合う前の、妻の男性遍歴は何も知らない。
付き合った時は、既に28歳で、勿論処女ではなかったが、それはお互い様で別段気にもしなかった。
入社以来、目立つ存在だったので気にして見ていたが、社内では浮いた噂は一度も聞いた事がない。
伊藤部長の話を思い出し、妻が高橋常務の熟練した性戯で、乱れている姿が脳裏に浮かぶ。
伊藤部長の話が本当だとすれば、どの様に情報を仕入れたのだろう?
その時、1人の男の顔が浮かぶ。
その男は、伊藤部長に付いていて、妻と同じ営業二課にいた鈴木係長。
出世争いで伊藤部長が勝っていれば、当然この男は課長に成っていただろうし、逆に私などは万年係長だったかも知れない。
こんな事を考えていたが、伊藤部長の言っていた事が本当だったとしても、それは私と結婚する前の話し。
結論は、妻に聞くまでも無く、結婚前の話しなので、何も言わないで現状維持。
今が幸せなら関係ないと、自分を落ち着かせる。
翌日出社すると、高橋常務から話し掛けられた。
「昨日まで出張だったらしいな。その内部長に引き上げてやるから、精々頑張れ。それはそうと、今度の出張はいつだ?」
「再来週の月曜から、4日間の予定です」
「そうか、大変だな。身体を壊すなよ」
今までにも何度か声を掛けてもらって、その度に出張の予定を聞かれた様な気がする。
今までの私は何も思わず、気にも留めなかったが、伊藤部長の話を聞いたからか、何か違和感を覚えた。
「部長。高橋常務から、私の出張について何か聞かれた事はありますか?」
「そう言われれば、何度か予定を聞かれた事がある。君は高橋常務のお気に入りだから、何かと心配してくれているのだろう」
今一番勢いのある高橋常務の事で、下手な事は話せないと思ったのか、部長も多くは語らない。
しかし、多くを語らない事で、逆に頻繁に訊かれているのではないかと疑る。
どうして常務が、私の出張予定を?
まさか今も。
どんどん考えは悪い方へと向かってしまうが、家に戻って妻の笑顔を見ると、思いすごしだと安心する。
何より、結婚以来、妻に疑わしい行動は無い。
妻の性格で、不倫なんて有り得ない。
しかも、幼い子供を連れて不倫相手に会うなんて有り得ない。
妻と一緒にいると、疑ってしまうこと自体申しわけなく思うが、一人でいると考え込んでしまう。
仮に不倫しているとすれば、私の出張中しか考えられない。
実家に子供を預けて。
妻を疑っている事に罪悪感を覚えながらも、頭の中は伊藤部長の言葉に支配されていく。
「今から香織の実家に行かないか」
車で1時間ほどの距離なのに、実家に来たのは久し振りだった。
「ご無沙汰しております」
「いや、いつも香織が勝手してすまないな。嫁に行ったのに、そう頻繁に帰って来るなと言いたいのだが、私達も孫の顔を見たくて、つい・・・・・・・・・・・・」
歳の離れた長男はまだ大学生で、今は義母と2人だけで暮らしているので、寂しいのかも知れない。
「一杯どうだ?帰りは香織に運転させればいい」
義父は、久し振りに会った私を歓迎してくれた。
「香織はお邪魔している時に、一人で出掛ける事もありますか?」
「無いな。女房と買い物にはよく行くが」
やはり私の取り越し苦労だと安心して、美味い酒をたらふくご馳走になった。
家に戻ると、私はそのままソファーで横になってしまい、妻は眠ってしまった子供を抱いて寝室へ。
「あなた。こんな所で寝てしまったら、風邪をひきますよ」
気付くと目の前に笑顔の妻の顔があり、体には薄い夏蒲団が掛けてくれてあった。
「もう、こんな時間か」
「何度起こしても、起きてくれないから」
妻の声を遮るように引き寄せてキスすると、妻もそれに応えてくれたので、私はお尻を撫ぜていた。
「だめー。もうお湯が入った頃だから、お風呂に入って来ます」
妻は嬉しそうに、バスルームへ逃げて行く。
少し遅れて私も行くと、既に妻は湯から上がって、スポンジにボディーソープを付けていた。
私は湯に浸かりながら、妻が身体を洗う様子をじっと見る。
「いやだー。そんなに見ないで」
湯から出ると、妻を見ていて硬くなった物を目の前に突き出す。
「まあー!ウフッ」
妻は掌にボディーソープをたっぷり乗せて、慌しく両手を擦り合わせ、私のオチンチンは泡で見えなくなって行く。
しばし、心地良い指の動きに身を任せていると、急にお湯を掛けられて、また姿を現したオチンチンに、今度は膝立ちになった妻の唇が近付いて来る。
私は、新婚当初の妻を思い出していた。
付き合っていた半年間は、いくら私が迫っても上手くかわされ、結局はキス止まり。
初めて妻と結ばれたのは、新婚旅行先のホテルだった。
その夜の妻は、終始恥ずかしそうに俯いていたが、いざセックスが始まると乱れに乱れて終始声を上げ続け、何度も何度も達してくれた。
しかしその間、いくら目の前にオチンチンを持って行っても決して口にする事は無く、これほど感じてくれているのは私を愛してくれているからで、処女では無かったが、経験は左程多く無いのだと思った。
初めて妻が私を口にしたのは、それから3ヶ月ほど経ってから。
しかも、ただ口に入れているだけで何もせず、妻にとって初めての経験なのだと感じた。
最初は ぎこちなかった妻も、私が何も言わなくても裏側に舌を這わせ、横から咥え、わざと大きな音を出して吸ったりして、徐々にプロ顔負けの性技を見せだしたが、これも愛するが故に私のオチンチンが愛しくなり、自然とそうするようになったと思っていた。
これらは演技だったのだろうか?
その後の妻は、セックスでも凄く献身的に尽くしてくれ、私が身を任せる事も多く、普段の妻からは、誰も想像出来ないような顔を見せ、
その事全てが私だけのものだと思うと、男の独占欲を充分満足させてくれていたが、
これら全て高橋常務に仕込まれた技で、常務にも同じ顔を見せていたのか?
いや、今も見せているのか?
私だけのものでは無かったのか?
妻の口の中で、私が急送に萎んで行く。
「えっ?」
「早く洗って、寝室に行こう」
寝室での妻は、何とか私を奮い立たせようと、顔を跨いだ格好になり、腰を妖しく動かして誘いながら、無我夢中で舌を使ってくる。
「ごめん。飲み過ぎてしまったようだ。明日頑張るから・・・・・・・・」
しかし次の日も、そのまた次の日も結果は同じ。
「ごめん」
「私なら大丈夫だから、謝らないで。きっと疲れているのよ」
このまま永久に、この状態が続くかも知れないと脅えた私は、私の思い違いを信じながらも誤解を解くために、思い切って鈴木係長に声を掛けた。
「鈴木先輩。今日仕事が終ってから、一杯付き合って頂けませんか?」
あえて鈴木係長とは呼ばずに言ったが、私用が有るからと断られる。
「お願いします。妻の事で訊きたい事が・・・・・」
「香織さんの事で?」
私が妻と言っただけで、名前がすぐに出てくるほどよく覚えていた事で、伊藤部長が常務と妻の事を、この男に探らせていたのだと確信する。
妻を出した事で どうにか付き合ってはもらえたが、直接のライバルでは無かったにしろ、以前上司がライバル関係にあった事で、私を高橋常務の犬だと思っているのか口は重い。
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