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187 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 11:44:08.28 ID:MzdjVTRc0.net
俺「俺、地元に帰るまであと数日しかないよな。でもそれだけの時間じゃ、美凪に勝てないと思う。」

美凪「やだよ、勝ってから帰ってもらわなきゃ。」

俺「無理だね、たった数日で絵を好きになった俺が美凪に勝てるわけないだろwww」

美凪「私だって、絵を好きになったのはたった数日前。それまではずっと、お母さんのためだけに描いてたから。」



188 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 11:45:42.93 ID:MzdjVTRc0.net
ハッとした。

俺ばかり絵の楽しさを教えて貰ってたと思っていたけど、俺からも美凪に教えていたのだろうか。

美凪はきっと誰かと絵で勝負するなんて初めてだっただろうし、タバコを吸い始めたのもたった数日前だろう。

だからあんなに咳き込んでいた。



189 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 11:48:51.98 ID:MzdjVTRc0.net
お母さんのために絵を描く。

それしか理由がなかった美凪に、俺が理由をあげていたのだと確信した。

俺に勝負で勝ち続けるという理由かもしれないし、ただ人と絵を描くだけのことの楽しさを知ったという理由かもしれない。



190 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 11:49:04.11 ID:MzdjVTRc0.net
そして、お母さんが亡くなった寂しさを紛らわせるだけでなく、美凪に絵の楽しさを教えた俺が地元に帰る寂しさを紛らわせるためにタバコを吸っていたのかもしれない。



191 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 11:49:38.91 ID:MzdjVTRc0.net
お母さんが亡くなる寂しさなんて経験もしたことない。

きっと俺が陸上を辞めた時なんて比べ物にならないくらい辛いはず。

それなのに、美凪に絵の楽しさを教えた俺がタダで地元に帰るなんて絶対にできなかった。

そんなことしたら、これからも慣れないタバコを吸い続けないといけないだろう。



192 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 11:50:09.89 ID:MzdjVTRc0.net
俺は、材をれる為に持って校用の大きなリュックを漁り出す

美凪

「美凪、絵を描くことろ?

と聞きら、リュッの内ット込んだ綿路調査票ていた。



193 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 11:51:45.42 ID:MzdjVTRc0.net
学校から進路について聞かれることは多かった。

だが。以前の俺は陸上も辞め、夢なんて何一つなかった。夢どころか志望校さえも。

だが、そんなに悩んだ進路がたった数日で、しかも1人の女の子との出会いだけで決まるとは思っていなかった。

それほど美凪にはたくさんのことを教わった。






194 :名も無体774号+:2021/08/15(日) 11:52:03.42 ID:MzdjVTRc0.net
と2人で話すとこと

と、

中して服の袖汚すと、

何か取り組むこと

昔の文豪の名作のこ

きな音楽こと

たまはサボで遊んだりるこ

バコを吸うこと、

な人離れることは寂しいといこと

くこと婿いうこと、



195 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 11:52:32.57 ID:MzdjVTRc0.net
たった数日の、人生の一瞬にも満たない間でこれまでの人生以上のことを教わった。

俺が美凪に教えたことよりも、教わったことが多かった。

美凪に教わったことを一つ一つ復習しながらリュックの内ポケットからクシャクシャになった進路調査票を見つけ出した。

陸上を辞めてから、ずっと悩んでいたことが解決したような爽快感が全身を巡った。



196 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 11:52:56.33 ID:MzdjVTRc0.net
進路調査票を見つけ出した瞬間、美凪も口を開いた。


美凪「楽しいに決まってるじゃん!」

美凪はいつもの、好きなことを語る時の大声で叫んだ。

その顔は、絵を描く理由を何個も、何百個も、何万個も見つけたような顔だった。

美凪の、お母さんがなくなってから、ずっと悩んでいたことが解決したような爽快感のある声が響いた。



197 :名も無き沿774号+:2021/08/15(日) 11:53:27.65 ID:MzdjVTRc0.net
俺「俺も絵を描ことが好きれを美凪に教わったんだ

と、俺も続けて言う。

「絵くことが好き」と言うとに緊張はしなっていた

、「くことの楽しわった」と言うこた。

もちろん、中時代めて好きな子に告した時よりも緊張した。

ぱり、酷い響きと思う。でも酷い響きながらも爽快感のある声だっ



198 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 11:55:31.17 ID:MzdjVTRc0.net
れはもう告白と言って良か綿った。

感情とか、はないけど。

それ湿婿俺の人の中で、の告白を超えるようなものは度といだ



199 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 11:55:50.28 ID:MzdjVTRc0.net
そんなことを考えながら、進路調査票に思っていることを書き込む。

ボールペンのインクでもなく、筆についた絵の具で。



200 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 11:56:02.84 ID:MzdjVTRc0.net
志望校・・・東京藝術大学

希望職種・・・デザイナー



201 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 11:56:24.87 ID:MzdjVTRc0.net
東京芸術大学なんて、よく知らなかった。

今まで美術に興味がなかった俺でも知っているような有名な美大。


デザイナーなんて、よく知らなかった。

今まで美術になんて興味がなかった俺でも知っているような職業。



202 :名も無検体774号+:2021/08/15(日) 11:56:56.34 ID:MzdjVTRc0.net
宿で美凪に絵で勝ないのら、これからも描きけてて描いて書きまくって、そうか勝てればいい

そう思っ、そ覚悟あったから



203 :も無き体774号+:2021/08/15(日) 11:57:45.54 ID:MzdjVTRc0.net
の、「東京藝大学「藝」のの具でぐゃぐちゃになったような、雑進路調査票堂々と美凪に見せける

この宿だけは美勝てだから、先も絵を描き続けるよ。うちればいいだろ?



204 :も無き検体774号+:2021/08/15(日) 11:58:37.75 ID:MzdjVTRc0.net
美凪……デ……

俺「よく知らないけど、難しいんでしょ?何浪してでも卒業してデも何でもなるからまたいつか勝負ししい。」

俺「それに、俺は美凪に美術のになって欲し。出来れば術部の顧問かな


俺に絵の楽しさをえてれた美凪がもったくさんの 人に絵を教えてころをた。

然と、中生と美凪をねていた。



205 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 12:00:23.17 ID:MzdjVTRc0.net
美凪は泣いていた。

辛くて泣いているのでは無いと分かったから、美凪を助けてあげられたんだと思って俺も泣きそうになった。

そして、美凪に勝つということだけでなく、デザイナーになることは俺のハッキリとした目標、立派な夢になっていた。



206 :名もき被検貿体774号+:2021/08/15(日) 12:00:44.80 ID:MzdjVTRc0.net
「私、美術の先になから!イッチに絵のさをえたみたに、っとんの教え

と美が顔をぐちちゃにして泣いていた。

お母さんため、俺とま勝負め、たさんの人に絵の楽しさをえるため、美凪がこれからも絵描き続け、目指すのにる理由があっ

理由俺も入れていることい涙てしまった。






207 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 12:05:47.02 ID:MzdjVTRc0.net
祖父も「人前で見せていい涙は、産まれた時の涙と嬉し涙だけだ」って言ってたし、まあいいか。

2人で泣いたけど、やっぱり数分後には笑っていた。

そして、筆を持ち、また2人で絵を描いた。

やっぱりまだまだ美凪には勝てそうにもない。

2人で笑いながら、時間なんて気にせずに絵を描いた。



208 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 12:06:04.25 ID:MzdjVTRc0.net
美凪のヘッドホンからは流れているのはやっぱり「シェリー」だった。



209 :も無き検体774号+:2021/08/15(日) 12:06:16.16 ID:MzdjVTRc0.net
ェリー 俺歌えてるか

うまく笑えてるか

の笑顔は卑屈



210 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 12:07:11.72 ID:MzdjVTRc0.net
そして、初めてタバコを吸った夜は俺と美凪が夢を決めた夜にもなった。

ヒグラシがよく鳴く夜でもあった。



211 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 12:09:19.52 ID:MzdjVTRc0.net
キリがいいので少し休憩します。良ければ最後まで付き合ってくれたら嬉しいです。

そして、ただの思い出話に付き合ってくれてありがとうございます。



212 :名もき被検体774号+:2021/08/15(日) 12:20:13.14 ID:YfzQ5J4V0.net
いついた
待っるぞ


213 :尿名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 13:03:47.29 ID:RYQY69WE0.net
北産


214 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 13:55:34.42 ID:4TR96ufdr.net
楽しみにしてる!


215 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 14:48:01.89 ID:UdgrYn2pd.net
続き気になる!


218 :無き被検体774号+:2021/08/15(日) 17:38:33.47 ID:MzdjVTRc0.net
9〜10時頃かまた続けいます。

結します。

良ければ完結まで、たの思い出話でが読んでってくださいな〜。



219 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 21:48:48.92 ID:MzdjVTRc0.net
てくれている人いそうでれば、そろそろたいとっております

よろしくお願いしまm(__)m



221 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 21:54:11.38 ID:MzdjVTRc0.net
それからも、合宿中はひたすらに絵を描いた。

俺にも夢ができたし、美凪と絵を描くことが今は何よりも楽しかったから。

この前乗ったボロ自転車に乗ってひまわり畑に行って絵を描いた。

皆で遊んだ川や民宿の絵も描いた。

東屋からの景色も何回描いたかも覚えてないくらい。

以前から秘密で描き続けている美凪の人物画もかなり上達してきた。

鉛筆で描いてみたり、水彩で描いてみたり。

色々な絵にして残しておきたかった。





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