ガッキー似の女が俺の人生を変えた話
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409 :濱田岳 ◆i9G8L6mYX.lE @\(^o^)/:2014/09/05(金) 19:09:41.45 ID:TdEiHr4H0.net
別に釣りだと思う人に対しては否定しないし散々言ってくれていいよ
俺が下手こいた部分にだけイチャモン付けて結局内容に関しては何も言えてないんだからさ
俺の話を信じて共感してくれたり楽しんでくれる人がいればそれでいい
だから最後まで書くよ
もうすぐ仕事の関係でまた一週間くらい来れなくなるけどね
423 :濱田岳 ◆i9G8L6mYX.lE @\(^o^)/:2014/09/05(金) 20:56:04.02 ID:TdEiHr4H0.net
そして、俺の面接試験当日がやってきた。
他の受験者のエリートっぽさぶりを見て緊張はしたが、ガッキーのデコピンの痛みを思い出して何とか緊張を解していた。
面接自体も緊張こそしたが、今までみたいにコミュ症全開ではなくて わりと落ち着いて話せたと思う。
終わって速攻でガッキーにメールをした。
「終わりました ガッキーさんのお陰で落ち着いて受験できました!結果、期待していてください(`・ω・´)ゞ」
少しして返事がきた。
「お疲れ様ー(*^^*)私も今日帰りに事務所行って面接練習だよー」
そんなやり取りを少し続けた。
そして、オーディションが終わった後にもメールが来た。
「今回イケると思う!!!」
この一言だけだったんだが、ガッキーの自信が伝わってきて俺も嬉しかった。
それから一週間くらいして、ガッキーから合格したって連絡が入った。
その翌日、俺はお祈りメールを頂いた。
476 :濱田岳 ◆i9G8L6mYX.lE @\(^o^)/:2014/09/07(日) 21:22:08.97 ID:FsBCCELL0.net
ガッキーのデコピンと今までにないくらいの自信があっただけに、俺は相当落ち込んだ
恋人でもないのに こんなことしたら気持ち悪いという自覚はあったがガッキーに慰めて欲しくてメールを送りまくった。
でも、ガッキーからのメールは段々と素っ気無くなっていったような気がした。
「残念だったね・・・また次があるよ!頑張れ!」
「誰でもそうやって落ち込むから合格したときが嬉しいんだよ」
「岳くんならまだやれるよ」
「大丈夫だよ」
メールは一晩に一回、3日に一回、一週間に一回・・・
そんな感じで返事の頻度はどんどん少なくなっていた。
ガッキーに嫌われたのかとか、クロちゃんに変なことされているのかとか とにかく俺は不安になりすぎて、就活どころじゃなくなっていた。
電話にも出ずに留守電にメッセージを入れてもかけ直してくることはない。
とうとう俺は不安が爆発して、初めてガッキーと出会った道を歩き回る毎日を過ごすようになっていた。
514 :濱田岳 ◆i9G8L6mYX.lE @\(^o^)/:2014/09/11(木) 17:16:24.11 ID:TDRwzM7G0.net
>>476の続き
そんな毎日を過ごしてたら、ある夜ガッキーを発見した。
すぐにでも走って行って抱きしめたいくらいの気持ちだったが、丁度レストランからグループで出てくる場面で 俺の知らない男や女性5、6人で、ガッキーは凄く楽しそうだった。
呆然と見ていたら、ガッキーが誰かと電話をしている姿を見た。
そうか、俺からの電話は無視するくせに俺以外の誰かとは電話する時間があるのか、と。
電話を終えても変わらず楽しそうにグループで話した後に解散していた。
解散した後、俺はガッキーとは違う道を通って家に帰ろうとしたんだが、 「岳くん!!」と呼びとめられる声を聞いて足を止めた。
振り返ると、ガッキーがそこにいた。
出会ったときとは違う、秋服を着ていたガッキーは変わらず可愛かったが、俺は何も言わずにガッキーを見ていた。
「電話なかなか返せなくてごめんね。朝仕事して夜稽古だから・・・メールも電話もする時間なくて・・・」
「いいよ」
そう言うと俺は帰ろうとした。振り向きたくなかった。
しかし、ガッキーが俺の前に来た。カバンの中から小さな紙を一枚取り出して渡してきた。
「これ、今度の舞台のチケット。一生懸命練習してるから・・・来てくれるよね・・・?」
俺は素直に受け取ることができなかった。
不安に駆られて助けを求めていた俺のことを無視して そのくせに久々に会った瞬間から自分のことばかり話すガッキーが正直憎かった。
「そんなの要らねぇよ」
「・・・え?」
「彼氏にでもくれてやればいいじゃんかよ!」
自分で何言ってんのか分かんなかった。ただ、頭の中でガッキーのことが憎くて口でもひどいことを言っているのになぜか目から涙が溢れてきた。
515 :濱田岳 ◆i9G8L6mYX.lE @\(^o^)/:2014/09/11(木) 17:20:21.72 ID:TDRwzM7G0.net
「なんで・・・?」
ガッキーも泣いていた。
「興味ねぇよ・・・こんな辛いときに歌って踊ってなんてお気楽芸・・・見たくねぇよ・・・くだらねぇ・・・」
ガッキーをもう直視できなかった。涙が止まらなかった。
だが、そんな俺の横顔をとてつもない衝撃が襲った。チケットを握り締めたガッキーの拳が俺の左頬をぶん殴ったらしい。
一瞬マジでなにが何だか分からなかったが、そのとき唯一ガッキーを直視できた。俺以上に顔をぐしゃぐしゃにしていた。
「約束したじゃん・・・馬鹿・・・!!」
みたいなことを振り絞ったような声で俺にぶつけて、ぐしゃぐしゃになったチケットを投げつけてガッキーはどこかへ行ってしまった。
チケットを拾い上げて広げると、タイトルとか日付とかと一緒に出演者の名前が書いてあった。ガッキーの名前が、確かにそこにあった。
家に帰って飯も食わずに俺はひたすらベッドで泣き続けた。
もしかしたら何か来るかも・・・と思ってケータイは傍に置いておいたけど、その夜は当然、ケータイが震えることはなかった。
520 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/09/11(木) 19:49:29.98 ID:lSFFAKac0.net
★☆★☆ 頑張れヾ(>д<ヾ) (ノ^Д゜)ノ 濱田 ★☆★☆
528 :濱田岳 ◆i9G8L6mYX.lE @\(^o^)/:2014/09/12(金) 09:47:29.95 ID:4hlahPvp0.net
>>520>>523>>524
ありがとー!こういう声があるから最後まで完走できそうです
538 :濱田岳 ◆i9G8L6mYX.lE @\(^o^)/:2014/09/12(金) 23:15:11.25 ID:4hlahPvp0.net
当然、数日経ってもガッキーからの連絡が来ることはなかった。
終わったな、と思いながらも俺の生きる意味はまだガッキーだったから、街を歩いてはガッキーを探す毎日を過ごしていた。
ただ、見つかってはヤバイから こっそりと行方を探していた。 近所の本屋さんも粗方周ったんだが、ガッキーっぽい人はいなかった。
ある日、そんなこそこそ歩いているところを あっちゃんに見つかった。
変質者バリに気配消しながら若い女を物色してるもんだから、警察みたいに俺のことを連行して駅前のスターバックスに連れて行った。
「夏祭り以来だなー」って話すあっちゃんは相変わらずで、快活な好青年だった。
あれからあっちゃんは仕事で出会った女性に恋をして、付き合い始めていた。
まさに今幸せ絶頂期って感じで デートで撮ったっていう写真からも幸せオーラが滲み出てきた。
ガッキーを思い出して泣けてくると「なんだなんだ・・・?女の悩みか?」と言って俺の悩みを聞いてくれた。
何度捨てようと思っても捨てられない、舞台のチケットを見せると
「あのな、これは絶対に捨てちゃいけないチケットだぞ」とあっちゃんは言った。
俺にとって忘れたい記憶であるこのチケットを捨てちゃいけないっていう意味が分からず、あっちゃんの話を聞いた。
「お前はその子がいたから頑張れていたし、生きていられたんだろ?なら その子とそんな別れ方しちゃダメだろ。
このチケット捨てた瞬間、本当の意味でお前はその子と別れたことになるぞ。それで誰が納得するんだよ?」
幼い頃から知っているあっちゃんが かなり大きく見えた。
「いいか?相手がどう思おうと、どんだけ自分が苦しかろうと、自分が100%納得できるところまで頑張れ。
それで相手にストーカーとか言われたら、相手はその程度の人間だったんだ。それで納得するんだ。
納得できないまま、曖昧な気持ちで苦しむことから逃げたら この後も苦しみは続くし、次もまた苦しみから逃げるだけだぞ」
小さい頃に公園で一緒に立ちションをしていたあっちゃんは、いつの間にか大人になっていた。
俺の意思は固まった。
540 :濱田岳 ◆i9G8L6mYX.lE @\(^o^)/:2014/09/12(金) 23:21:13.21 ID:4hlahPvp0.net
「納得できるまで頑張る」
ガッキーから生きる意味を貰った俺の人生だったが、あっちゃんのこの言葉で俺はガッキー依存症から卒業できた気がした。
気づけば再び就活を再開させて、自分が納得するにはどうすればいいかを徹底的に考えた。
チケットに書かれていた舞台の日までに内定を貰って、ガッキーにいい報告をできるように頑張った。
確かにその後の面接でも緊張はしたが、なんだか一皮剥けた気がしたんだ。
そう簡単に結果が付いてくるわけではなかったが、納得できるまで何度も挑戦した。
まあ、結果的に内定は貰えなかったんだが、ガッキーが舞台に上がる当日がやってきた。
542 :濱田岳 ◆i9G8L6mYX.lE @\(^o^)/:2014/09/12(金) 23:32:49.07 ID:4hlahPvp0.net
開場の4時間前に到着して近場でうんこを済ませ、 さすがに時間が余っていたから花を買って行くことにした。
花屋って初めて入ったけどニート生活送っていた俺にとってけっこー高いのなwww
300円くらいで買えると思ってたのに基本1000円超えててびびったぜww
「このバケツの花は全部で1500円なのですか?」
「いえ、この一束で1500円です」
とか平気でいう花屋のお姉さんが恐ろしかった
財布と相談した結果、当分のジャンプを諦めることになるだろうが2500円くらいの水色のお洒落な花を買うことにした。
ラッピングを頼んで、舞台が始まる一時間くらい前に取りに行くことにした
更に時間が余ったから本屋さんに入ることにした。居るわけはないが、ここでもガッキーを探してしまった。当然いなかったが、欲しい本を何冊か見つけた。
そして花を受け取り、いよいよ会場へ行った。
列の頭に並んで、くしゃくしゃになったチケットを受付の人に渡して入場した。
綺麗な服を着ている人が多い中、ジーパンにシャツで行った俺は相当浮いていたと思う。浮いていたんだろうが、最前列で観劇することにした。
544 :濱田岳 ◆i9G8L6mYX.lE @\(^o^)/:2014/09/12(金) 23:45:21.80 ID:4hlahPvp0.net
舞台が始まると、ガッキーが舞台にいた。
スポットライトに照らされるその姿は、俺が知る以上に綺麗なガッキーだった。
エネルギッシュに動き回って、後半になるに連れて歌と踊りが増えていった。
そしてクライマックスで、一緒にカラオケに行ったときに歌った歌が登場した。
舞台用に かなりアレンジが効いていたけど、楽しそうに歌うガッキーの姿を見てまた涙が流れた。
会場中手拍子で盛り上がってたけど、恐らく唯一涙してる俺。ラフな格好も合わさって すげー浮いてただろうな・・・
舞台が終演すると、役者との交流会みたいな時間が設けられてて仕事を終えたキャストたちが客席にやってきた。
最前列で見てたし劇中も何回か目が合っていた気がするけど、正直、ガッキーと話す勇気が無くて 自分からガッキーの方へ行くことはできなかった。
ガッキーを探すと立派にスーツを着た人と談笑をしている姿を見つけた。
俺がいなくても、ガッキーはしっかり頑張ってこれたんだな。
一緒に頑張ってるなんて思っていたのは、俺だけだったんだな。
そう思うと、妙に納得ができた。
俺はこれでいいや、って思ってアンケートを書いて帰ろうと思った。
花もそこで受付の人に託していこうと思った。
だが、アンケートを書いていると後ろから
「あっ!!いたぁぁぁぁぁ!!!」って大きな叫び声が聞こえた。
振り向くと、ガッキーがこっちに走ってきていた。もうダメだった・・・
545 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/09/12(金) 23:49:20.15 ID:Xt7Qdy3Q0.net
席って決まってる物じゃないの??勝手に最前列で見ることにしたみたいな書き方だけど
548 :濱田岳 ◆i9G8L6mYX.lE @\(^o^)/:2014/09/12(金) 23:57:20.40 ID:4hlahPvp0.net
>>545
宝塚とか劇団四季とか、大きな劇団の公演は ほぼ指定席だけど このときのガッキーの舞台は小規模公演だったから早い者順だったよ
全部の小劇場での舞台が自由席かどうかは分からないけど、このときはそうだった
549 :濱田岳 ◆i9G8L6mYX.lE @\(^o^)/:2014/09/13(土) 00:03:39.30 ID:4hlahPvp0.net
ガッキーは走ってくるなり俺の頬を引っ張った。
「こいつめ!興味がないとかくだらないとか言って・・・見に来てるじゃん!」
薄々気づいていたが、ガッキーって力が相当強い。デコピンもパンチも、今回の抓りも、相当強い。
俺はガッキーに再会できた喜びで また泣いてたけど、この抓りのおかげで涙を誤魔化せた。
「ごめんごめん・・・ごめんなさい!」って謝りながら泣いた。 俺を放してくれたガッキーは凄く勝ち誇った顔をしていた。
いつも以上に大胆だったのは、舞台が終わってテンションがぐんと上がっていたからだと思う
そこでは久々の挨拶をして買ってきた花を渡した程度で終わったんだが、別れ際に
「またメールしてもいい?」って聞いたら「私からメールする!」って返事が貰えて嬉しかった。
帰ってからメールしたんだが、その返事は2日後に来た。
別に釣りだと思う人に対しては否定しないし散々言ってくれていいよ
俺が下手こいた部分にだけイチャモン付けて結局内容に関しては何も言えてないんだからさ
俺の話を信じて共感してくれたり楽しんでくれる人がいればそれでいい
だから最後まで書くよ
もうすぐ仕事の関係でまた一週間くらい来れなくなるけどね
423 :濱田岳 ◆i9G8L6mYX.lE @\(^o^)/:2014/09/05(金) 20:56:04.02 ID:TdEiHr4H0.net
そして、俺の面接試験当日がやってきた。
他の受験者のエリートっぽさぶりを見て緊張はしたが、ガッキーのデコピンの痛みを思い出して何とか緊張を解していた。
面接自体も緊張こそしたが、今までみたいにコミュ症全開ではなくて わりと落ち着いて話せたと思う。
終わって速攻でガッキーにメールをした。
「終わりました ガッキーさんのお陰で落ち着いて受験できました!結果、期待していてください(`・ω・´)ゞ」
少しして返事がきた。
「お疲れ様ー(*^^*)私も今日帰りに事務所行って面接練習だよー」
そんなやり取りを少し続けた。
そして、オーディションが終わった後にもメールが来た。
「今回イケると思う!!!」
この一言だけだったんだが、ガッキーの自信が伝わってきて俺も嬉しかった。
それから一週間くらいして、ガッキーから合格したって連絡が入った。
その翌日、俺はお祈りメールを頂いた。
476 :濱田岳 ◆i9G8L6mYX.lE @\(^o^)/:2014/09/07(日) 21:22:08.97 ID:FsBCCELL0.net
ガッキーのデコピンと今までにないくらいの自信があっただけに、俺は相当落ち込んだ
恋人でもないのに こんなことしたら気持ち悪いという自覚はあったがガッキーに慰めて欲しくてメールを送りまくった。
でも、ガッキーからのメールは段々と素っ気無くなっていったような気がした。
「残念だったね・・・また次があるよ!頑張れ!」
「誰でもそうやって落ち込むから合格したときが嬉しいんだよ」
「岳くんならまだやれるよ」
「大丈夫だよ」
メールは一晩に一回、3日に一回、一週間に一回・・・
そんな感じで返事の頻度はどんどん少なくなっていた。
ガッキーに嫌われたのかとか、クロちゃんに変なことされているのかとか とにかく俺は不安になりすぎて、就活どころじゃなくなっていた。
電話にも出ずに留守電にメッセージを入れてもかけ直してくることはない。
とうとう俺は不安が爆発して、初めてガッキーと出会った道を歩き回る毎日を過ごすようになっていた。
514 :濱田岳 ◆i9G8L6mYX.lE @\(^o^)/:2014/09/11(木) 17:16:24.11 ID:TDRwzM7G0.net
>>476の続き
そんな毎日を過ごしてたら、ある夜ガッキーを発見した。
すぐにでも走って行って抱きしめたいくらいの気持ちだったが、丁度レストランからグループで出てくる場面で 俺の知らない男や女性5、6人で、ガッキーは凄く楽しそうだった。
呆然と見ていたら、ガッキーが誰かと電話をしている姿を見た。
そうか、俺からの電話は無視するくせに俺以外の誰かとは電話する時間があるのか、と。
電話を終えても変わらず楽しそうにグループで話した後に解散していた。
解散した後、俺はガッキーとは違う道を通って家に帰ろうとしたんだが、 「岳くん!!」と呼びとめられる声を聞いて足を止めた。
振り返ると、ガッキーがそこにいた。
出会ったときとは違う、秋服を着ていたガッキーは変わらず可愛かったが、俺は何も言わずにガッキーを見ていた。
「電話なかなか返せなくてごめんね。朝仕事して夜稽古だから・・・メールも電話もする時間なくて・・・」
「いいよ」
そう言うと俺は帰ろうとした。振り向きたくなかった。
しかし、ガッキーが俺の前に来た。カバンの中から小さな紙を一枚取り出して渡してきた。
「これ、今度の舞台のチケット。一生懸命練習してるから・・・来てくれるよね・・・?」
俺は素直に受け取ることができなかった。
不安に駆られて助けを求めていた俺のことを無視して そのくせに久々に会った瞬間から自分のことばかり話すガッキーが正直憎かった。
「そんなの要らねぇよ」
「・・・え?」
「彼氏にでもくれてやればいいじゃんかよ!」
自分で何言ってんのか分かんなかった。ただ、頭の中でガッキーのことが憎くて口でもひどいことを言っているのになぜか目から涙が溢れてきた。
515 :濱田岳 ◆i9G8L6mYX.lE @\(^o^)/:2014/09/11(木) 17:20:21.72 ID:TDRwzM7G0.net
「なんで・・・?」
ガッキーも泣いていた。
「興味ねぇよ・・・こんな辛いときに歌って踊ってなんてお気楽芸・・・見たくねぇよ・・・くだらねぇ・・・」
ガッキーをもう直視できなかった。涙が止まらなかった。
だが、そんな俺の横顔をとてつもない衝撃が襲った。チケットを握り締めたガッキーの拳が俺の左頬をぶん殴ったらしい。
一瞬マジでなにが何だか分からなかったが、そのとき唯一ガッキーを直視できた。俺以上に顔をぐしゃぐしゃにしていた。
「約束したじゃん・・・馬鹿・・・!!」
みたいなことを振り絞ったような声で俺にぶつけて、ぐしゃぐしゃになったチケットを投げつけてガッキーはどこかへ行ってしまった。
チケットを拾い上げて広げると、タイトルとか日付とかと一緒に出演者の名前が書いてあった。ガッキーの名前が、確かにそこにあった。
家に帰って飯も食わずに俺はひたすらベッドで泣き続けた。
もしかしたら何か来るかも・・・と思ってケータイは傍に置いておいたけど、その夜は当然、ケータイが震えることはなかった。
520 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/09/11(木) 19:49:29.98 ID:lSFFAKac0.net
★☆★☆ 頑張れヾ(>д<ヾ) (ノ^Д゜)ノ 濱田 ★☆★☆
528 :濱田岳 ◆i9G8L6mYX.lE @\(^o^)/:2014/09/12(金) 09:47:29.95 ID:4hlahPvp0.net
>>520>>523>>524
ありがとー!こういう声があるから最後まで完走できそうです
538 :濱田岳 ◆i9G8L6mYX.lE @\(^o^)/:2014/09/12(金) 23:15:11.25 ID:4hlahPvp0.net
当然、数日経ってもガッキーからの連絡が来ることはなかった。
終わったな、と思いながらも俺の生きる意味はまだガッキーだったから、街を歩いてはガッキーを探す毎日を過ごしていた。
ただ、見つかってはヤバイから こっそりと行方を探していた。 近所の本屋さんも粗方周ったんだが、ガッキーっぽい人はいなかった。
ある日、そんなこそこそ歩いているところを あっちゃんに見つかった。
変質者バリに気配消しながら若い女を物色してるもんだから、警察みたいに俺のことを連行して駅前のスターバックスに連れて行った。
「夏祭り以来だなー」って話すあっちゃんは相変わらずで、快活な好青年だった。
あれからあっちゃんは仕事で出会った女性に恋をして、付き合い始めていた。
まさに今幸せ絶頂期って感じで デートで撮ったっていう写真からも幸せオーラが滲み出てきた。
ガッキーを思い出して泣けてくると「なんだなんだ・・・?女の悩みか?」と言って俺の悩みを聞いてくれた。
何度捨てようと思っても捨てられない、舞台のチケットを見せると
「あのな、これは絶対に捨てちゃいけないチケットだぞ」とあっちゃんは言った。
俺にとって忘れたい記憶であるこのチケットを捨てちゃいけないっていう意味が分からず、あっちゃんの話を聞いた。
「お前はその子がいたから頑張れていたし、生きていられたんだろ?なら その子とそんな別れ方しちゃダメだろ。
このチケット捨てた瞬間、本当の意味でお前はその子と別れたことになるぞ。それで誰が納得するんだよ?」
幼い頃から知っているあっちゃんが かなり大きく見えた。
「いいか?相手がどう思おうと、どんだけ自分が苦しかろうと、自分が100%納得できるところまで頑張れ。
それで相手にストーカーとか言われたら、相手はその程度の人間だったんだ。それで納得するんだ。
納得できないまま、曖昧な気持ちで苦しむことから逃げたら この後も苦しみは続くし、次もまた苦しみから逃げるだけだぞ」
小さい頃に公園で一緒に立ちションをしていたあっちゃんは、いつの間にか大人になっていた。
俺の意思は固まった。
540 :濱田岳 ◆i9G8L6mYX.lE @\(^o^)/:2014/09/12(金) 23:21:13.21 ID:4hlahPvp0.net
「納得できるまで頑張る」
ガッキーから生きる意味を貰った俺の人生だったが、あっちゃんのこの言葉で俺はガッキー依存症から卒業できた気がした。
気づけば再び就活を再開させて、自分が納得するにはどうすればいいかを徹底的に考えた。
チケットに書かれていた舞台の日までに内定を貰って、ガッキーにいい報告をできるように頑張った。
確かにその後の面接でも緊張はしたが、なんだか一皮剥けた気がしたんだ。
そう簡単に結果が付いてくるわけではなかったが、納得できるまで何度も挑戦した。
まあ、結果的に内定は貰えなかったんだが、ガッキーが舞台に上がる当日がやってきた。
542 :濱田岳 ◆i9G8L6mYX.lE @\(^o^)/:2014/09/12(金) 23:32:49.07 ID:4hlahPvp0.net
開場の4時間前に到着して近場でうんこを済ませ、 さすがに時間が余っていたから花を買って行くことにした。
花屋って初めて入ったけどニート生活送っていた俺にとってけっこー高いのなwww
300円くらいで買えると思ってたのに基本1000円超えててびびったぜww
「このバケツの花は全部で1500円なのですか?」
「いえ、この一束で1500円です」
とか平気でいう花屋のお姉さんが恐ろしかった
財布と相談した結果、当分のジャンプを諦めることになるだろうが2500円くらいの水色のお洒落な花を買うことにした。
ラッピングを頼んで、舞台が始まる一時間くらい前に取りに行くことにした
更に時間が余ったから本屋さんに入ることにした。居るわけはないが、ここでもガッキーを探してしまった。当然いなかったが、欲しい本を何冊か見つけた。
そして花を受け取り、いよいよ会場へ行った。
列の頭に並んで、くしゃくしゃになったチケットを受付の人に渡して入場した。
綺麗な服を着ている人が多い中、ジーパンにシャツで行った俺は相当浮いていたと思う。浮いていたんだろうが、最前列で観劇することにした。
544 :濱田岳 ◆i9G8L6mYX.lE @\(^o^)/:2014/09/12(金) 23:45:21.80 ID:4hlahPvp0.net
舞台が始まると、ガッキーが舞台にいた。
スポットライトに照らされるその姿は、俺が知る以上に綺麗なガッキーだった。
エネルギッシュに動き回って、後半になるに連れて歌と踊りが増えていった。
そしてクライマックスで、一緒にカラオケに行ったときに歌った歌が登場した。
舞台用に かなりアレンジが効いていたけど、楽しそうに歌うガッキーの姿を見てまた涙が流れた。
会場中手拍子で盛り上がってたけど、恐らく唯一涙してる俺。ラフな格好も合わさって すげー浮いてただろうな・・・
舞台が終演すると、役者との交流会みたいな時間が設けられてて仕事を終えたキャストたちが客席にやってきた。
最前列で見てたし劇中も何回か目が合っていた気がするけど、正直、ガッキーと話す勇気が無くて 自分からガッキーの方へ行くことはできなかった。
ガッキーを探すと立派にスーツを着た人と談笑をしている姿を見つけた。
俺がいなくても、ガッキーはしっかり頑張ってこれたんだな。
一緒に頑張ってるなんて思っていたのは、俺だけだったんだな。
そう思うと、妙に納得ができた。
俺はこれでいいや、って思ってアンケートを書いて帰ろうと思った。
花もそこで受付の人に託していこうと思った。
だが、アンケートを書いていると後ろから
「あっ!!いたぁぁぁぁぁ!!!」って大きな叫び声が聞こえた。
振り向くと、ガッキーがこっちに走ってきていた。もうダメだった・・・
545 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/09/12(金) 23:49:20.15 ID:Xt7Qdy3Q0.net
席って決まってる物じゃないの??勝手に最前列で見ることにしたみたいな書き方だけど
548 :濱田岳 ◆i9G8L6mYX.lE @\(^o^)/:2014/09/12(金) 23:57:20.40 ID:4hlahPvp0.net
>>545
宝塚とか劇団四季とか、大きな劇団の公演は ほぼ指定席だけど このときのガッキーの舞台は小規模公演だったから早い者順だったよ
全部の小劇場での舞台が自由席かどうかは分からないけど、このときはそうだった
549 :濱田岳 ◆i9G8L6mYX.lE @\(^o^)/:2014/09/13(土) 00:03:39.30 ID:4hlahPvp0.net
ガッキーは走ってくるなり俺の頬を引っ張った。
「こいつめ!興味がないとかくだらないとか言って・・・見に来てるじゃん!」
薄々気づいていたが、ガッキーって力が相当強い。デコピンもパンチも、今回の抓りも、相当強い。
俺はガッキーに再会できた喜びで また泣いてたけど、この抓りのおかげで涙を誤魔化せた。
「ごめんごめん・・・ごめんなさい!」って謝りながら泣いた。 俺を放してくれたガッキーは凄く勝ち誇った顔をしていた。
いつも以上に大胆だったのは、舞台が終わってテンションがぐんと上がっていたからだと思う
そこでは久々の挨拶をして買ってきた花を渡した程度で終わったんだが、別れ際に
「またメールしてもいい?」って聞いたら「私からメールする!」って返事が貰えて嬉しかった。
帰ってからメールしたんだが、その返事は2日後に来た。
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