不思議な友人と暮らしたひと夏の想い出をぽつぽつ語る
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62 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 07:56:40.42 ID:5hJQxhYCp.net
この時は わたしも半信半疑で、わざと演じているのかな?とも思ってた。
でもまあ、どちらにせよ彼女は彼女なわけで。あまり気に留めなかった。
「1ちゃんと話しとるとツチノコめっちゃ嬉しそうやったけん、ええ人なんやろなぁって思っとったよ?こうやって話せて嬉しいなぁ。」
「いえいえ、びっくりしたけど あいつの中にこんなかわいい子がいたなんて…ツチノコ教えてくれたらよかったのに。」
そう。ドラ子はとにかくかわいい。声も少し高くて、ふわふわしてて、もうそれはそれは。同じ人とは思えない。
ちなみに彼女も傷やアザなどの怪我は好きだけど、他人を傷付けて喜ぶような性癖はないと後々判明する。
この日以来、時々ドラ子とも電話をするようになった。
彼女の方で連絡を取るアプリをツチノコとドラ子に分けてるから、それぞれに声を掛ける事ができる。
主人格には主人格の苦悩があるらしく、ドラ子は時々泣きながら電話をしてくることがあった。
わたしの人生なのに、色々な声が聞こえて苦しい、しんどいと辛そうにしてたのを今でも覚えてる。
対して、ツチノコは元々楽しい感情を司る性格らしい。陽気な時に出て来て、沈んだりするとすーっといなくなる事があるそうな。彼がツチノコと呼ばれて中々顔を見せないのも、彼女と人生を半分にしてたからだと思えば頷ける。
そんなわけで彼女の秘密をひとつ知ったわたしに、重ねてのニュースが舞い込む。
「春からドラ子の仕事の都合で1の近所で働くことが決まったから、宜しくwww」
現実は小説より奇なり、をこれほど身近に体験したことはないな…なんて思ってしまう1でした。
63 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 08:01:59.47 ID:5hJQxhYCp.net
ちなみに多重人格についてはわたしも知識がないので、彼女が本当にそうだったのかよくわからない節が多いかな(´・ω・`)
でも わたしが見たもの、感じたものを表すとしたら多重人格って言葉がぴったりだったから、使わせてもらってます。
この先、そんな都合の良いことある?って思うと思うけど、わたしも思ってたwww
ただ、ただひとつ言えるのは多少身バレ防ぐためにくらましてるけど、ほぼ実体験だってこと。
64 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 08:25:54.01 ID:5hJQxhYCp.net
少し時は流れて、春。
宣言通り彼女がわたしの家の近所に越して来た。
特にわたしに寄せて来たわけでもなく、たまたま就職先が近所だった。その距離電車で2分。ここまで来ると神様のイタズラもタチが悪い。
次に彼女と会ったのはホテル。ツチノコのターン。
声も気にせず好き勝手できるからって理由でホテル。ただここは割愛します。なぜなら特に何もしてない。いつも通り噛む、叩く、痛め付ける描写だけだったから。
ご希望があれば文字起こししようかな。
2日後。
どうやらツチノコは自分がつけたアザを見たり更に痛め付けるのがお好きらしい。今日も夜会いたいとのご要望。
その日、例のコミュニティの友人を家に泊めたらしく、急遽カラオケにいる2人にわたしが合流する事に。
65 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 08:27:22.33 ID:5hJQxhYCp.net
とりあえずここまで、書き溜めしてないから相変わらずのろのろペースで失礼(´・ω・`)
66 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 08:52:06.68 ID:MBcG674Ka.net
面白い。
67 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 10:32:49.79 ID:5hJQxhYCp.net
>>66
ありがとうううう(´・ω・`)
68 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 10:33:27.30 ID:5hJQxhYCp.net
しーごとーがだーるいー(´・ω・`)
69 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 11:34:05.63 ID:JY1V31Cfd.net
続きが気になる
72 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 16:37:56.93 ID:5hJQxhYCp.net
>>69
ぬるぬる変なことが続きます(´・ω・`)
70 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 11:45:26.60 ID:j05MPMfb0.net
面白くなってきた
仕事頑張れー
続き待ってるよ
73 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 16:38:35.89 ID:5hJQxhYCp.net
>>70
ありがとうー(´・ω・`)
とっとと片付けて来るよ(´・ω・`)
71 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 13:29:19.69 ID:A/KmYWWn6.net
なんかマジでフィクションを疑いたくなるくらい整ってるな
まあ面白いからどっちでもいいけど
74 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 16:39:36.75 ID:5hJQxhYCp.net
>>71
フィクションだったらよかったな。
って今になって思うよ(´・ω・`)
ありがとーう。
75 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 17:56:44.55 ID:5hJQxhYCp.net
少しづつぽつぽつするよー(`・ω・´)
76 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 17:58:57.01 ID:5hJQxhYCp.net
このツチノコハウスに泊まった友人も、この先頻繁に出て来るので名前をつけようか。歌が好きな子だから うたちゃんにします。
うたちゃんはわたしによく懐いてくれる妹みたいな子だった。天真爛漫、若干空気が読めないけどそれもご愛嬌。好き嫌いがハッキリしてて敵を作りやすい印象。
うたちゃんとツチノコは元々友人。わたしをツチノコと引き合わせてくれたのが うたちゃんだった。
ツチノコをお兄ちゃんみたいに慕っててブラコンかってほどべたべた。昔彼に告白して玉砕してるらしい(本当に彼はやたらとモテる…)
コミュニティの中では自分が一番ツチノコの事をわかってる!って感じでいつも振舞ってるのがうたちゃんです。
当然、わたしとツチノコがそんな関係だとは うたちゃんは知ない。と言うか、彼女に限らずツチノコと2人きりで会ったなんて言ったらコミュニティ全体が修羅場と化す。
…ので今回のミッションその1。
「初対面のフリをすること」
77 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 18:00:27.34 ID:5hJQxhYCp.net
仕事を終えて、2人が待つカラオケ店へ向かう。ドアを開けると左右にソファが向かい合って設置された部屋だった。
入ってすぐにうたちゃん、向かい側にツチノコの配置。
「あーやっときたー!遅いよー1ちゃーん!」
「ごめんごめん、仕事長引いちゃってさ。」
よし、良い流れ!抱きついて来るうたちゃんを抱きしめてあやしてあげながら、ちらりとツチノコの様子を伺う。
…なんか目ぱちくりさせてるけど。
これは、もしや…。
うたちゃんを座らせてから気を取り直して。あまり距離があっても不自然だから、いつも初対面の人にするのと同じように。
「やーっと会えた、お待たせー。」
「わ、わわ…わー1ちゃんやー!待ってたでー!」
そう、本当に″はじめまして″だった。
抱き締めた彼女のいつもより ふにゃふにゃ緩んだ表情とかわいい声。
まぎれもないドラ子です。うたちゃんは彼女の多重人格の件も知ってたらしく、今朝起きたらたまたまドラ子だったとのこと。
78 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 18:08:57.75 ID:5hJQxhYCp.net
カラオケにいる間、ドラ子は終始わたしのそばにくっついてた。
なぜか持ってきたスナック菓子をやたらとわたしに食べさせたがる。まだもぐもぐしてるわたしの口に無理やり突っ込もうとしては、けらけらと楽しそうに笑ってた。あほかわいい。うたちゃんも一緒になって笑ってた。
ただただふつーの楽しいカラオケ女子会www
が。
「……っ!?」
不意に足に感じた痛み。咄嗟に声を殺して俯くと座ってるわたしの太ももに、ドラ子の手が。昨夜噛まれてアザになってる内ももに彼女がギリギリと爪を立てていた。ここに傷があるのを知ってるのは…
顔を上げるとにやりと口角を持ち上げた表情。
………ツチノコだ。
明らかに表情が違う。うたちゃんから見えない位置でなんてことを。騒ぐとバレるよと言わんばかりのいたずらな視線に、ただ痛みに耐えるしかなかった。
この頃には彼にやり返したらどうなるのか、体が覚えてたので反抗する気は無かった。
「ねえねえ、次1ちゃんの番だよー?」
「あ…そっか、よーしマイクどこだ!」
うたちゃんが話しかけたのをきっかけに、彼女の手が緩んだ。なんでもない風を装ってマイクを手に取る。次に彼女を見たときにはすっかりドラ子の緩んだ表情が隣にいて、拍子抜けしてしまった。
なんだか、変な状況に置かれてしまったな…。
79 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 18:11:07.30 ID:5hJQxhYCp.net
はしゃぎ倒してご飯の時間。
3人でファミレスに入ったけど、わたしの頭の中には懸念事項が2つ。
その1、うたちゃんはバイバイがとても苦手である
その2、果たしてこの状態でツチノコが出てくるのか
いずれも なぜかと言えば、この後ツチノコと2人でホテルに行く約束をしてるからであって。
特に、ドラ子は食べる事が大好きな子。好物を前にするとツチノコのターンでも出てきてしまう事があったり。そもそも自由に入れ替われるのかもわからないし…。
「なぁなぁ、これ うたちゃんとおそろいなんよ。かわいかろー!」
「そう!おそろい!わたしが選んだの。」
「へえ、ほんとだかわいい。夏に使えそうなデザインだしいいね?」
と、心配をよそに2人は楽しそうに話しを弾ませてる。
うたちゃんの顔付きがしょんぼりしはじめたころ、そろそろツチノコとの約束の時間が過ぎた。
「ふふー、1ちゃんの手まじでクリームパンやー。」
わたしの手はなぜか2人に遊ばれてます。ふにふにして柔らかいらしく人気商品です。よく遊ばれます。
いつ切り上げようかなぁ、と悩んでると、ふとドラ子が俯いてぼーっとしてる事に気付いた。寝てる?疲れたのかな。
「ドラ子大丈夫?」
「…ん?ああ、平気平気。」
よし、生きてるな。ん?痛い痛い、手痛い。さりげなく手の甲に爪食い込んでますよ、ねえ。こんな触り方するのはそうです、彼です。
「おはよう。」
少し目つきの変わった彼に朝のご挨拶。無事に入れ替わったみたいで良かったけど…さて、残る問題はひとつ…。
80 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 18:12:18.28 ID:5hJQxhYCp.net
「だー…マジで疲れた、ごめんななんか。」
「いいよいいよ、ああ言う子だって知ってたしね。」
うたちゃんを無事に見送ったのは あれから30分後。
彼女は極端に人との別れを嫌う。家庭環境だとか彼女の性格だとか、理由は色々あるんだろうけど。改札の前で子犬のような目で泣かれるので毎度毎度苦労してる。それがどうやらツチノコを疲れさせてしまったらしい。
腕を支えてあげてなんとかホテルに到着。
「理屈はわかんねぇけど頻繁に入れ替わると疲れるんだよな…体がしんどいってか。何だろうな。すぐ良くなると思うんだけど。」
「あんま無理しないで、寝ても良いからね。」
「やだよもったいねー。少し休めば平気。」
「なら良いけど……あ、ピアス。やっと空けたんだ?」
椅子に座る彼の背後に来て気付いた。うなじに光るピアス。なんとなく、惹かれるものがあった。
わたしを傷付ける彼が、自ら望んでその肌を傷付ける理由が知りたかったのか。傷付けられてる彼にただ興奮したのか。
気付けば後ろから彼を抱き締めて、うなじにそっと唇を押し当てていた。
自分でも衝動に任せた行為だったと慌てて身を引く…はずだったのに。彼に腕を掴まれてしまった。
「…いいよ、好きにしな。怒らないから。」
お言葉に甘えて好き勝手させて貰いました。
舌で辿ると、丸い2つのパーツの間に一本の棒が入ってるのがわかる。肌の下で動くそれが、なんとも言えない。妙な気分になってくる。わざと音を立てて何度もその場所に口付けた。
「…っ…。」
あ、興奮してる。そうすぐにわかる息遣いだった。
あまり深追いはせずにそのまま体を解放してあげる。
体調も戻ったのか、その後ベッドでわたしの体に残るアザをまじまじと観察し始めた。嬉しそうに写真に収めてから携帯を机に放る。
お?終わったかな…と、思ったら彼の口からひと言。
「今日は″ちゃんと″満足させるから。」
この時は わたしも半信半疑で、わざと演じているのかな?とも思ってた。
でもまあ、どちらにせよ彼女は彼女なわけで。あまり気に留めなかった。
「1ちゃんと話しとるとツチノコめっちゃ嬉しそうやったけん、ええ人なんやろなぁって思っとったよ?こうやって話せて嬉しいなぁ。」
「いえいえ、びっくりしたけど あいつの中にこんなかわいい子がいたなんて…ツチノコ教えてくれたらよかったのに。」
そう。ドラ子はとにかくかわいい。声も少し高くて、ふわふわしてて、もうそれはそれは。同じ人とは思えない。
ちなみに彼女も傷やアザなどの怪我は好きだけど、他人を傷付けて喜ぶような性癖はないと後々判明する。
この日以来、時々ドラ子とも電話をするようになった。
彼女の方で連絡を取るアプリをツチノコとドラ子に分けてるから、それぞれに声を掛ける事ができる。
主人格には主人格の苦悩があるらしく、ドラ子は時々泣きながら電話をしてくることがあった。
わたしの人生なのに、色々な声が聞こえて苦しい、しんどいと辛そうにしてたのを今でも覚えてる。
対して、ツチノコは元々楽しい感情を司る性格らしい。陽気な時に出て来て、沈んだりするとすーっといなくなる事があるそうな。彼がツチノコと呼ばれて中々顔を見せないのも、彼女と人生を半分にしてたからだと思えば頷ける。
そんなわけで彼女の秘密をひとつ知ったわたしに、重ねてのニュースが舞い込む。
「春からドラ子の仕事の都合で1の近所で働くことが決まったから、宜しくwww」
現実は小説より奇なり、をこれほど身近に体験したことはないな…なんて思ってしまう1でした。
63 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 08:01:59.47 ID:5hJQxhYCp.net
ちなみに多重人格についてはわたしも知識がないので、彼女が本当にそうだったのかよくわからない節が多いかな(´・ω・`)
でも わたしが見たもの、感じたものを表すとしたら多重人格って言葉がぴったりだったから、使わせてもらってます。
この先、そんな都合の良いことある?って思うと思うけど、わたしも思ってたwww
ただ、ただひとつ言えるのは多少身バレ防ぐためにくらましてるけど、ほぼ実体験だってこと。
64 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 08:25:54.01 ID:5hJQxhYCp.net
少し時は流れて、春。
宣言通り彼女がわたしの家の近所に越して来た。
特にわたしに寄せて来たわけでもなく、たまたま就職先が近所だった。その距離電車で2分。ここまで来ると神様のイタズラもタチが悪い。
次に彼女と会ったのはホテル。ツチノコのターン。
声も気にせず好き勝手できるからって理由でホテル。ただここは割愛します。なぜなら特に何もしてない。いつも通り噛む、叩く、痛め付ける描写だけだったから。
ご希望があれば文字起こししようかな。
2日後。
どうやらツチノコは自分がつけたアザを見たり更に痛め付けるのがお好きらしい。今日も夜会いたいとのご要望。
その日、例のコミュニティの友人を家に泊めたらしく、急遽カラオケにいる2人にわたしが合流する事に。
65 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 08:27:22.33 ID:5hJQxhYCp.net
とりあえずここまで、書き溜めしてないから相変わらずのろのろペースで失礼(´・ω・`)
66 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 08:52:06.68 ID:MBcG674Ka.net
面白い。
67 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 10:32:49.79 ID:5hJQxhYCp.net
>>66
ありがとうううう(´・ω・`)
68 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 10:33:27.30 ID:5hJQxhYCp.net
しーごとーがだーるいー(´・ω・`)
69 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 11:34:05.63 ID:JY1V31Cfd.net
続きが気になる
72 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 16:37:56.93 ID:5hJQxhYCp.net
>>69
ぬるぬる変なことが続きます(´・ω・`)
70 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 11:45:26.60 ID:j05MPMfb0.net
面白くなってきた
仕事頑張れー
続き待ってるよ
73 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 16:38:35.89 ID:5hJQxhYCp.net
>>70
ありがとうー(´・ω・`)
とっとと片付けて来るよ(´・ω・`)
71 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 13:29:19.69 ID:A/KmYWWn6.net
なんかマジでフィクションを疑いたくなるくらい整ってるな
まあ面白いからどっちでもいいけど
74 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 16:39:36.75 ID:5hJQxhYCp.net
>>71
フィクションだったらよかったな。
って今になって思うよ(´・ω・`)
ありがとーう。
75 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 17:56:44.55 ID:5hJQxhYCp.net
少しづつぽつぽつするよー(`・ω・´)
76 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 17:58:57.01 ID:5hJQxhYCp.net
このツチノコハウスに泊まった友人も、この先頻繁に出て来るので名前をつけようか。歌が好きな子だから うたちゃんにします。
うたちゃんはわたしによく懐いてくれる妹みたいな子だった。天真爛漫、若干空気が読めないけどそれもご愛嬌。好き嫌いがハッキリしてて敵を作りやすい印象。
うたちゃんとツチノコは元々友人。わたしをツチノコと引き合わせてくれたのが うたちゃんだった。
ツチノコをお兄ちゃんみたいに慕っててブラコンかってほどべたべた。昔彼に告白して玉砕してるらしい(本当に彼はやたらとモテる…)
コミュニティの中では自分が一番ツチノコの事をわかってる!って感じでいつも振舞ってるのがうたちゃんです。
当然、わたしとツチノコがそんな関係だとは うたちゃんは知ない。と言うか、彼女に限らずツチノコと2人きりで会ったなんて言ったらコミュニティ全体が修羅場と化す。
…ので今回のミッションその1。
「初対面のフリをすること」
77 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 18:00:27.34 ID:5hJQxhYCp.net
仕事を終えて、2人が待つカラオケ店へ向かう。ドアを開けると左右にソファが向かい合って設置された部屋だった。
入ってすぐにうたちゃん、向かい側にツチノコの配置。
「あーやっときたー!遅いよー1ちゃーん!」
「ごめんごめん、仕事長引いちゃってさ。」
よし、良い流れ!抱きついて来るうたちゃんを抱きしめてあやしてあげながら、ちらりとツチノコの様子を伺う。
…なんか目ぱちくりさせてるけど。
これは、もしや…。
うたちゃんを座らせてから気を取り直して。あまり距離があっても不自然だから、いつも初対面の人にするのと同じように。
「やーっと会えた、お待たせー。」
「わ、わわ…わー1ちゃんやー!待ってたでー!」
そう、本当に″はじめまして″だった。
抱き締めた彼女のいつもより ふにゃふにゃ緩んだ表情とかわいい声。
まぎれもないドラ子です。うたちゃんは彼女の多重人格の件も知ってたらしく、今朝起きたらたまたまドラ子だったとのこと。
78 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 18:08:57.75 ID:5hJQxhYCp.net
カラオケにいる間、ドラ子は終始わたしのそばにくっついてた。
なぜか持ってきたスナック菓子をやたらとわたしに食べさせたがる。まだもぐもぐしてるわたしの口に無理やり突っ込もうとしては、けらけらと楽しそうに笑ってた。あほかわいい。うたちゃんも一緒になって笑ってた。
ただただふつーの楽しいカラオケ女子会www
が。
「……っ!?」
不意に足に感じた痛み。咄嗟に声を殺して俯くと座ってるわたしの太ももに、ドラ子の手が。昨夜噛まれてアザになってる内ももに彼女がギリギリと爪を立てていた。ここに傷があるのを知ってるのは…
顔を上げるとにやりと口角を持ち上げた表情。
………ツチノコだ。
明らかに表情が違う。うたちゃんから見えない位置でなんてことを。騒ぐとバレるよと言わんばかりのいたずらな視線に、ただ痛みに耐えるしかなかった。
この頃には彼にやり返したらどうなるのか、体が覚えてたので反抗する気は無かった。
「ねえねえ、次1ちゃんの番だよー?」
「あ…そっか、よーしマイクどこだ!」
うたちゃんが話しかけたのをきっかけに、彼女の手が緩んだ。なんでもない風を装ってマイクを手に取る。次に彼女を見たときにはすっかりドラ子の緩んだ表情が隣にいて、拍子抜けしてしまった。
なんだか、変な状況に置かれてしまったな…。
79 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 18:11:07.30 ID:5hJQxhYCp.net
はしゃぎ倒してご飯の時間。
3人でファミレスに入ったけど、わたしの頭の中には懸念事項が2つ。
その1、うたちゃんはバイバイがとても苦手である
その2、果たしてこの状態でツチノコが出てくるのか
いずれも なぜかと言えば、この後ツチノコと2人でホテルに行く約束をしてるからであって。
特に、ドラ子は食べる事が大好きな子。好物を前にするとツチノコのターンでも出てきてしまう事があったり。そもそも自由に入れ替われるのかもわからないし…。
「なぁなぁ、これ うたちゃんとおそろいなんよ。かわいかろー!」
「そう!おそろい!わたしが選んだの。」
「へえ、ほんとだかわいい。夏に使えそうなデザインだしいいね?」
と、心配をよそに2人は楽しそうに話しを弾ませてる。
うたちゃんの顔付きがしょんぼりしはじめたころ、そろそろツチノコとの約束の時間が過ぎた。
「ふふー、1ちゃんの手まじでクリームパンやー。」
わたしの手はなぜか2人に遊ばれてます。ふにふにして柔らかいらしく人気商品です。よく遊ばれます。
いつ切り上げようかなぁ、と悩んでると、ふとドラ子が俯いてぼーっとしてる事に気付いた。寝てる?疲れたのかな。
「ドラ子大丈夫?」
「…ん?ああ、平気平気。」
よし、生きてるな。ん?痛い痛い、手痛い。さりげなく手の甲に爪食い込んでますよ、ねえ。こんな触り方するのはそうです、彼です。
「おはよう。」
少し目つきの変わった彼に朝のご挨拶。無事に入れ替わったみたいで良かったけど…さて、残る問題はひとつ…。
80 :名も無き被検体774号+ :2018/08/22(水) 18:12:18.28 ID:5hJQxhYCp.net
「だー…マジで疲れた、ごめんななんか。」
「いいよいいよ、ああ言う子だって知ってたしね。」
うたちゃんを無事に見送ったのは あれから30分後。
彼女は極端に人との別れを嫌う。家庭環境だとか彼女の性格だとか、理由は色々あるんだろうけど。改札の前で子犬のような目で泣かれるので毎度毎度苦労してる。それがどうやらツチノコを疲れさせてしまったらしい。
腕を支えてあげてなんとかホテルに到着。
「理屈はわかんねぇけど頻繁に入れ替わると疲れるんだよな…体がしんどいってか。何だろうな。すぐ良くなると思うんだけど。」
「あんま無理しないで、寝ても良いからね。」
「やだよもったいねー。少し休めば平気。」
「なら良いけど……あ、ピアス。やっと空けたんだ?」
椅子に座る彼の背後に来て気付いた。うなじに光るピアス。なんとなく、惹かれるものがあった。
わたしを傷付ける彼が、自ら望んでその肌を傷付ける理由が知りたかったのか。傷付けられてる彼にただ興奮したのか。
気付けば後ろから彼を抱き締めて、うなじにそっと唇を押し当てていた。
自分でも衝動に任せた行為だったと慌てて身を引く…はずだったのに。彼に腕を掴まれてしまった。
「…いいよ、好きにしな。怒らないから。」
お言葉に甘えて好き勝手させて貰いました。
舌で辿ると、丸い2つのパーツの間に一本の棒が入ってるのがわかる。肌の下で動くそれが、なんとも言えない。妙な気分になってくる。わざと音を立てて何度もその場所に口付けた。
「…っ…。」
あ、興奮してる。そうすぐにわかる息遣いだった。
あまり深追いはせずにそのまま体を解放してあげる。
体調も戻ったのか、その後ベッドでわたしの体に残るアザをまじまじと観察し始めた。嬉しそうに写真に収めてから携帯を机に放る。
お?終わったかな…と、思ったら彼の口からひと言。
「今日は″ちゃんと″満足させるから。」
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