あんまり期待されると…、今日は前編だけということで。
5回目の逢い引きとなるこの日は無事にやってきた。
前回も息子とF美の蜜壺とのランデブーができなかった
オレは、今日という日を待ち望んでいた。
いつものようにコインパークで待ち合わせをしてラブホへと向かった。
車中での会話。
オレ「F美君とはもう会えないのかと思ってたよ」
F美「毎日のように会社で顔を合わせているじゃないですか」
F美は笑顔でそう答えた。
オレ「そういうことではなくさ、その、マッサージに気を悪くした
のかって思ってさ」伏せ目がちに言った。
F美「別に気なんて悪くしてませんよ」
オレ「本当なの?」顔を上げるオレ。
F美「ハイ。でもマッサージはありがたいですけど、
…そんなにしてくださらなくても結構です」
オレ「やっぱり気にしてる?」
F美「何をですか?」
怪訝そうな顔のF美。天然系の味。
オレ「なんというか、その、F美君の身体に触ることというか、
ま、そういうことってこと」
ってな感じでいつものラブホへ。
ラブホに到着し、恒例となった風呂やビデオの準備を事務的にしな
がら何気なく聞いた。
オレ「さっきのマッサージの話なんだけど…」
F美「大丈夫ですってば、気を悪くなんかしてませんから。
ただ、私はマッサージをそんなにしていただくことも
ないと言っているだけで……」
オレ「もう、こうなったらズバリ聞いちゃうけど、F美君の言って
いるマッサージって、オレがF美君の身体の
大事なところを触ったりすること?」
F美「え、まさか。普通にマッサージのことですよ」
F美は恥ずかしげにそう答えた。
オレ「その、え〜と、普通のマッサージは必要ないってことなんだね?」
F美「ハイ。何度もそう申しあげているつもりなんですけど」
笑顔で答える。
オレ「じゃあ、聞き方を変えて、……大事なところを触られるのは不愉快かい?」
俺は思いきって聞いた。
F美「……、不愉快だなんて、そんな…、
でも……練習を見てくれるって…」
ちょっと困った顔をしているF美。
オレ「愉快とは言わないまでも、キライではない?」
F美は無言で小さくコクンとうなずいた。
オレ「じゃあ、今日は…(言葉を続けるのをためらう)…、
変なことばかり聞いてゴメンね、発声練習、お風呂でやってきて」
と明るく入浴を促した。F美が入浴を終えると、入れ替わりにオレ
もシャワーを浴びた。
オレは毎回ジャージを忍ばせてきていたが、今日は堂々とそれを着た。
F美「あれ、先輩。ジャージ、持ってきてらしたんですか?」
オレ「ああ、もしものことを考えて、いつも車においてあるんだ」
そう言うと、自分で言った“もしも”の意味が
F美といるときは違うなと思い、心の中でほくそ笑んだ。
オレ「じゃあ、今日はマッサージ抜きでってことで、
実はさ最近、ツボに興味を持ってるんだけど、
ちょっと横になって練習台になってくれるかな?」
F美「いいですけど、練習台って、私は何をすればいいんですか?」
オレ「F美君は、ただ横になっててくれればそれでいいよ。
大丈夫?できるかな?」
F美「ただ横になっているだけなら、誰にだってできることですッ」
とちょっと怒った素振りを見せた。
オレは“できるかな”の意味が微妙に違うと思いながらも、
こんなF美が可愛くてしょうがなかった。
オレ「じゃ、始めてもいいかな?」というと経絡図の載ったツボの本
を取り出しながらベッドで手招きした。
F美「ここに…、うつ伏せ…、になればいいですか?」
オレ「ああ、ここにそうしてくれる?」
とベッドの中央を空けて指さした。ツボの件は、作戦通りだな。
オレは次なる展開を考えると、早くも息子がうずき始めたのを感じた。
オレ「え〜と、まず、手足からいくね」
とツボの本を見たり、F美の手足のツボを押したりして、順に予め考
えておいたとおりに作業を進めていった。
手は二の腕の中間付近まで、足は膝までを終えた。バスローブから露
出しているところである。次に首筋に入った。なぜなら、膝のあたり
など足から始めると、バスローブをめくることはできても一気に脱が
せることができないからだ。上の方からやれば、まだ肩のあたりをやっ
ていても、既にスッポンポンにしておくことができるからである。