最愛の幼馴染の話をしようと思う
書き溜めてないし、タイプ遅いのでゆっくり書きます。
10年前の話だから多少盛ったり、想像もあるが許してほしい。
俺には幼馴染がいた。
真由って名前だ。家が隣同士で、幼稚園、小中高一緒の腐れ縁って奴だ。
親同士も仲が良くて、旅行に行ったり、一緒に飯食ったり。
まぁとにかく気がつけば隣には真由がいた。
小さい時は一緒に風呂なんかも入ってた。確か小学校3年くらいまで。
その時は お互いがお互いを異性と認識はしていただろうが、恥ずかしいとかそういう感覚、感情もなかった。
真由の方が俺より背丈が低かったので、俺からしてみれば妹の様な感覚だった。
親の体の都合で兄弟がいなかった俺は、真由が妹だったらいいのになぁみたいな事を思ってた。
小学校へ登校する時もいつも一緒に登校しており、真由をいじめたり、からかったりする男は容赦なく仕返しをした。ナイトの気分に浸っていたんだろうね。
そんな感じでいつも俺の後ろをついてくる真由がたまらなく好きだった。
でも、この時の好きって感覚は異性としてではなく、まるで自分の兄弟の様なそういう「好き」だった。
いつも一緒にいるもんだから、周りの同級生にはよくからかわれた。
「おまえたち結婚するのかー?」とか
もちろん俺の中ではそんな気もなく、いつも茶化してくる同級生にいら立つそんな時もあった。
時が経ち、体が成長するにつれて、心も成長する。思春期ってやつだ。
クラスの中での会話と言ったら、
「○○は◎◎が好き〜」
とか。
女なんか興味ねぇ!って訳じゃないけど、まだ異性に対して恋愛の好きって感情を持っていなかった俺にとって、こういう会話は苦痛でしかなかった。
なぜなら、好きな人はいないの?と聞かれれば、当然いないと答える。すると、真由は好きじゃないの?と必ず返ってくる。
この下りがホントにうんざりするくらい多くて、事実その当時は真由の事を恋愛の好きって気持ちは まだ持っていなかった。
兄弟としては(兄弟ではないが)好き。でも女としてはわからない。こんな気持ちだったと思う。
一方真由は俺よりも早く「好き」って感情が芽生えたのかもしれない。この当時何度か真由に告白されていたからね。
優、私と付き合って?って感じで。
ちなみに優とは俺の事です。
もちろん俺は断った。真由は妹にしか見れなかったしね。何度断っても真由の俺に対する接し方は変わらなかった。
この頃になると、朝俺が寝てる部屋にまで来て叩き起こしたり、当時やっていた野球の試合があると、弁当作ってきたり(と言ってもおにぎりだけだが)、はたから見れば彼女の様な素振りをし始めた。
その度周りから茶化されて、俺自身真由に対してうんざりしていた。
そして小学校5年のバレンタインの日。ついに俺のイライラが爆発してしまう。
毎年真由からチョコを貰うのは当たり前の様になっていた。けど今回のバレンタインは違っていた。
給食後の休み時間に、真由が俺にチョコを渡してきた。
真由「はい。チョコ。今年は頑張って一人で作ったんだよ?すごいでしょ^^」
確かこんな感じのセリフだったはず。いつもは自分の母ちゃんと一緒に作っているらしいのだが、今年は自分で作ったと。
この真由のセリフを聞いた他の同級生からは、「ひゅーひゅー」とか「熱いね〜」とか。
なんで今渡すんだよ。別に手作りとかここで言う必要ないじゃん。茶化されるのもうマジうんざり。こんな事考えたら自分の中で何かが切れた。
受け取ったチョコを地面に思いっきり叩きつけて足で踏みつぶした。直後に真由の髪の毛鷲掴みにしながら思いっきり文句を言った。
「なんなんだよおまえはいつもいつも!!」
「おまえのせいでバカにされるの嫌なんだよ!!」
「もう俺に近づくなこのブス!!」
他にも言ったと思う。決して真由はブスではない。むしろ可愛い方。でも所詮小学生が言いそうな文句と言えばこんなだろう。
>>17
クズwwwwwwwwwww
ひでぇ
今まで周りから茶化されていたストレスのはけ口が真由になってしまった。
真由は俺が今まで真由に言った事ないような事言われたもんだから、一気に涙目になってしまい、しまいには泣き始めた。
泣いてる真由を見て、周りからは「あ〜優泣かした〜」とか「いけないんだー」とか・・・
また真由がきっかけで自分が責められてる。
そう考えた途端また真由が憎たらしく思ってきて、泣いている真由をよそ目に、踏みつぶしたチョコを拾い上げ、ゴミ箱に捨てて、隣のクラスの友達の処へ逃げた。
休み時間終了のチャイムが鳴って、自分の教室に戻った時には、真由は自分の机に顔をうずめていた。
普段温厚な俺があんなに叫んだもんだから、周りの同級生も俺には話しかけてこなかった。
その日の帰りも一緒に帰る事はなく、俺だけ一人先に帰った。
家に帰って部屋で一人でいると、真由に言いすぎたなとか、後悔していた。
でも、謝るきっかけもなく、自分からゴメンと切り出すのがとても情けなく思い、電話することもできなかった。
夕飯になり、家族で食事をしていると、真由ママから電話がきた。
お袋が電話の応対をして、電話を切った後、俺に聞いてきた。
「優、真由ちゃん家出たっきり帰ってこないんだけど、知ってる?」
俺「いや、知らないよ?」
「なんかチョコ新しいの作って、優にあげてくる言ったっきり、戻ってきてないらしいの」
優はとても利口で、門限破りなんかしたことがない子だった。それなのに夕飯時間になっても帰ってこないのはおかしい。
子供ながらにやばいと思い、今日学校であった出来事をすべて話した。
それを聞いた親父は、すぐ真由ママに電話をかけ、事情を説明した。
電話を切り終わった途端に親父の鉄拳が飛んできた。
痛さで泣きじゃくっている俺を車の助手席に乗せ、真由を探しに家を出た。