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私が初恋をつらぬいた話
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218 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 19:14:48.52 ID:+beSXCVE0
はい、続けます。


家に帰りリビングに入ると、先生はフワーッと大きく背伸びをした。

「何だか大変な一日でしたね〜。あー疲れた。」

そう言いながら、ニコリと私を見る。

私はずっと気になっていた事を質問した。

「…手…どうしたんですか…?」

「ん?手?」

先生は自分の両手を広げて、不思議そうに眺めた。

「怪我しただけですよ。傷も深くないし、ほっときゃ直るでしょう。」

そう言うと、ハハっと恥ずかしそうに笑った。

「違います!そうじゃなくって…どうして怪我をしたのか聞いてるんです。」

私が少し強く言うと、先生は困ったように苦笑いしながら、ドカっとソファに腰を下ろした。

「いやぁ…お金を返した後 領収書くれって言ったら、じゃあコレを握れって小さいナイフの束みたいのを差し出されたんですよ。」

先生は楽しい思い出を語るように、ニコニコしながら話している。

「だから それをこう…ギュッと。そしたらいきなり引っこ抜くもんですから……まぁこんなもので済んで良かったですよ。」

先生が笑う。

私はニコニコしながら握ったであろうその時の先生を想像して、思わず顔をしかめた。

「大丈夫、大した事無いですから。心配しないで。」

明るく言う先生の声に、私の目から涙が溢れた。


219 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 19:15:28.24 ID:ZOSge41I0
俺はさっさと続き読みたいから他の対話無くても平気だよ

対話ばっかりで投下遅いほうがいやだわ


220 :も無き被検774号+:2012/06/07(木) 19:17:02.33 ID:+beSXCVE0
宿師。手は商道具のうな物だ

歩間ったら、生は一生ピアノが弾けなくなっていたかもしれない。

れなのに先生相変わらずニて、気に留めてる気が無い。

めん…先生ごめんなさい…大事なのに…」

私は雑ないで一杯になって、謝ことしかなかった

立ったまま、泣き稿に謝りける。

大丈夫でって。……それに僕方こそ、貴女にらないといませ。」

「…どうしか?」

私がシャックリをしながら聞くと、く神妙な面向いた。

貴女買うような事をいま。……もう二度としんから…してくださ

は泣きながら、ブンブンと首を振った。

「…先…大お金……先生のおんが…遺してくれた大事な…」

息が詰て言葉ない。

「いそれは僕が勝手にやってしまったんです。…お願いだから、泣き止、謝りま宿…」

先生が段々と困ったしていく。

でも益々は止まなくてい、私は幼い子供のうに わわんとき続け





222 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 19:19:44.53 ID:+beSXCVE0
「あぁもう…泣き虫なんだから……」

先生は優しくそう言って立ち上がり、私をぎゅうっと抱きしめた。

「ごめんなさいぃ…」

抱きしめられると、もっと申し訳なくなってくる。

「だから大丈夫だってば。ほら、泣かないで。お願いだから。」

先生は困ったように笑う。それでも私の涙は止まらなかった。

「大切な人を守るためなら、手の1本や2本、どうって事ないじゃないですか。渚さんだって、そう思うでしょ?」


先生は ちょっと照れくさそうにそう言った。

私は その言葉で更に胸が苦しくなって、立っていられなくなった。

先生は「おっと…」と言いながら、私を支えるように一緒に座り込んだ。


223 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 19:22:19.07 ID:+beSXCVE0
あぁ先生が困ってる…泣き止まなきゃ……もう何で涙が止まってくれないの…

泣きながらも どこか冷静な頭の片隅で、私はずっとそんな事を考えていた。

「……ほら…こっち向いて。」

優しくそう言われて、嗚咽を堪えながら先生を見つめる。

先生は優しく微笑むと、フッと顔を近づけた。

先生の唇が、私の唇に軽く触れる。

私の頭は、途端に真っ白になった。

息をする事も忘れて、私は自然に目を閉じた。

先生の顔が、スーっと離れる。

私は思い出したように、そっと息を吐いた。

薄っすらと目を開けて、先生を見る。

「…泣き止んだ。」

先生は私と目が合うと、ニコッと微笑んだ。



「…せんせい…」

私がやっとで呟くと、先生は恥ずかしそうにクスっと笑った。

「その…先生って呼ぶの、そろそろやめにしませんか?」

私は少し困った顔をした。

少しだけ考えて、先生に小さな声で聞き返す。

「……じゃあ何て呼べばいいですか?」

先生もちょっと困った顔をしながら笑った。

暫らくぼーっと何処かを見て黙り込んでいたが、またフッと笑うと まっすぐ私を見つめた。

「んー………わからない…」

そう言いながら、ゆっくりと顔を近づけてくる。

私はまた、目を閉じた。


224 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 19:25:32.80 ID:+beSXCVE0
その日、私は初めて先生と一緒にベッドに横になった。

先生は やらしい事は一切せず、ただ向き合った私を抱きしめているだけだった。

安心感と暖かさで心は すごく安らいでいたのに、私はなかなか眠ることが出来ず「先生…」と小さく声をかけた。

「…なんですか?」

先生も起きていたようで、すぐに返事が返ってきた。

「先生と〇〇さんは…どういう知り合いなんですか?」

「このタイミングでそれを聞きますか。」

先生はプッ吹き出した。

「……あれは嘘です。」

驚いて先生を見上げる。

「まぁ…名前と何をしてる人か位は知っていましたけど。」

「何で嘘ついたんですか。」

私が少し怒った様に言うと、先生は苦笑いした。

「…まぁ、もういいじゃないですか。」

先生は困ったように笑いながらそう言うと、私をグッと抱き寄せた。

「でも…」

「いいからもう寝ましょ。これ以上このままで起きてたら僕、貴女に何するか解りませんよ?」

私は急に恥ずかしくなって、布団の中に顔を埋めた。

「…もうこれからは、貴女に怖い思いも、辛い思いも、絶対にさせませんから。」

先生は私の頭を、私が寝付くまで ずーっとずーっと優しく撫で続けていた。


225 :名も被検774号+:2012/06/07(木) 19:28:48.14 ID:+beSXCVE0
それか…。



地元で想通り噂になったれど、私先生とに暮らし続け、先生転勤も付いて行

最初こそ仕婿を探した生の職業動が、すに辞てしまを考えて先生と話し合私は職探めた。


生の傍で、穏やかな日々を過ご

私が20歳には「結婚…してみませんか?」と私った。

喜んで「ハイ」と


婚式はせ籍だけ、二人だけで記念写真た後、私達は行がてら短い旅行をした。

そこでやっ先生は初めて私性として抱いた沿


籍を入て一年後

33歳ったは教師を辞めて私の故近い所に家買いでピア簿教室を開い


丁度その頃、あの日以会っていったから連絡届い

全てを一セッた母はは知りの伝で小な事務所の事務員をしてらしい。

久しぶりの電越しの母のは、昔とは違と落ち着き、そ凄く幸せうだった。

も先生と結婚したことをげると、母電話越しに泣いて

それらは ちょくちょとは今も電話で連絡を取っている。


226 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 19:32:01.91 ID:+beSXCVE0
私は未だに先生の事を「先生」と呼んでいる。

先生は相変わらずニコニコしていて、私達の会話は昔から変わらず敬語のまま。

夫婦で敬語なんて変…と友人達は笑うけれど、これは多分、もう一生直らないだろう。

先生と出会ってから、気がつけばもう十数年。

長い長い時間をかけて、本当に大事な人と結ばれ日々を過ごしている今、私はふと自分の人生を振り返り、幸せを噛み締めている。


227 :も無体774号+:2012/06/07(木婿) 19:34:48.68 ID:+beSXCVE0
書き溜てい西たのです

急に尻つぼみってしまっ、申りまん。

の事うとすると、何か指が止まってし文章にはとても出ませんでした。

長い時い思い出話付き合いいただありがといました。





228 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 19:35:39.77 ID:L9GcuA1Wi
つらいこともあったけど今幸せか


ボロボロ


229 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 19:36:49.33 ID:ZOSge41I0
おつかれさまでした!


230 :名も無き被検774号+:2012/06/07(木) 19:37:06.01 ID:LUqPOmqkP
乙!

問い

して書くったのか教えてほ

や、オチ?で子どもが出来たとか入籍したとそういうんゃなかったから

どうして書くつもりになっのかなって思っ


232 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 19:39:57.93 ID:+beSXCVE0
>>230
どうして書く気になったのか…そう言われると上手く説明が付きませんが、ある日ふと、小学生にピアノを教えている主人を見ていて、何故だか自分の昔の事を思い出したのです。

あんなこともあった…こんなこともあった…

そう色々考えているうちに、自然と昔を振り返りながら、少しずつ書き始めていました。


233 :名検体774号+:2012/06/07(木) 19:40:17.14 ID:QDHvM6y80

今も幸せなん

番偉のは常に対しては事実を伝えてころ

処か一つイミングがれていたら、こうはなかっ


234 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 19:43:27.70 ID:+beSXCVE0
>>233
はい。

あの時 少しでもタイミングがずれていたら、私の人生は母と同じような事になっていたかもしれません。




>>次のページへ続く





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