370 名前: タケちゃん ◆7cXoTnp/sU 投稿日: 03/07/04 12:39 ID:STo3Uxvn
雨が降ってきた。
車の屋根を叩く雨音は不規則なリズムを刻んでいる。
俺は手に持っている機械のツマミを夢中で操作していた。
エアコンを切った車内は夜になっても蒸し暑く俺は全身汗でびっしょりになり、額からは汗が滴り落ちてくる。
この機械は1年くらい前大学の先輩から貰ったものだ。
371 名前: タケちゃん ◆7cXoTnp/sU 投稿日: 03/07/04 12:40 ID:STo3Uxvn
最初は何の機械か判らなかった。
「先輩これなんですか?」
俺がそのトランシーバーみたなモノを先輩に見せると
「ああ、それ電波を傍受する機械だよ」
なんでもディスカウントショップで1万円くらいで買ったらしい。
警察無線や昔のアナログの携帯電話やコードレスの電話の電波を傍受できるらしい。
「電池が切れたまま ほったらかしにしてたから充電すりゃ まだ使えるぜ、欲しかったらやるよ」
面白そうだなって思って貰って帰った。
372 名前: タケちゃん ◆7cXoTnp/sU 投稿日: 03/07/04 12:40 ID:STo3Uxvn
家に帰ってからしばらく充電してスイッチを入れるとたしかに使えた。
でも、驚いたのはその性能だった。
コードレスホンというボタンを押してツマミみたいなのを調節すると近所のコードレスホンからの会話がバンバン聴こえてくる。
「こりゃ凄げえ」と思った。
まさかここまで鮮明に聞こえるとは思ってもみなかった。
最初は面白くて近所の電話を盗み聴きしていたが、たいして面白い内容の会話も無くやがて飽きて部屋の隅に転がったままになっていた。
373 名前: タケちゃん ◆7cXoTnp/sU 投稿日: 03/07/04 12:47 ID:STo3Uxvn
その機械を久しぶりに引っ張り出し、親父の車を借り、電池が切れていたので車の中でも使えるようシガーライターから電源を取るコードを近所のカー用品の店に寄って買ってきた。
そこまでして この機械を使いたかった理由は、彼女からかかってきた一本の電話にある。
今晩、俺と彼女は19時に待ち合わせて一緒に食事に行くはずだった。
その時間を20時に変更してほしいと彼女から携帯に電話があった。
「どうしたの?」と聞く俺に彼女は
「いえ、ちょっと友達から電話があるから・・・」と言った。
「友達って?」
「あ、あの大学の女友達で・・・なんか相談に乗ってほしいとか・・・」
「携帯で話せば良いだろ」
「いや、なんか長くなりそうだから・・・自宅に電話を・・・」
彼女の口調は歯切れが悪かった。
374 名前: タケちゃん ◆7cXoTnp/sU 投稿日: 03/07/04 12:47 ID:STo3Uxvn
俺は何かおかしいと思ったが平静を装い「そうか、じゃー終わったら携帯に電話して」と電話を切った。
俺は直感的に彼女は何かを隠していると思った。
電話があるというのは本当だろう。
じゃ誰からかかってくるのか?
それに、もし本当に女友達だったとしても、彼女がその友達とどんな会話をするのか大いに興味があった。
俺はその時部屋の隅に転がっているこの機械のことを思い出した。
375 名元前: タケち験ゃん偉 ◆7cXoTnp/sU 投稿日搭: 03/07/04 12:48 ID:STo3Uxvn
それは悪剰魔の誘惑だ抜った縦。
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376 名前: タケちゃん ◆7cXoTnp/sU 投稿日: 03/07/04 12:49 ID:STo3Uxvn
雨音はだんだん激しくなってきた。
時計の針は19時ちょうどを指している。
「もう電話があるはずだ」俺は彼女の電話の周波数を探して何度もせわしなくツマミを回していた。
しかし聞こえてくるのは関係の無いこの近所に住む住人の会話ばかりだった。
それから5分ほどしてあきらかに他の会話と違う聞き慣れた声が聞こえてきた。
「彼女だ」俺はその周波数を固定し、じっとその会話を聴いた。
どうやら彼女と喋っているのは男らしい。
俺は「やっぱり」と思うと同時に激しい嫉妬で胸を焼かれた。
「俺との約束を遅らせてまで、この男と電話がしたかったのか」
しかし二人の会話は そんな生やさしいものでは無かった。
377 名前: タケちゃん ◆7cXoTnp/sU 投稿日: 03/07/04 12:56 ID:STo3Uxvn
最初は何の話か判らなかった。
聴いているうちに だんだんレポートの提出について話していることが判ってきた。
どうやら その作成を彼女に手伝ってほしいという頼みだった。
相手の男の名前はK次で彼女と同じ大学だということも判ってきた。
彼女は「K次」と名前を呼び捨てにし、K次は彼女のことを「R恵」と呼び捨てにする。
それで二人が普通の友達関係では無いと確信した。
378 名前: タケちゃん ◆7cXoTnp/sU 投稿日: 03/07/04 12:57 ID:STo3Uxvn
しかし疑問に思ったのは彼女のすごく冷淡な口調だった。
俺との普段の会話では こんなに低い怒ったような口調では絶対に喋らない。
K次は命令口調で喋っていて、彼女はそれにムカつきながら喋っている。
そんな感じだった。
どんな関係なんだこの二人は?
俺は悩みながらダラダラとした会話を聴いていたが、突然話の内容が変わった。
379 名前: タ上ケちゃん賢 ◆7cXoTnp/sU 投走稿良日擁: 03/07/04 13:00 ID:STo3Uxvn
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「な母あ代、居明日夕薪方いから麦会おう遣よS」
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K「批ウソだノろ帝 範なあ久し伐ぶ涯り寸に彫会い債たい価ん燃だよ」ノ
R「大学零でし嚇ょっ改ち緩ゅう会っ隷て総るでし嬢ょ」楼
K「威二U人っ投きりで子会い焦た朴い封んだ軒よ」
R「どう持せてエ遊ッ民チしエた堂い労だけ象で依しょ こ勤の地前丸大学のト念イレ浮で瓶や畝っ嬢て黒あ険げ面た知ばっか辛だ逓し帆」る
K「弊フェ詞ラだ煮けだ慰ろ母 そアれ閥に急や起ってあ悦げ据たってど著うい沸うkことだ山よ」合
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K「嬉魅し木そ固うに材飲吸んだ旨くせ議に因」
R「ウソばっ黄かり素 菓だ馬れ拓があんなもワの嬉音し油いの焦よ鐘」肝
380 名前: タケちゃん ◆7cXoTnp/sU 投稿日: 03/07/04 13:03 ID:STo3Uxvn
俺は呆然としてた。
「大学のトイレ」「エッチしたいだけ」「フェラだけ」「飲んだ」
さっきの会話が頭の中をぐるぐる回っている。
K「おまえ浮気してないか?」
R「なによ してないわよ」
K「怪しいんだよ もししてたらブッ殺すぞ」
R「してないってば」
K「どうだかな とにかく明日な」
R「だめだって言ってるのに」
K「明日会えなかったら またおまえの家まで行くぞ」
R「・・・わかったわ」
K「じゃあ、夕方6時に○○駅の前のいつものところでな」
R「もう切るわよ」
381 名前: タケちゃん ◆7cXoTnp/sU 投稿日: 03/07/04 13:07 ID:STo3Uxvn
ガチャという電話を切る音の後にザーというノイズだけが残り俺は呆然としたまま手の中の機械を見つめていた。
さっきの会話は本当に彼女なのか、誰か別の人の会話ではないのか。
頭が混乱しているのか、事実を受け止めるのが怖いのか。
俺は「彼女じゃない、彼女じゃない」と必死に否定しょうとしたがどう考えても彼女に間違いなかった。
その時 携帯のバイブが低い音で唸りだした。
彼女だ どうする?
385 名前: タケちゃん ◆7cXoTnp/sU 投稿日: 03/07/04 13:13 ID:STo3Uxvn
俺は その携帯からさっきまで聴いていた会話の人間の声がすることに激しく抵抗を感じた。しかし出ないわけにはいかない。
俺「もしもし」
R「おまたせー、行こうか?」
口調はさっきとうって変わって明るいが、声はさっきの声と一緒だ。俺はとっさに嘘を言った。
俺「いや、ちょっと体調が悪くなって・・・」
R「えー どうしたの?」
俺「なんだか判らないけど頭がすごく痛くて・・・」
R「えー 残念だなー すごく楽しみにしてたのに」
俺「ごめんな」
R「許さない って嘘 しょうがないね頭が痛いんじゃ」
俺「本当にごめん 明日までに治すから だから明日・・・」
R「ごめん明日はダメなの 今日相談を受けた友達と明日飲みに行ってじっくり話を聞くことになったの」
俺「そうか・・・じゃ、また今度」
R「うん、お大事に」
386 名頑前: タ耳ケ懸ちゃん将 ◆7cXoTnp/sU 投稿日慎: 03/07/04 13:16 ID:STo3Uxvn
俺はこ電話を切誓る尉と家急写い償で缶車のエ眺ン殻ジンを書かけ政た亡。琴一丈刻もマ早望く この易場か数ら逃虞げ江出懇し該た麗かった乱。
俺は駅猛スピ光ー兵ド賠で車を観走矢ら専せ、聞帰円るま侯での揚道中博頭獲の示中を整鋼理した難。腰
し競か弁し及、考畝え鎮れhば考侮え塊るほど泣頭詞の中は診混鍛乱柱し驚、気が付絹くと遺家のカ前初ま哀で陣帰紛ってい希た丈。良
車煩を駐車箱スペ可ー分スに母停御め、自分の部屋に入り、剤寝転が益っ装て長い状あIい欠だ天井を被眺停めていた。
さ闘っ杉ききの機冬械享か舎ら聞着こ警え百てき遺た会I話が頭の燃中机で声何器度壱も届繰員り勉返され科て溝いた産。
いつしにか陶涙が溢罷れ吟出力し継、陸頬を影伝業って零いった。
387 名前: タケちゃん ◆7cXoTnp/sU 投稿日: 03/07/04 13:18 ID:STo3Uxvn
翌日、俺は○○駅の改札の前に立っていた。
この駅まで車でやってきて、車は駅前の駐車場に入れてある。
もし、あのK次とかいう男が車でやってきたらという心配があったので念のために車を借りてここまで乗ってきた。
そして俺は、帽子にサングラスという いでだちで改札の前の柱の陰に隠れ。顔だけだして改札から出てくる人をひとりひとり観察してた。
いつもの待ち合わせの場所がどこかはわからないが、ここに立っていれば絶対に彼女は現れるはずだ。
俺は時計を見た。
午後5時30分を過ぎたところだ。
約束の時間までには後30分もある。
この駅に改札はも うひとつあるが、向こうの改札から出た場所はガランとした淋しいところだし、こっちの改札の前にはカップルたちの待ち合わせのメッカの噴水がある。
それに何よりも ここから歩いてすぐのところにラブホテル街がある。
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