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私が初恋をつらぬいた話
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128 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 17:01:15.99 ID:e1YBe8Vo0
先生のセリフが堺雅人の声で脳内変換される…


129 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 17:02:12.26 ID:+beSXCVE0
「まぁ……人って、いつかは離れていくじゃないですか。どんなに好きになっても、結局はどこか遠くへ行ってしまう。」

私は黙って聞いている。

「どこかに行ってしまうのは解っているから、何だか一線を引いてしまうんです。

僕は弱虫なんで、自分が傷つくのは嫌なんですよ、怖いんです。

きっと そんな気持ちが相手に伝わってしまうんでしょうね。

気がついたら もう手が届かない場所に行っていた…っていう事ばかりでした。

恋愛だけじゃなく、他の事でも…。」


先生は気まずそうにアハハと笑った。


「…先生は…その人達の事が、好きだったんですか?」

「わかりません。」

私が小さく聞くと、先生は爽やかな声で即答した。思わず先生をじっと見る。

「こんな人間が、優しい訳が無いです。」

先生はそう言うと、いつものようにニコっと微笑んだ。


その顔を見ていたら妙に心がざわついてきて、色々な思いが物凄い早さで頭の中を駆け巡っては、消えていった。

いつも穏やかに笑っている先生の顔がだんだんと、少し冷たい、哀しそうな笑顔に見えてくる。

笑顔の裏に隠れているであろう先生の本当の顔が、私には何も見えない。


ふと、先生の言葉を思い出す。

「誰からも必要とされた事があまり無かったので…」

その言葉の裏には、先生の様々な思いが込められていたのかもしれない…そう思った。


130 :名もき被検体774号+:2012/06/07(木) 17:04:44.06 ID:+beSXCVE0
うしよう無いもどしさで、胸が一になていた。

「…先。」

ですか…

「……私は生から離れま

故だが気持ちが昂ぶって、私は思わ口に出していた

………私先生がです。だから離れていったりません。」


は一瞬…本当瞬だけ沿ハッとした顔をした

でもいつものニコニコ顔に戻っきくゆっくり、何かをかめるように目を閉じる。


途端に悔が襲ってきて、私は向いた

自分でも、何でそんなを この場で言ってしまったのかが解

早い心臓の鼓動で、が自然と震えだす

時間戻せるなら自分を止めてやりかった。





131 :き被774号+:2012/06/07(木) 17:07:18.45 ID:+beSXCVE0
妙な空気が流

は いつのにか、涙が溢れ出てき

………僕は…ダメですよ。」

先生の穏優し声に、息詰まっ

言った先生見れない。


「……どうしてですか…?」

てしまいうな喉のえながら、私はやとで呟いた

…ども。」

…答えに…なってません。」

事を好きになっ、ダメす。」

泣きれないように、下をたまき返した

「…だからどてです?」

先生い溜息が聞こえる。

「…してもす。」


133 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 17:10:51.34 ID:LUqPOmqkP
>>131
>破れてしまいそうな喉の痛みを堪えながらあぁ、なんかすごい分かるわ…


132 :名も無き被検774号+:2012/06/07(木) 17:09:33.19 ID:+beSXCVE0
喉のが激しくなる

言いきたい事、どあるずなのに、私はれを葉に使くてり込んだ

にいる先が、とても遠に感じる

って顔を上げて、私は先見つめた

何故だか、目をそらしてはいけながし

「……嫌で西

……ダメです。絶対メで。」

「嫌です。…無理

「ダです。

「どしてで

「…ダメだからです……」

答えにん…

生の、だんだん苦しそうになっく。

「…やめてさい…」

どうしてですか…!」

めて…」

嫌です

「やめてお願いだから


押し問答を繰り返いるともう笑は消えていた。

れどころか少怯えた様な瞳そう

の事に気がて、よく解らない痛みが胸をはし

れでは、何かを振払うように首をり続けた。

嫌です私は先生が好生だって知ってた筈です!私はずっと…っ」


その瞬間がグ引っ張られる。


ふわっとがする

稿は先の腕の中に居た


135 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 17:13:45.34 ID:+beSXCVE0
ドキっとして、一瞬だけ世界が静かになる。

「…お願いだから……」

グイグイと、それでも優しく締め付けてくる腕に応える様に、私は先生の背中に手を回した。

抱きしめられた温もりと、拒否されている切なさで、心と体が混乱する。

「…どうしてですか…ダメって言ったりこんなことしたり…」

何故だろう…涙が止まらない。

「……わからない……」

耳元で先生の、苦しそうに震えた声がした。

胸が切りつけられているように痛んだ。

「……………だって俺は昔から知っていて……小さい頃から知っていて……………」

初めて聞くその声に、胸が張り裂けそうになる。

「せんせい…?」

先生は私の声なんて聞こえていないかのように、苦しそうに何かを呟いていた。

「ねぇせんせぇ…」

私は泣きながら先生をギュッと抱きしめた。

「ダメなんだよこんなの絶対……ダメなんだよ…なのにどうして…」


そう言いながらも先生の腕は、ギュウギュウと私を締め付けてくる。

私はもう何も言えなくなり、ただひたすら先生に抱きついていた。


136 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 17:15:08.51 ID:Fv6goezV0
キュンを通り過ぎて胸が苦しいです




137 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 17:16:29.02 ID:+beSXCVE0
抱き合ったまま、長い長い時間が流れた。



私は少し冷静になってきていて、先生は もう何も呟いていなかった。

時折、溜め息の様な深呼吸をする声だけが聞こえてくる。

少しでも体が離れてしまったら先生が消えてしまうような気がして、私は胸に顔を埋めた。

「…渚さん。」

「…はい。」

いつものように穏やかな、先生の声がする。

「……もう一緒には居られません。」

胸がギュッと痛くなる。

でも、なんとなく予想通りだったその言葉に、私は黙って頷いた。

「…明日…家に帰ります。」

「…そうしなさい。」

今まで固く締め付けていた先生の腕が、私から離れた。

「…もう遅いです。寝ましょうか…。」

「…はい。」

先生の顔を見ない様に下を向いたまま、私は小さく頷いて、スーッと静かに寝室へと入っていった。


138 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 17:16:33.86 ID:ZOSge41I0
どうしてくれるんだ…目から汁が出てきた…


139 :無き検体774号+:2012/06/07(木) 17:18:49.76 ID:+beSXCVE0
翌朝

で6時になったのを確認と、やとの事で体を起し、自分の荷物をま始め

局、一睡も来ていった

ない荷物をまとめ終え服を着替える。

きく一回呼吸をしてから、私をそーっと開けた

けはみ出しる先生の頭が見えた。

音を立てないよう部屋か生の方調ラッと見る。

うずくる様布を体巻きつけて沿になっていは、どうやら眠ているみただっ

何故だか少ホッとしつつ、に玄に向かう

履いた私は小さな声で「お邪魔しました」と言玄関の外にで

の生温、気持ちかった。


140 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 17:20:53.64 ID:+beSXCVE0
久々の実家。

玄関の扉を開けると、ツンとお酒の臭いが鼻に付いた。

何だか嫌な予感がしながら、リビングに入る。

出て行った時のまま荒れ果てているその部屋で、母が横になってテレビを眺めていた。

酒瓶やビールの缶が、母の周りを取り囲んでいた。

「…お母さん。」

私が声をかけると、母はだるそうにこちらを見た。

そして声をかけたのが私だという事に気がつくと、ラリった様にニヤ〜っと笑ってフラフラしながら立ち上がる。

「なぎぃ〜〜♪」

母は倒れこむように私に抱きついた。

「なぎぃ〜おかえりぃ〜♪」

息がむせ返るように酒臭い。

「…なにしてるの?」

「なぎが帰ってこないからぁ〜テレビ見てたのお〜」

母はテレビの方を指差し、突然ギャハハと笑い始めた。

何がおかしいのか、まったくわからない。




>>次のページへ続く





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