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気化爆弾
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948 名前: 開戦 ◆4hol74DQIE 投稿日: 2008/09/04(木) 23:21:51
後は、直近の情報によると、人妻3号さんは、どうやら、あのまま心が壊れてしまったようで、今現在実家に戻っている模様です。

何を話しかけてもほとんど反応がないようで、海老のように体を折り曲げて、ただひたすら前後に体を揺すって、呆けたように幸せな表情をしている状態なのだそうです。

外界とのコンタクトを自ら遮断した彼女の表情は、妖艶に、にっこりと微笑んだ状態で固まっているそうです。


果たして彼女が自身の行いの結果 自ら招いてしまった、絶望的な現実を受け入れ、正気に戻る日が来るのでしょうか?

ある意味では、永遠に、自分の命が尽きるその最後の瞬間まで自らが作りあげた「夢」の世界に決して醒めることなく留まるほうが、遥かに幸せなのかもしれません。

私は、人妻3号さんのご主人から、連絡があると思っていましたが、今日までのところ私及び友人2名のところには、彼からのコンタクトはありません。

彼の元に妻の不貞の事実を知らせたのが、われわれであることは彼なら当然に承知しているはずにもかかわらず。

その理由は、彼と同じく愛妻に裏切られた私は、なんとなくですが分かる気がします。

ただし、そんな彼の心情を事細かに解説するつもりはありません。



950 名前: 開戦 ◆4hol74DQIE 投稿日: 2008/09/04(木) 23:26:57
人妻2号さんは、ジムの常連の女性会員の間では、ボス的な存在でした。

一番仲がよかった女性会員に彼女が電話で語ったところによりますと。

母親が脳梗塞で突然倒れてしまった、命に別状はないが、母親の看護と取り残された父の面倒を見る必要があるので、今は実家に帰っている。

どれぐらいの時間がかかるか分からないが、状況が落ち着きしだい戻るのでよろしくとのことです。

もっとも、人妻2号を除くほぼ全ての会員が今現在ジムに何が起こっているのかを知っていますので、電話を受けた女性の心中は さぞかし複雑なものだったことと思います。


しかし、自身がそんな状況になってさえ、それでもまだ体面を必死で取り繕わなければならない女性の社会も中々に大変なものがありますね。

恐らく、彼女が戻ってくることは無いと私は思います。何故なら、私は彼女の夫の「敏腕弁護士」に全てを伝えた人間ですから。

最後に、間男2号が ただ一人真面目に交際していた独身の女性は、けなげにも必死で忘れようとしていて、新しい恋を探しながら前向きに生きているそうです。



952 名前: 開戦 ◆4hol74DQIE 投稿日: 2008/09/04(木) 23:29:12
多くの人が「気化爆弾」の影響をうけ、心を、あるいは人生そのものを「焦土」にされてしまいました。

狂気にかられたヒトラーが出した「全土焦土」化の命令は良識ある側近の判断により実行されませんでしたが、怒りと復讐に支配された私は実行してしまいました。悲しい現実ですね。

ある意味 私はこの結果を予想した上で今回の行動にでましたが、あまりに悲惨な状況に正直戸惑っています、これから私も色々な裁判などに付き合わなければなりませんが、それも私の人生の宿命なのでしょう。

どうであれ、「全土焦土」化のために、「気化爆弾」を投下してしまった私には、最後の瞬間まで見届ける義務があると思います。



954 名前: 開戦 ◆4hol74DQIE 投稿日: 2008/09/04(木) 23:31:33
妻の不貞に気が付いて以来数ヶ月、復讐だけを心のより所として今日まで頑張ってきました。

しかし辛く、厳しい日々でした。

30代も終盤を迎えた私は、当初はメタボ気味で悩んでいたのですが、この数ヶ月の戦いによる苦悩と、胃痛のため、みるみる体重が減少していき結果10キロ近くも痩せました。激痩せですよね。

おかげで すっかり引き締まり、メタボの心配はなくなりましたがw



959 名前: 開戦 ◆4hol74DQIE 投稿日: 2008/09/04(木) 23:40:02
一人の女性がそんな私の様子をずっと心配していてくれました。

彼女は、私の秘書で今年で27歳になる女性です。

私は、彼女には何も話してはいませんが、それでも毎日長い時間一緒にいますので、分かってしまうのでしょうね。

この1週間は、外食ばかりでは体に悪いからって毎日お弁当作ってきてくれています。

そのお礼のために、今夜シティーホテルのレストランで夕食をご馳走しました。

たわいもない会話に花が咲き、私には久しぶりにくつろいだ楽しいひとときでした。

その折りに、一瞬だけ真顔になって彼女がいいました。

「・・・どうして何にも話してくれないんですか?」

「・・・社長は私といても楽しくないですか?」

「私じゃダメですか?・・・」


勿論そんな彼女の気持ちに気が付いていなかった訳ではありません。

しかし、今の私は心に深手を負いすぎていて、心を開き誰かを愛するにはあまりに臆病になっています。

再び誰かを愛し、裏切られるのが怖いのです。

私は恐らく少し悲しそうに言いました。


「・・・そんなことないよ、そんなことは」

「でも・・まだ無理なんだ・・もう少し時間が欲しい・・・」


私を見つめ一瞬だけ寂しそうに微笑んで彼女

「・・・わかりました、でも、もう悲しまないで、苦しまないで」

「ずっと私が一緒にいてあげるから」


ご愛読心より感謝いたします。今回で終了させて頂きたいと思います。






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