女だけどバイクの免許とったら人生が変わった話する
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569 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/04(土) 17:41:03 ID:hV220HO9
続き↓
【...覚えてますか?冬子です。...(中略)実は今日、ついに教習所に入校しました!緊張して不安だらけです(>_<)...】
返信が無かったらどうしよう...。あれから1ヵ月以上は経っている。ポケットの中で携帯をそっと握った。
10分位するとポケットで携帯がブルブル震えてメールが返ってきた!
【久しぶり!メールありがとう。
やっぱり免許を取ることにしたんだね!そんな気がしてました(^-^)。
心配しなくても必ず乗れるようになるよ大丈夫!...】
春樹さんのメールには靴や服装のアドバイスも書かれていた。
【...転んでも怪我しないような服。ジーパンとか持ってるかな?靴は底が滑らないヤツ。出来れば足首まで隠れる靴がいいね。...ガンバレ!】
帰り道、自転車をこぎながら鼻歌を歌っていた。
止まっていた時間が動き始めたような気がした。
。。m(_ _)m話しは続きますが今日はここまでです。
599 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/05(日) 11:12:55 ID:+3KvlO1G
>>569 続き↓
入校はしたもののバイクに乗ることは簡単ではなかった。(特に私には。。)
驚いたのはバイクの重さ。400ccでこの重さならば春樹さんのバイクはどれくらい重いんだろうと思った。
最初は慣れることで精一杯。エンストしてはフラフラ転ぶ。クラッチは話にならないほど使えない。
怖いと思うとどうしても見てはいけないほうを見てしまう。
8の字の時に8の丸の中に突っ込んで行き、他の人がぐるぐる回っているから出られない事も一度や二度ではなかった(゚-゚;
足は青アザだらけになり、スカートがはける状態ではなくなった。会社の制服はスカートだったが、アザを隠すために黒や紺色のタイツを穿いてごまかした。
私は今更ながらバイクのことを何も知らないことに気がつき、慌ててバイクの雑誌を買って猛然と読み始めた。
乗る事を楽しむ余裕はまだまだ無かったが、乗り方のコツやわからないことを春樹さんにメールするのが楽しみになった。
続
600 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/05(日) 11:16:28 ID:+3KvlO1G
春樹さんに毎日メールした。
【...転んだらバイクを起こすのに時間がかかって、乗る時間が他の人より少ない気がします(T-T)...冬子】
【...腕の力だけじゃなくて腰の右側をしっかり車体に当てて押すようにしたら楽に起こせるよ。女の子は腕の力が弱いから大変だと思うけど要は慣れだよ(^-^)...春樹】
春樹さんは仕事が忙しいらしく家に帰るのが遅い。
私のメールが負担にならないように長めの文を書き、最後におやすみなさいと書いてチャット状態にならないように気をつけた。
お互いに携帯番号を知っても どちらも電話をしようとはせず、メールだけのやりとりが続いた。
でも私はメールが返ってくるのが嬉しくて、メールがだけで十分満足していた。
まだ話は続きますが とりあえずここまでですm(_ _)m
616 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/06(月) 15:11:23 ID:48atFYNO
こんにちは〜読んで下さってありがとうございます。
つ(続き)
>>600から
教習所に通い始めてしばら経った頃。帰りの駐輪場で「冬子姉ちゃん?」と呼び止められた。振り向くと幼なじみのアキオ(※仮名)が立っていた。
一学年下で年がさほど違わないのに小さい頃からアキオは私の名前に姉ちゃんを付けて呼んだ。
「アキオ?ナンデー!?」
地元の高校を卒業して大阪の専門学校にすすんだアキオとは いつしか疎遠になっていた。
アキオとは家が近く、中学まで一緒。親同士が仲が良くうちもアキオの家も共働きだったので、うちの姉妹とアキオの妹の4人でよく遊んだ。
アキオは小さい頃から女の子みたいな可愛い顔をしていて、ささいなことで すぐ泣くのがちょっと面倒だったが、他の男のコと違ってアキオは女の子に優しかった。
「オレ東京で就職してたんだけど やめてこっち帰ってきた。」
続
617 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/06(月) 15:15:07 ID:48atFYNO
アキオの髪はツンツン立ち、細身のパンツをさりげなく着こなし、手にはシルバーアクセサリーが光っていた。
「なんかアキオ見違えた。お洒落になったね。背もいつのまにか高くなったし。」
アキオ「オレ、車の免許取りに来てんだ。」
私「嘘!?今まで免許なしだったの?..私もペーパーだけど。。」
私の街では大型店は中心から離れた郊外に固まっていて、車を持っていないほうが珍しがられる環境にある。
アキオ「ウルセ〜w、忙しかったし 向こうじゃ経費かかり過ぎだし、車無くても困らないもん。...冬子姉ちゃんは?」
「うん。中型バイク。」
「マジで!なんでまた?」
「ん〜何となく...。」
アキオは不思議そうに私を見たが追及もしなかった。
「へぇ〜バイクが好きとは知らなかったな。でもカッコイイ!...あ、二人とも免許取れたらお祝いに飲みに行こうよ。」
アキオはシートからスポンジが飛び出た赤い原付にまたがった。
「これからバイト。そこのビデオ屋でバイトしてるから今度来てよ。」
「うん、じゃあね。」(アキオなんか感じが変わったかな〜やっぱり東京に住むと垢抜けるのかな)
続
619 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/06(月) 15:25:27 ID:48atFYNO
教習所ではみんなが どんどんハンコをもらって行く中、私はカメ並の遅さではあったが徐々にコツを覚えて行った。
しかし慣れてきたと思った矢先、スラロームの最中に派手に転倒。。
怪我も無かったのに、それからはスラロームが出来なくなってしまった。
焦れば焦るほど体が硬くなりクランクも一本橋もガタガタと失敗してしまう。
コロコロ転がっていくパイロンが憎たらしく思えて自分が情け無くなった。
その日も克服出来ないままに教習を終え、がっくりしながら事務所に寄るとアキオに会った。
「さっき教習受けてるの見てたよ。スンゲーカッコ良かったーやるね♪」
「ちょっとー。こっちは真剣なんだからね〜。」
「ごめん。マジだってば。本当にそう思ったんだってばー、ルパン三世のフジコって感じ?。」
「えーいウルサイわ〜。」
それから二人で家の近くの好み焼屋に行った。
続
620 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/06(月) 15:31:36 ID:48atFYNO
ハフハフお好み焼きを食べながら、アレコレ他愛もない話をした。
やはり教習所の話しになり、コワモテの先生の奥さんは元教習生で今もラブラブとかそんな話をした。
私がなかなか上達しないと愚痴をこぼすと、アキオは急に真面目な顔になり
「そっか...。でも冬子姉ちゃん見てたらさ、カッコイイなー頑張るなあーって。マジで思ったよ、オレ。なんていうか必死こいて頑張るってタイプじゃないと思ってたからさ。」
私は何だか急に泣きそうになってしまい、ヘラヘラ笑いながら水を飲んでこらえた。
店を出て何となく私は自転車を、アキオは原付バイクを押して歩き出した。
「アキオは何で仕事やめたの?」
「うーん。オレ、○○(大手通信系列会社)に出向してたんだけどさ...」
アキオはプログラマーをしていたが、あまりの残業の多さや嫌味な上司に嫌気がさし、ノイローゼになりかけたのだそうだ。
「すっげぇビルで、ハンパじゃないの社員の数が。最初は誇らしかったんだけどな...。」
アキオは隣の部署の人が鬱病になった末に自殺をしてしまったのを機に、辞めるとキッパリ決めたそうだ。
「オレ、まだ死にたくないねぇし。」
うちは母親しかいないしな〜とアキオはポツンと言った。
アキオのお父さんはアキオが小4の時、ガンで亡くなった。
おじさんのお葬式の日、泣き虫だったアキオが妹のアッコちゃん(※仮名)と並び、目を腫らして参列している姿を私は思い出していた。
家が近づいて分かれ道の角が来た。
「じゃ〜なバイク頑張りなよ♪」
アキオが四国に帰ってきた本当の心のうちを、その時の私は知らなかった。
。。今日はここまでデス。m(_ _)m
632 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/07(火) 16:06:40 ID:Ff35PZTo
つ(続き)
>>620から↓
教習所に通い出して1日置きに春樹さんとメールをやりとりしていた。
私は春樹さんからメールが来ると嬉しくて、携帯を取り出しては何度も読み返した。
教習のことやバイクのことを手紙のような感じで夜に書いて送ると、春樹さんから翌日に返信が返ってくるのがパターンになっていた。
【元気ですか?今日は小雨が降る中の教習だったので急制動が怖かったです(>_<)!
最近は少し落ち込み気味かな...やっとうまく行きかけたのに また逆戻りして下手になった気がします。。(-.-;)(略)冬子】
春樹さんに今日のメールを送信し、足にベティキュアを塗った。これが乾いたら そろそろ寝よう〜と思いながらバイク雑誌をめくる。
携帯がブルブル震えた。
春樹さんからのメールだった。
【今、電話してもいいですか?春樹】
私は「ちょっと〜☆?」とか「キャー♪!」とか枕に顔をうずめて奇声?をあげながら足をバタバタし、しばらくひとりで興奮した。半乾きのベティキュアはヨレて塗り直し。。
それまで春樹さんと電話で話した事は一度も無かった。
続
634 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/07(火) 16:09:47 ID:Ff35PZTo
毎日メールしているとはいえ内容は色気のないバイクの話ばかり。。
春樹さんは私に「彼氏いるの?」とは聞かなかったし、私も春樹さんに「彼女いるんですか?」とは聞けなかった。
聞いてしまったら今の状態が変わってしまいそうで不安で、怖かった。
もっと正直に言うと、もし彼女がいたとしても、せめて免許を取るまでは知りたくないという少々ズルイ気持ちも、確かにあった。
(...全く。私は何を期待してるんだろ。。しかも◯◯県(北陸)と◯◯県(四国)じゃ簡単に会えもしないのになー。。)
【電話大丈夫ですよ(^^)冬子】
返信を送ってからしばらく、携帯をじっと見つめ続けた(._.;)。携帯がブルブルと震える。
「もしもし。冬子ちゃん?」
「あ、ハイ。こんばんはー。」
あの日と同じ春樹さんの低い優しい声。私の脈がどんどん早くなった。
春樹「ここんとこ落ち込んでるようなメールだったから気になって。大丈夫?」
冬子「あの、スラロームがうまくいかなくて。どうしても下ばっかり見てしまって...」
春樹さんは運転中の目線の話や肩の力を抜くこと、タンクをしっかりと足で挟むことなど丁寧に教えてくれた。
続
636 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/07(火) 16:13:51 ID:Ff35PZTo
私は雑誌を読んだりバイク屋さんに足を運ぶうちに どのバイクを買おうか、迷いに迷っていた。
春樹「んー、自分の好きなバイクに乗るのが1番だと思うよ。
だって冬子ちゃんが乗るんだもんねw?
と言うか、それってスゴイ幸せな悩みだよw」
考え過ぎた脳みそに春樹さんのシンプルな言葉がストンと落ちて楽になった。
しかしせっかく電話で話せたのに、会話はやっぱりバイクの話。
免許を取ったらどこに行きたいか...そんな話しをした。鳴◯スカイライン、◯◯岬、淡◯島...
まだ免許もバイクも無いのに、私の頭の中は春樹さんと一緒に海岸線を走る絵でいっぱいになる。
「色々ありがとう。長話して春樹さん迷惑じゃないですか?」
「全然。話してるとなんかこっちまで新鮮な気分になるし楽しいよー。」
「私もなんか元気になってきたかも。」
「良かった。冬子ちゃんからのメール楽しみにしてるからね。」
「本当ですか?良かったー。負担に思われてたらどうしようって心配だったんです。明日は教えてもらったとおりにやってみます。」
しばらく話を続けたが春樹さんの声が眠そうに聞こえたので それじゃあそろそろ...おやすみなさいと言って電話を切った。
切ってから今度は いつ頃帰えるのか聞けばよかったなと思った。でも電話で話せたことで満足だった。
きっと、免許が取れたらもっと...そう思った。
。。今日はここまでですm(_ _)m
続き↓
【...覚えてますか?冬子です。...(中略)実は今日、ついに教習所に入校しました!緊張して不安だらけです(>_<)...】
返信が無かったらどうしよう...。あれから1ヵ月以上は経っている。ポケットの中で携帯をそっと握った。
10分位するとポケットで携帯がブルブル震えてメールが返ってきた!
【久しぶり!メールありがとう。
やっぱり免許を取ることにしたんだね!そんな気がしてました(^-^)。
心配しなくても必ず乗れるようになるよ大丈夫!...】
春樹さんのメールには靴や服装のアドバイスも書かれていた。
【...転んでも怪我しないような服。ジーパンとか持ってるかな?靴は底が滑らないヤツ。出来れば足首まで隠れる靴がいいね。...ガンバレ!】
帰り道、自転車をこぎながら鼻歌を歌っていた。
止まっていた時間が動き始めたような気がした。
。。m(_ _)m話しは続きますが今日はここまでです。
599 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/05(日) 11:12:55 ID:+3KvlO1G
>>569 続き↓
入校はしたもののバイクに乗ることは簡単ではなかった。(特に私には。。)
驚いたのはバイクの重さ。400ccでこの重さならば春樹さんのバイクはどれくらい重いんだろうと思った。
最初は慣れることで精一杯。エンストしてはフラフラ転ぶ。クラッチは話にならないほど使えない。
怖いと思うとどうしても見てはいけないほうを見てしまう。
8の字の時に8の丸の中に突っ込んで行き、他の人がぐるぐる回っているから出られない事も一度や二度ではなかった(゚-゚;
足は青アザだらけになり、スカートがはける状態ではなくなった。会社の制服はスカートだったが、アザを隠すために黒や紺色のタイツを穿いてごまかした。
私は今更ながらバイクのことを何も知らないことに気がつき、慌ててバイクの雑誌を買って猛然と読み始めた。
乗る事を楽しむ余裕はまだまだ無かったが、乗り方のコツやわからないことを春樹さんにメールするのが楽しみになった。
続
600 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/05(日) 11:16:28 ID:+3KvlO1G
春樹さんに毎日メールした。
【...転んだらバイクを起こすのに時間がかかって、乗る時間が他の人より少ない気がします(T-T)...冬子】
【...腕の力だけじゃなくて腰の右側をしっかり車体に当てて押すようにしたら楽に起こせるよ。女の子は腕の力が弱いから大変だと思うけど要は慣れだよ(^-^)...春樹】
春樹さんは仕事が忙しいらしく家に帰るのが遅い。
私のメールが負担にならないように長めの文を書き、最後におやすみなさいと書いてチャット状態にならないように気をつけた。
お互いに携帯番号を知っても どちらも電話をしようとはせず、メールだけのやりとりが続いた。
でも私はメールが返ってくるのが嬉しくて、メールがだけで十分満足していた。
まだ話は続きますが とりあえずここまでですm(_ _)m
616 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/06(月) 15:11:23 ID:48atFYNO
こんにちは〜読んで下さってありがとうございます。
つ(続き)
>>600から
教習所に通い始めてしばら経った頃。帰りの駐輪場で「冬子姉ちゃん?」と呼び止められた。振り向くと幼なじみのアキオ(※仮名)が立っていた。
一学年下で年がさほど違わないのに小さい頃からアキオは私の名前に姉ちゃんを付けて呼んだ。
「アキオ?ナンデー!?」
地元の高校を卒業して大阪の専門学校にすすんだアキオとは いつしか疎遠になっていた。
アキオとは家が近く、中学まで一緒。親同士が仲が良くうちもアキオの家も共働きだったので、うちの姉妹とアキオの妹の4人でよく遊んだ。
アキオは小さい頃から女の子みたいな可愛い顔をしていて、ささいなことで すぐ泣くのがちょっと面倒だったが、他の男のコと違ってアキオは女の子に優しかった。
「オレ東京で就職してたんだけど やめてこっち帰ってきた。」
続
617 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/06(月) 15:15:07 ID:48atFYNO
アキオの髪はツンツン立ち、細身のパンツをさりげなく着こなし、手にはシルバーアクセサリーが光っていた。
「なんかアキオ見違えた。お洒落になったね。背もいつのまにか高くなったし。」
アキオ「オレ、車の免許取りに来てんだ。」
私「嘘!?今まで免許なしだったの?..私もペーパーだけど。。」
私の街では大型店は中心から離れた郊外に固まっていて、車を持っていないほうが珍しがられる環境にある。
アキオ「ウルセ〜w、忙しかったし 向こうじゃ経費かかり過ぎだし、車無くても困らないもん。...冬子姉ちゃんは?」
「うん。中型バイク。」
「マジで!なんでまた?」
「ん〜何となく...。」
アキオは不思議そうに私を見たが追及もしなかった。
「へぇ〜バイクが好きとは知らなかったな。でもカッコイイ!...あ、二人とも免許取れたらお祝いに飲みに行こうよ。」
アキオはシートからスポンジが飛び出た赤い原付にまたがった。
「これからバイト。そこのビデオ屋でバイトしてるから今度来てよ。」
「うん、じゃあね。」(アキオなんか感じが変わったかな〜やっぱり東京に住むと垢抜けるのかな)
続
619 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/06(月) 15:25:27 ID:48atFYNO
教習所ではみんなが どんどんハンコをもらって行く中、私はカメ並の遅さではあったが徐々にコツを覚えて行った。
しかし慣れてきたと思った矢先、スラロームの最中に派手に転倒。。
怪我も無かったのに、それからはスラロームが出来なくなってしまった。
焦れば焦るほど体が硬くなりクランクも一本橋もガタガタと失敗してしまう。
コロコロ転がっていくパイロンが憎たらしく思えて自分が情け無くなった。
その日も克服出来ないままに教習を終え、がっくりしながら事務所に寄るとアキオに会った。
「さっき教習受けてるの見てたよ。スンゲーカッコ良かったーやるね♪」
「ちょっとー。こっちは真剣なんだからね〜。」
「ごめん。マジだってば。本当にそう思ったんだってばー、ルパン三世のフジコって感じ?。」
「えーいウルサイわ〜。」
それから二人で家の近くの好み焼屋に行った。
続
620 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/06(月) 15:31:36 ID:48atFYNO
ハフハフお好み焼きを食べながら、アレコレ他愛もない話をした。
やはり教習所の話しになり、コワモテの先生の奥さんは元教習生で今もラブラブとかそんな話をした。
私がなかなか上達しないと愚痴をこぼすと、アキオは急に真面目な顔になり
「そっか...。でも冬子姉ちゃん見てたらさ、カッコイイなー頑張るなあーって。マジで思ったよ、オレ。なんていうか必死こいて頑張るってタイプじゃないと思ってたからさ。」
私は何だか急に泣きそうになってしまい、ヘラヘラ笑いながら水を飲んでこらえた。
店を出て何となく私は自転車を、アキオは原付バイクを押して歩き出した。
「アキオは何で仕事やめたの?」
「うーん。オレ、○○(大手通信系列会社)に出向してたんだけどさ...」
アキオはプログラマーをしていたが、あまりの残業の多さや嫌味な上司に嫌気がさし、ノイローゼになりかけたのだそうだ。
「すっげぇビルで、ハンパじゃないの社員の数が。最初は誇らしかったんだけどな...。」
アキオは隣の部署の人が鬱病になった末に自殺をしてしまったのを機に、辞めるとキッパリ決めたそうだ。
「オレ、まだ死にたくないねぇし。」
うちは母親しかいないしな〜とアキオはポツンと言った。
アキオのお父さんはアキオが小4の時、ガンで亡くなった。
おじさんのお葬式の日、泣き虫だったアキオが妹のアッコちゃん(※仮名)と並び、目を腫らして参列している姿を私は思い出していた。
家が近づいて分かれ道の角が来た。
「じゃ〜なバイク頑張りなよ♪」
アキオが四国に帰ってきた本当の心のうちを、その時の私は知らなかった。
。。今日はここまでデス。m(_ _)m
632 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/07(火) 16:06:40 ID:Ff35PZTo
つ(続き)
>>620から↓
教習所に通い出して1日置きに春樹さんとメールをやりとりしていた。
私は春樹さんからメールが来ると嬉しくて、携帯を取り出しては何度も読み返した。
教習のことやバイクのことを手紙のような感じで夜に書いて送ると、春樹さんから翌日に返信が返ってくるのがパターンになっていた。
【元気ですか?今日は小雨が降る中の教習だったので急制動が怖かったです(>_<)!
最近は少し落ち込み気味かな...やっとうまく行きかけたのに また逆戻りして下手になった気がします。。(-.-;)(略)冬子】
春樹さんに今日のメールを送信し、足にベティキュアを塗った。これが乾いたら そろそろ寝よう〜と思いながらバイク雑誌をめくる。
携帯がブルブル震えた。
春樹さんからのメールだった。
【今、電話してもいいですか?春樹】
私は「ちょっと〜☆?」とか「キャー♪!」とか枕に顔をうずめて奇声?をあげながら足をバタバタし、しばらくひとりで興奮した。半乾きのベティキュアはヨレて塗り直し。。
それまで春樹さんと電話で話した事は一度も無かった。
続
634 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/07(火) 16:09:47 ID:Ff35PZTo
毎日メールしているとはいえ内容は色気のないバイクの話ばかり。。
春樹さんは私に「彼氏いるの?」とは聞かなかったし、私も春樹さんに「彼女いるんですか?」とは聞けなかった。
聞いてしまったら今の状態が変わってしまいそうで不安で、怖かった。
もっと正直に言うと、もし彼女がいたとしても、せめて免許を取るまでは知りたくないという少々ズルイ気持ちも、確かにあった。
(...全く。私は何を期待してるんだろ。。しかも◯◯県(北陸)と◯◯県(四国)じゃ簡単に会えもしないのになー。。)
【電話大丈夫ですよ(^^)冬子】
返信を送ってからしばらく、携帯をじっと見つめ続けた(._.;)。携帯がブルブルと震える。
「もしもし。冬子ちゃん?」
「あ、ハイ。こんばんはー。」
あの日と同じ春樹さんの低い優しい声。私の脈がどんどん早くなった。
春樹「ここんとこ落ち込んでるようなメールだったから気になって。大丈夫?」
冬子「あの、スラロームがうまくいかなくて。どうしても下ばっかり見てしまって...」
春樹さんは運転中の目線の話や肩の力を抜くこと、タンクをしっかりと足で挟むことなど丁寧に教えてくれた。
続
636 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/07(火) 16:13:51 ID:Ff35PZTo
私は雑誌を読んだりバイク屋さんに足を運ぶうちに どのバイクを買おうか、迷いに迷っていた。
春樹「んー、自分の好きなバイクに乗るのが1番だと思うよ。
だって冬子ちゃんが乗るんだもんねw?
と言うか、それってスゴイ幸せな悩みだよw」
考え過ぎた脳みそに春樹さんのシンプルな言葉がストンと落ちて楽になった。
しかしせっかく電話で話せたのに、会話はやっぱりバイクの話。
免許を取ったらどこに行きたいか...そんな話しをした。鳴◯スカイライン、◯◯岬、淡◯島...
まだ免許もバイクも無いのに、私の頭の中は春樹さんと一緒に海岸線を走る絵でいっぱいになる。
「色々ありがとう。長話して春樹さん迷惑じゃないですか?」
「全然。話してるとなんかこっちまで新鮮な気分になるし楽しいよー。」
「私もなんか元気になってきたかも。」
「良かった。冬子ちゃんからのメール楽しみにしてるからね。」
「本当ですか?良かったー。負担に思われてたらどうしようって心配だったんです。明日は教えてもらったとおりにやってみます。」
しばらく話を続けたが春樹さんの声が眠そうに聞こえたので それじゃあそろそろ...おやすみなさいと言って電話を切った。
切ってから今度は いつ頃帰えるのか聞けばよかったなと思った。でも電話で話せたことで満足だった。
きっと、免許が取れたらもっと...そう思った。
。。今日はここまでですm(_ _)m
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