>>706からの続きになります
翌日。今晩の彼女への電話で、彼女が浮気したのかどうかがわかる
そのこと考えると仕事の間ずっと落ちつかなかった。
もし彼女の言ったことがホントでなにもなかったのなら、疑った上に
彼女にカマ掛けた事をちゃんと謝る。
もし浮気があったのなら…って所で、正直どうすればいいのか悩んで
1日を終えた。
その夜、待ちきれなくて約束してた時間より大分早く彼女に電話する
「おす。調子どう?晩御飯何食べた?」
「カレー食べたよ 美味しかった」
…でしばらく業務連絡と雑談を交わして本題へ。
俺はわざと不機嫌な口調で。
「あのさ、一昨日A子、学校の先輩にホテルに誘われたって話したよね」
「…うん」
「で、昨日さ電話でまた俺そのこと聞いたでしょ?」
「ええと…うん、なんかその話はしてたよね」
様子を注意深く伺う、でわざと無言になる。
「…」
「?どうかしたの?」
「…」
「なにか怒ってるの?
昨日わたし なにかヘンな事言ったかな?」
やっぱり昨日の会話最後のほうは覚えてないんだな。
ここで、賭けに入る。
「おとといさ、君先輩とは何もなかったって云ったよね」
「…うん」
「昨日な、俺やっぱし気になってたから また君に聞いたけど」
「…」
「どうして浮気したの?」
「え?え?」
「昨日君ラブホに付いていったって言ったよ」
「え?」
「いや、え?じゃなくてさどうして?」
「え?わたし昨日そんなこといった?」
「…うん」
「…」
このしばらくの彼女の沈黙で浮気、決定しました。
「え?え?わたし昨日なんて話したの?」
「だから君はおとといK川って先輩とラブホ行ったって話だよ。
どうしてそんな事したの?」
「…」
「黙ってないでなんか云う事あるんじゃない?」
「…」
「…」
「わたしホントにそんな事言った?」
「うん」
でまたお互い沈黙。俺はといえば、予想していた事が当たった事で
頭に血が昇りはじめてた。
「昨日君が話した事、憶えてないの?」
「…うん」
「ねぇなんでラブホなんか行ったの?」
「…ごめんなさい」
はぁ…。やっぱし行ったのか…。
「でもね、確かにホテルには行ったけど何もしてないよ。信じて?」
「ホテルに行って何もないってのはありえんでしょ?」
「いや、本当なにもなかったよ。
だってわたし昨日はとにかく酔ってたし
眠たくてしょうがなかったんよ」
「…」
「で、車で送ってもらってる時、今にも寝てしまいそうだったたから、
先輩がどっかで休もうか?って」
「…」
彼女はとにかく眠くて仕方がなかったらしく、
どこでもよいから早く布団に入って眠りたかったんだと。
で、先輩にホテルに誘われた時、
「行っても何もしないんだったらいい」と答えた。
(ホテルいって何もしない男なんかおらんぞ、と心中でつっこむ)
で、入ったら当たり前というかK川は早速ちょっかいかけてきたが、
「やめて」
「約束したやん」
「やめろって。しつこい」と断固拒否。
で、むっとしたK川がベッドの端に背を向けて寝たのを
確認して彼女も寝たのだそうだ。
翌朝 起きて流石に彼女もバツが悪く、早朝アパートに送ってもらう途中
コンビニに寄ってもらい 自動支払機でお金下ろしてホテル代払ったそうだ。
電話している間、ずっと彼女は否定した。
ハァ…どうしてもそう言い張りますか…。
しかし「なにもなかった」という言葉を聞いて、
そんな事絶対ありえんと思いつつも
俺は結局その言葉を信じる事にした。
というか、すがった。