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借金のカタに取られた元カノの話
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85 :1 ◆U72pfJf7kg :2013/03/01(金) 01:20:07.63 ID:PH/p6D4G0
別に聞きたくもない話なんだが、告白時の状況を披露してくれたよ。

季節は夏、場所は放課後の体育館裏だとか……

~~~~~

コウジ「……ユキちゃん……呼び出したりしてごめん……」

ユキ「いいよ。何か用事? カズくんがどうとか…って聞いたけど?」


コウジ「……ごめん……そうじゃなくって……」

ユキ「?」



86 :1 ◆U72pfJf7kg :2013/03/01(金) 01:21:01.44 ID:PH/p6D4G0
コウジ「……俺……ユキちゃんのことが……す、好きなんだ……」

ユキ「??」


コウジ「ユキちゃんがカズを好きなことは、わかってるけど……ダメかな……」

ユキ「……ごめんなさい……」


コウジ「……やっぱりダメか…… いいんだ、これでスッキリしたから…… これからは俺も応援するからなっ!」


ユキ「……応援してくれるんだ……ありがとう……だったら……

ひとつお願いがあるの……言いにくいんだけど……

今日のことはカズくんには 内緒にして欲しい……

彼がこのことを知ったら……たぶん……

一生、私とは付き合ってくれないと思うから……

ごめんなさい……」


~~~~~



87 :1 ◆U72pfJf7kg :2013/03/01(金) 01:21:57.10 ID:PH/p6D4G0
という状況だったらしい。

オレ「で、いったいお前はオレに何が言いたいんだ?」


コウジ「だから、その頃から彼女はお前に惚れていたというわけだ」


オレ「そうかい。そりゃありがたいね……って、今さらそれを聞いてオレにどうしろと? 間男になって、たんまり慰謝料を払えってか?」


コウジ「そうは言ってないが……」


オレ「だったら黙ってろ。というか お前こそ彼女にまだ未練があるんじゃねーのか?」


コウジ「……」



89 :1 ◆U72pfJf7kg :2013/03/01(金) 01:22:53.41 ID:PH/p6D4G0
おいおい、ビンゴかよ……勘弁してくれ……彼女の重い状況に加えて旧友の大マジな恋心まで聞かされちゃかなわん。

そういえば、コイツは進学を口実に逃げたオレとは違って 卒業後も地元に残っていたわけで……

そして同窓会とかなんだかんだで彼女を支えてたんだよな……


オレ 「……コウジよ……お前が彼女を助けてやれ……オレにはムリだわ……」


コウジ「……」


オレ 「お前、オレよりも成績が良かったのに地元の大学に行って地元の会社に勤めたんだろ? それって、そういうことじゃないのか? 彼女を見守るためじゃないのか?」


コウジ「……」


オレ 「オレは……逃げたんだよ……だから今さら……」


コウジ「……悪い……帰るわ……」




90 :1 ◆U72pfJf7kg :2013/03/01(金) 01:24:14.24 ID:PH/p6D4G0
>>88 ありがとう。


数少ない友人がまた一人減った気がした。

ますます自分が孤立していくような気がして辛かった。

20代でこんなに孤独だったら、40代、50代、いや60歳になって会社にもいられなくなったらどうなるんだ? 

本当に世界中で自分のことを少しでも考えてくれる人が一人もいなくなるのか??

とか思うと本格的に欝になってきた……



91 :1 ◆U72pfJf7kg :2013/03/01(金) 01:25:08.14 ID:PH/p6D4G0
そして、約半年が過ぎた日曜の午後……


家でゴロゴロしているオレに着信。

ディスプレイはユキと表示している。

めちゃめちゃ久しぶりだけど、できるだけ普通に話すことにした。


オレ「もしもし? どうした?」

ユキ「カズくん……今、何してる?」


オレ「なんにもしてない」

ユキ「よかった……あのね……へへへ、来ちゃった」


オレ「へ? 来ちゃったって、まさかこっちに?」

ユキ「……へへへ……」



92 :名も無き被検体774号+:2013/03/01(金) 01:25:56.65 ID:d+z36W8M0
そりゃコウジじゃ無理だろうに


93 :1 ◆U72pfJf7kg :2013/03/01(金) 01:26:48.70 ID:PH/p6D4G0
>>92 そうですかね? ブランクはこっちの方が長いですよ。


文字にするとラブラブに見えるけど、実際は涙声だった。

なんだか切羽詰ってる感じがして、ちょっと心配。


オレ「じゃあ、すぐに準備するから、どこかで待ち合わせしよう」


ユキ「……いい、私がそっちに行くから……カズくんのところに行きたい……」


オレ「そ、そうなんだ……別に構わないけど……汚いよ」


ユキ「わかってる」



94 :名も無き被検体774号+:2013/03/01(金) 01:27:40.98 ID:zQz8VRX70
おお!ゆきちゃんきたね!


95 :名も無き被検体774号+:2013/03/01(金) 01:27:50.61 ID:EqY3tIRzO
「へへへ」とかユキちゃん可愛いすぎ



ぱんつ脱いだ


96 :名も無き被検体774号+:2013/03/01(金) 01:28:14.86 ID:wGkEjKga0
見てるぞー




97 :名も無き被検体774号+:2013/03/01(金) 01:28:50.84 ID:ovzuPvyL0
気になってねれん


98 :1 ◆U72pfJf7kg :2013/03/01(金) 01:29:26.45 ID:PH/p6D4G0
>>94 来ました!
>>95 カワイイですよ。パンツは?
>>96,97 ありがとう。


そんなわけで彼女が家にやってくる。

ターミナルから乗り継いで30分もあれば余裕で最寄駅に着いてしまう。

さすがに駅までは迎えに行かないといけないから、オレに残された時間は残り15分。

妙なフィギュアや抱き枕なんて趣味はないから隠さないと人格が崩壊するようなブツはない。

元々モノが少ない部屋だから片付けに手間はかからない。

エロ系資産はないことはないけど探さなければ見つからないだろう。


プライオリティは、まず身支度。

次にゴミの始末、そして換気。

あちらこちらに埃が積もっているのは……見なかったことにしよう。



99 :1 ◆U72pfJf7kg :2013/03/01(金) 01:30:12.86 ID:PH/p6D4G0
車なんて持ってないから自転車を飛ばす。

ロータリーで自転車を降りて改札口へ急ぐと彼女がいた。

笑いながらピョンピョン跳ねて手を振る姿が懐かしい。

さっきの心配は気のせいか? なんて思いながら付き合っていた頃もこんな風だったっけとか回想シーンが頭をよぎる。



100 :1 ◆U72pfJf7kg :2013/03/01(金) 01:31:16.02 ID:PH/p6D4G0
オレ「ようこそおいでくださいました」

彼女が仕事で言いそうな台詞を言ってみた。

ユキ「お辞儀の角度が甘いわね」

プロの厳しい指摘だ。

オレ「久しぶりに自転車の後ろに乗ってみる?」

ユキ「あの頃に比べると、ちょっとだけ重くなってるけど大丈夫かな?」

オレ「どんなに重くても平気だよ。家までずっと下りだからね」

ユキ「もうっ!」



101 :1 ◆U72pfJf7kg :2013/03/01(金) 01:32:00.46 ID:PH/p6D4G0
彼女は自転車の後ろに横になって座ると、オレの腰に手を廻してくる。

毎朝晩に通勤で通る道だけど、彼女が後ろに座ると風景が違って見える。

高校の通学路を走っているような気がする。

あの頃も部活が終わると彼女が校門で待っていて同じように二人乗りで坂を下って帰ったんだよな。



102 :1 ◆U72pfJf7kg :2013/03/01(金) 01:33:04.98 ID:PH/p6D4G0
ユキ「ねぇ、カズくん。ちょっと太らない? この辺りとか? ふふふっ」

そう言うとオレの腰辺りの余った肉をつまむ。

オレ「くすぐったいってば。

そりゃ、18才の頃の引き締まった肉体と比べたら劣化は否定できないさ。

でも、オレなんてまだマシな方だと思うけどね。

なんなら後で全部披露するぞ」


ユキ「もうぅ、バカっ!///」


そう言いながら背中にぎゅーっと、へばりつく彼女。おっけーのサインなのか?


途中でコンビニへ寄って適当に買い物をしてから自宅に到着。

コンビニのバイトがジロジロとオレを見てた。

コイツ、オレが晩飯の弁当を買う深夜にいつもレジにいる奴だ。

ざまあみろ、オレだって女連れのことくらいあるのだ。



103 :1 ◆U72pfJf7kg :2013/03/01(金) 01:35:09.89 ID:PH/p6D4G0
さて、オレ邸は2階建て安アパートの2階。

階段が鉄製で歩くとカンカン音がする建物。

6畳相当のワンルーム、というか本物の和室6畳。ボロ。まともなキッチンというか台所はないけど料理なんてしないから不自由はない。

食事はオール外食 or コンビニ。

それで運動しないから太ってくるというか腹周りだけ肉がついてくるわけだ。

オレ「ようこそ、我が家へ」

玄関のドアを開けて彼女を迎え入れる。にわかに片付けた感いっぱいの部屋。

ユキ「へぇー、一応きれいに片付いて……というか殺風景な部屋ね……」

オレ「寝るだけだからな。飾ったって仕方ないしさ」






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カテゴリー:人生・生活  |  タグ:青春, 純愛,
 

 
 
 
 

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