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女だけどバイクの免許とったら人生が変わった話する
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619 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/06(月) 15:25:27 ID:48atFYNO
教習所ではみんなが どんどんハンコをもらって行く中、私はカメ並の遅さではあったが徐々にコツを覚えて行った。
しかし慣れてきたと思った矢先、スラロームの最中に派手に転倒。。
怪我も無かったのに、それからはスラロームが出来なくなってしまった。
焦れば焦るほど体が硬くなりクランクも一本橋もガタガタと失敗してしまう。
コロコロ転がっていくパイロンが憎たらしく思えて自分が情け無くなった。
その日も克服出来ないままに教習を終え、がっくりしながら事務所に寄るとアキオに会った。
「さっき教習受けてるの見てたよ。スンゲーカッコ良かったーやるね♪」
「ちょっとー。こっちは真剣なんだからね〜。」
「ごめん。マジだってば。本当にそう思ったんだってばー、ルパン三世のフジコって感じ?。」
「えーいウルサイわ〜。」
それから二人で家の近くの好み焼屋に行った。
続
620 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/06(月) 15:31:36 ID:48atFYNO
ハフハフお好み焼きを食べながら、アレコレ他愛もない話をした。
やはり教習所の話しになり、コワモテの先生の奥さんは元教習生で今もラブラブとかそんな話をした。
私がなかなか上達しないと愚痴をこぼすと、アキオは急に真面目な顔になり
「そっか...。でも冬子姉ちゃん見てたらさ、カッコイイなー頑張るなあーって。マジで思ったよ、オレ。なんていうか必死こいて頑張るってタイプじゃないと思ってたからさ。」
私は何だか急に泣きそうになってしまい、ヘラヘラ笑いながら水を飲んでこらえた。
店を出て何となく私は自転車を、アキオは原付バイクを押して歩き出した。
「アキオは何で仕事やめたの?」
「うーん。オレ、○○(大手通信系列会社)に出向してたんだけどさ...」
アキオはプログラマーをしていたが、あまりの残業の多さや嫌味な上司に嫌気がさし、ノイローゼになりかけたのだそうだ。
「すっげぇビルで、ハンパじゃないの社員の数が。最初は誇らしかったんだけどな...。」
アキオは隣の部署の人が鬱病になった末に自殺をしてしまったのを機に、辞めるとキッパリ決めたそうだ。
「オレ、まだ死にたくないねぇし。」
うちは母親しかいないしな〜とアキオはポツンと言った。
アキオのお父さんはアキオが小4の時、ガンで亡くなった。
おじさんのお葬式の日、泣き虫だったアキオが妹のアッコちゃん(※仮名)と並び、目を腫らして参列している姿を私は思い出していた。
家が近づいて分かれ道の角が来た。
「じゃ〜なバイク頑張りなよ♪」
アキオが四国に帰ってきた本当の心のうちを、その時の私は知らなかった。
。。今日はここまでデス。m(_ _)m
教習所ではみんなが どんどんハンコをもらって行く中、私はカメ並の遅さではあったが徐々にコツを覚えて行った。
しかし慣れてきたと思った矢先、スラロームの最中に派手に転倒。。
怪我も無かったのに、それからはスラロームが出来なくなってしまった。
焦れば焦るほど体が硬くなりクランクも一本橋もガタガタと失敗してしまう。
コロコロ転がっていくパイロンが憎たらしく思えて自分が情け無くなった。
その日も克服出来ないままに教習を終え、がっくりしながら事務所に寄るとアキオに会った。
「さっき教習受けてるの見てたよ。スンゲーカッコ良かったーやるね♪」
「ちょっとー。こっちは真剣なんだからね〜。」
「ごめん。マジだってば。本当にそう思ったんだってばー、ルパン三世のフジコって感じ?。」
「えーいウルサイわ〜。」
それから二人で家の近くの好み焼屋に行った。
続
620 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/06(月) 15:31:36 ID:48atFYNO
ハフハフお好み焼きを食べながら、アレコレ他愛もない話をした。
やはり教習所の話しになり、コワモテの先生の奥さんは元教習生で今もラブラブとかそんな話をした。
私がなかなか上達しないと愚痴をこぼすと、アキオは急に真面目な顔になり
「そっか...。でも冬子姉ちゃん見てたらさ、カッコイイなー頑張るなあーって。マジで思ったよ、オレ。なんていうか必死こいて頑張るってタイプじゃないと思ってたからさ。」
私は何だか急に泣きそうになってしまい、ヘラヘラ笑いながら水を飲んでこらえた。
店を出て何となく私は自転車を、アキオは原付バイクを押して歩き出した。
「アキオは何で仕事やめたの?」
「うーん。オレ、○○(大手通信系列会社)に出向してたんだけどさ...」
アキオはプログラマーをしていたが、あまりの残業の多さや嫌味な上司に嫌気がさし、ノイローゼになりかけたのだそうだ。
「すっげぇビルで、ハンパじゃないの社員の数が。最初は誇らしかったんだけどな...。」
アキオは隣の部署の人が鬱病になった末に自殺をしてしまったのを機に、辞めるとキッパリ決めたそうだ。
「オレ、まだ死にたくないねぇし。」
うちは母親しかいないしな〜とアキオはポツンと言った。
アキオのお父さんはアキオが小4の時、ガンで亡くなった。
おじさんのお葬式の日、泣き虫だったアキオが妹のアッコちゃん(※仮名)と並び、目を腫らして参列している姿を私は思い出していた。
家が近づいて分かれ道の角が来た。
「じゃ〜なバイク頑張りなよ♪」
アキオが四国に帰ってきた本当の心のうちを、その時の私は知らなかった。
。。今日はここまでデス。m(_ _)m
632 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/07(火) 16:06:40 ID:Ff35PZTo
つ(続き)
>>620から↓
教習所に通い出して1日置きに春樹さんとメールをやりとりしていた。
私は春樹さんからメールが来ると嬉しくて、携帯を取り出しては何度も読み返した。
教習のことやバイクのことを手紙のような感じで夜に書いて送ると、春樹さんから翌日に返信が返ってくるのがパターンになっていた。
【元気ですか?今日は小雨が降る中の教習だったので急制動が怖かったです(>_<)!
最近は少し落ち込み気味かな...やっとうまく行きかけたのに また逆戻りして下手になった気がします。。(-.-;)(略)冬子】
春樹さんに今日のメールを送信し、足にベティキュアを塗った。これが乾いたら そろそろ寝よう〜と思いながらバイク雑誌をめくる。
携帯がブルブル震えた。
春樹さんからのメールだった。
【今、電話してもいいですか?春樹】
私は「ちょっと〜☆?」とか「キャー♪!」とか枕に顔をうずめて奇声?をあげながら足をバタバタし、しばらくひとりで興奮した。半乾きのベティキュアはヨレて塗り直し。。
それまで春樹さんと電話で話した事は一度も無かった。
続
634 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/07(火) 16:09:47 ID:Ff35PZTo
毎日メールしているとはいえ内容は色気のないバイクの話ばかり。。
春樹さんは私に「彼氏いるの?」とは聞かなかったし、私も春樹さんに「彼女いるんですか?」とは聞けなかった。
聞いてしまったら今の状態が変わってしまいそうで不安で、怖かった。
もっと正直に言うと、もし彼女がいたとしても、せめて免許を取るまでは知りたくないという少々ズルイ気持ちも、確かにあった。
(...全く。私は何を期待してるんだろ。。しかも◯◯県(北陸)と◯◯県(四国)じゃ簡単に会えもしないのになー。。)
【電話大丈夫ですよ(^^)冬子】
返信を送ってからしばらく、携帯をじっと見つめ続けた(._.;)。携帯がブルブルと震える。
「もしもし。冬子ちゃん?」
「あ、ハイ。こんばんはー。」
あの日と同じ春樹さんの低い優しい声。私の脈がどんどん早くなった。
春樹「ここんとこ落ち込んでるようなメールだったから気になって。大丈夫?」
冬子「あの、スラロームがうまくいかなくて。どうしても下ばっかり見てしまって...」
春樹さんは運転中の目線の話や肩の力を抜くこと、タンクをしっかりと足で挟むことなど丁寧に教えてくれた。
続
636 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/07(火) 16:13:51 ID:Ff35PZTo
私は雑誌を読んだりバイク屋さんに足を運ぶうちに どのバイクを買おうか、迷いに迷っていた。
春樹「んー、自分の好きなバイクに乗るのが1番だと思うよ。
だって冬子ちゃんが乗るんだもんねw?
と言うか、それってスゴイ幸せな悩みだよw」
考え過ぎた脳みそに春樹さんのシンプルな言葉がストンと落ちて楽になった。
しかしせっかく電話で話せたのに、会話はやっぱりバイクの話。
免許を取ったらどこに行きたいか...そんな話しをした。鳴◯スカイライン、◯◯岬、淡◯島...
まだ免許もバイクも無いのに、私の頭の中は春樹さんと一緒に海岸線を走る絵でいっぱいになる。
「色々ありがとう。長話して春樹さん迷惑じゃないですか?」
「全然。話してるとなんかこっちまで新鮮な気分になるし楽しいよー。」
「私もなんか元気になってきたかも。」
「良かった。冬子ちゃんからのメール楽しみにしてるからね。」
「本当ですか?良かったー。負担に思われてたらどうしようって心配だったんです。明日は教えてもらったとおりにやってみます。」
しばらく話を続けたが春樹さんの声が眠そうに聞こえたので それじゃあそろそろ...おやすみなさいと言って電話を切った。
切ってから今度は いつ頃帰えるのか聞けばよかったなと思った。でも電話で話せたことで満足だった。
きっと、免許が取れたらもっと...そう思った。
。。今日はここまでですm(_ _)m
637 :774RR:2005/06/07(火) 16:16:33 ID:0cdGe2bj
お疲れさま〜
つ(茶)
続きをワクテカして待ってますが、自分のペースでどうぞ〜
638 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/07(火) 16:29:11 ID:Ff35PZTo
ありがとう...
ドキドキしながら書き始めましたが温かくて親切だったので嬉しいです。
ごちそうさま m(_ _)m
641 :774RR:2005/06/07(火) 18:31:12 ID:dUJKVFLq
>「ちょっと〜☆?」とか「キャー♪!」とか枕に顔をうずめて奇声?をあげながら足をバタバタ
(・∀・)つ(萌)
674 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/08(水) 14:03:50 ID:CDhzbAxh
>>636 から続き↓
11月になると仕事が急激に忙しくなり、教習所に通うのが難しくなってきた。
やっとつかんだコツを忘れそうで焦りを感じた。
毎日イメージトレーニングをして、頭の中では教習車のホンダCBに死ぬほど乗りまくり、会社の昼休みにコッソリ会議室に こもってコースを覚えたりしながら、合間をみては教習所に通った。
トロくて人より長く時間がかかったが、ようやくバイクに乗るのが楽しく、面白いと思うようになった。
教習所に通うようになって変わったのは、それまでは不眠気味だったのに、まるで電池が切れるようにぐっすり眠るようになったことだ。
春樹さんと出会った夏から季節は秋になり、空は抜けるように遠くなった。
誰かを好きになると見慣れた風景もフィルターを通したように綺麗に見えたり、胸にせまるように目に映る。
私は会社のビルの窓から毎日見ていた夕焼けも、特別にきれいだと感じるようになった。
夜、布団に入り目を閉じている時、お風呂で湯舟に浸かっている時、バイクのエンジン音が遠ざかっていく時、、、春樹さんのことを想った。。。
今日はここまでですm(_ _)m
>>次のページへ続く
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