2chの男女恋愛に関わる 復讐話寝取られ話旅スレ に特化した話題を掲載していきます。
easterEgg easterEgg
 
 

女だけどバイクの免許とったら人生が変わった話する
(4ページ目)  最初から読む >>

 

\ シェアする /


795 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/15(水) 21:27:45 ID:YHVMN5om
つ(続き)

>>780から↓
クリスマスソングが街中に流れ出す頃。ナッツの散歩中にアキオの姿を見かけた。

私「アキオー!」

アキオ「おぉ!」


アキオとは前の週に飲み会で会っていた。免許を取ったら二人で飲みに行く約束は、アキオの提案で飲み会になった。

近所の同じ小学校からの仲間やアキオの妹や妹の彼氏など10人ほどが居酒屋に集まった。プチ同窓会のようで懐かしくて楽しかった。。

私「この前盛り上がったね〜アキオは最後かなり酔っ払ってたけど覚えてる?w」

ア「...おぼろげにw。」

二人でホットの缶コーヒー片手に池の回りを歩きながら、色々な話しをした。話はいつしか恋愛の話になっていった。。


私はずっと心にひっかかっていたことをアキオに聞いてみた。

私「誰かと付き合ったとして、いつかその人の気持ちが変わってしまうんじゃないかとか、アキオは不安になったりとか、ある?」

アキオ「んー確かに絶対に変わらないとは、言い切れないよね...。けどさー先のこと心配してもしょうがないんじゃない。」


アキオの言い方がいつもと違ってそっけない感じがした。


私「アキオは東京で彼女いたの?」


ア「...いない。仕事しか頭になかったから。けど...大阪にいた時はいたよ。」





797 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/15(水) 21:34:58 ID:YHVMN5om
続き↓

私「もしかして、遠距離になったから別れたとか?」

私の言葉に、アキオの動きが止まった。

アキオ「別れたんじゃなくて.....事故で死んだ。オレの彼女。」

私はハッとして固まった。

私「...ごめんね。知らなくて...。」

アキオ「...違う。謝るなよ。オレ...」

私「無理して言わなくていい。余計なこと聞いてごめん...。」


私は自分に腹を立てていた。婚約が破談になった時、好奇心で話を聞きたがる人がいた。好奇心や下手な同情ほど人を傷つけるものはないと痛いほど知っていた。

だけど今、自分は同じような事をしてアキオを傷つけたのではないだろうか...。


アキオ「いや、冬子姉ちゃんに聞いてほしい。東京では誰にも言えなかったから...。」



ポツリポツリとアキオは語り出した。


アキオが大阪にいた頃付き合っていた年上の彼女は、仕事の帰りに車にはねられて亡くなった。ほとんど即死状態だったそうだ。


アキオ「オレ、自分も死ぬかと思ったよ。苦しくて、苦しくて、苦しすぎて...。それで変な話しだけど、なんか自分の中でオレは一回死んだように感じてる。。」

アキオは彼女を亡くしてしばらくは大阪で自暴自棄の生活を送り、大阪を離れ東京に就職したのだった。

私はアキオが車の免許を取らなかった本当の理由をこの時に初めて知った。。






798 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/15(水) 21:39:53 ID:YHVMN5om
続き↓

アキオ「こっちに帰ってきて やっと彼女のことを落ち着いて思い出せるようになったんだ。それまでは思い出すのもつらかったよ。。」

アキオの言葉を聞きながら私は先週の飲み会を思い出していた。

二次会でアキオは、ふざけた曲ばかりカラオケで歌って場を盛り上げた。なのに一曲だけマジメな顔でブルーハーツの「ラブレター」を歌った。

その顔がいつもと違っていて印象に残っていた。。(あの時アキオの目が赤かったのはお酒のせいだけではなかったんだな。。)


アキオの話を聞くうちに私は押し込めていた感情の蓋が開いた気がした。

私はアキオに自分のことを話し始めた。婚約していたこと、ずっと虚しい気持ちだったこと。バイクに乗り始めたきっかけの春樹さんの話。告白出来なくてモヤモヤした気持ちも。。

アキオは頷きながらじっと聞いてくれた。


アキオ「オレ、最近思うんだけどさ。好きだって気持ちをぶつける相手がいるってスゲー幸せなことなんだと思う。。

好きな人がいたりフツーに付き合ったりとか。誰もありがたがったりしないし、オレも彼女が死んで自分の前から消えて思うようになったんだけどさ。。

気持ちが変わることは人間だから、しかたないかもしれないけど。

大事なことは、今を後悔しないように大切にすることなんだと思う。。

オレ、ずっと免許取ることも彼女を思い出すことも逃げてたけど...。もう逃げんのは、やめたよ。。」





799 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/15(水) 21:43:51 ID:YHVMN5om
続き↓

私はアキオと話しているうちに涙が止まらなくなり、被っていたニットの帽子を鼻のあたりまで思い切り引っ張った。

しゃがみこむとナッツが心配そうに私に寄ってくる。私はナッツに顔を埋めてまた泣いた。

アキオ「泣くな!ナッツに鼻水がつくだろーがw」

私が泣きながら、えへへと笑うといつもどうりの空気が戻ってきた。

アキオ「オレさー...いや、やめとこw」

私「ナニナニ?言ってよ〜。(鼻声)。」

アキオ「や、、、オレの初恋、冬子姉ちゃんだからな。」

私「!...嘘デショ?」

アキオ「(謎の微笑)」


アキオは片手をポケットに突っ込んで手を振って見送ってくれた。

その姿に小さい時のアキオが重なって見えた。

アキオ、昔は泣き虫だったのに、いつのまにか立場が逆転してる。。



「好きだって気持ちをぶつける相手がいるってスゲー幸せなことなんだと思う。。。」

アキオの言葉が私の頭の中でグルグル回る。

ふられてもいい。ふられてもいいから春樹さんにちゃんと言おう。じゃなきゃ前に一歩も進めない。。

一時停止していた時計がまた動き出そうとしていた。。

今日はここまでです。続きは明日...かも。読んでくれてありがとうございます。。


--------------------


844 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/17(金) 13:52:27 ID:o12cmyub
つ(続き)
>>799続き


とうとう春樹さんに、電話することにした。告白する、決心で。。

私は溜め息を何度もついてようやく携帯の発信ボタンを押した。もう後戻りはできない。。

私「こんばんは。」

春樹「あー久しぶり。冬子ちゃん元気だった?」

私「はい。今、話しても大丈夫ですか?」

春樹「いいよー。今、帰ってきてちょうど晩メシ食ったところ。コンビニ弁当だけどw」

私「お疲れさまですね。忙しいんですか?」

春樹「そうでもないよ...。バイクの調子どう?」


しばらくは他愛のない話しを続けた。ひとくぎりついたところで私は話しを切りだした。

今日を逃したらもう言えない気がする。


私「話しが、あるんです。」

春樹「...なに?」


目を閉じて覚悟を決めた。


私「あの。一回しか会ってないのに、こんなこと言うとびっくり、するかもしれないけど...。

私、初めて会って名刺を貰った日からずっと春樹さんの事を考えてて、バイクに乗れるようになったのも春樹さんのおかげだしホントすごい感謝してて...何て言ったらいいのか...

うまく言えないんだけど、春樹さんのことが...好きなんです。」






845 :774RR:2005/06/17(金) 13:57:38 ID:MQ0O3aos
キタ━━━━ヽ(゚∀゚ )ノ━━━━!!!!




846 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/17(金) 14:02:40 ID:o12cmyub
>>845 あ、アリガトデス!

続き↓


しばらく静寂が続いた。その数秒がとても長く感じる。。

春樹「...気持ちは嬉しい。嬉しいけど...冬子ちゃんとは付き合えない...。」

私「...遠いからですか?」


私はそれだけ言うのがやっとだった。


春樹「いや違う...。言わなきゃいけないことがある。」


春樹さんは、あきらめたように溜め息をついた。

春樹「言わなきゃいけないと思ってたんだけど...。オレ、結婚してるんだ。」


私「......。」


春樹「騙すつもりじゃなかったんだ。なかったけど、いや、やっぱり嘘ついたし騙したんだな、オレ。。」


私「お盆にひとりでバイクで帰えるって聞いたから独身だとばっかり思いこんでた...。」


隠していた春樹さんに対する怒りよりも、結婚してると思いもしなかった自分を情けなく思った。

私は春樹さんのことを何も知らなかった。私にとっての春樹さんはバイクに乗った年上の優しい人。それしかなかった。


春樹「俺がうちに帰ってくるのが遅いのは仕事が忙しいのもあるけど、違う理由がある...。」





847 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/17(金) 14:07:47 ID:o12cmyub
続き↓

春樹「うちのヤツは今、入院してる。

結婚する前からの病気があってね。専門の病院に移ったからオレの会社から少し遠くなって。だから病院に寄ると家に帰るのが遅くなるんだ...。

オレは一人息子で、うちの親は最初からカミさんが気に入らなくてね。結婚も猛反対。

なんとか結婚したんだけど、会うたびにうちの親が子供の話をするから、うまくいかなくてね。うちヤツは薬のせいで子供が望めないから...。

だからオレは何年も前からカミさん連れて実家へ帰えるのやめたんだ。でもやっぱり親だし。もう親も年だしね...。

オレは少しでも実家に帰る時に気持ちが軽くなるように、ひとりでバイクで帰るようになったんだ。。」


私は春樹さんが、「カミさん」「うちのヤツ」と口にするたびに、チクリと胸の奥が痛んだ。


春樹「冬子ちゃんに会ったあの日は、実は親とケンカみたいになってね。年を取ると同じことを何度も言うんだよね。。

また子供の話を持ち出されてイライラして黙ってバイクで実家を出たんだ。

バイクで走れば嫌な気持ちも消えるような気がして...。」


私「それで、私と出会ったんですね...。」


春樹「冬子ちゃんに出会ってから初めてメールもらって、すごく嬉しかった。

最初は冬子ちゃんを妹みたいに思ってたけど いつの間にか...。

もし冬子ちゃんとやり直せたら...って勝手なこと思ったりもした...。」





848 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/17(金) 14:11:27 ID:o12cmyub
続き↓

私は何も答えることが出来なかった。


春樹「けど、カミさんがね...。」


また電話の向こうがシンとなる。


私「奥さんに私のこと...」


春樹「話してない。けど感づいたのかな。あいつ『離婚してもいいよ。』って。。オレの目を見ずに。そんなの本心じゃないのバレバレなのに...。

ゴメン。こんな話しするつもりじゃなかったのに...。」


私「...私、春樹さんがいなかったら免許、取れなかったと思う。春樹さんと一緒に走りたいから頑張れたし...。けど...」


春樹「オレも冬子ちゃんと走りたい。でも...会ってツーリング行ったりしたら、自分を押さえる自信はないよ。もっと傷つけてしまうかもしれない。。」


しばらく二人とも黙りこんだ。


私「本当はメールだけでもいいから続けたい。でも、やめます...。甘えてしまいそうだから。」


わざと明るく言った。言いながら自分に言い聞かせていた。そして。。


私「春樹さん元気でね、バイク気をつけて。。」


春樹「うん、ありがとう。冬子ちゃんもね。ほんとゴメンね。。」


私「謝られるとツライなw。でも会えてよかった。。」


春樹「オレも。。」


私「...サヨナラ。。」


電話を切っても不思議と涙は出なかった。これでよかったんだと何度も自分に言い聞かせた。。。

今日はここまでです。次回がラストですm(_ _)m






\ シェアする /


関連記事

 
 
 
 
カテゴリー:男女・恋愛  |  タグ:青春,
 

 
 
 
 

おすすめ記事2

 
 

人気記事(7days)

 
 
 

おすすめ記事1