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水遣り
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この後、間をおかず松下さんが田舎での結婚を理由に会社をお辞めになりました。
喜ばしい事ですが、少し胸に痛いものが残ります。
小さな会社です、引継ぎが必要なものは殆どありませんが、松下さんはきちんと引継ぎノートを作ってくれました。
松下さんがお辞めになった後、妻は私の会社を手伝っています。
朝から晩まで一緒です。私の心配が一つ減りました。
松下さんは私たち夫婦の為に道を開けてくれたのだと思います。
ご結婚式には夫婦揃ってお祝いさせて下さい。どうぞ幸せなご結婚を。
只、松下さんからの結婚式の招待状はまだ届いていません。
私はまだ、しらふで妻を抱くことは出来ません、酒の力を借りています。酒で佐伯の幻影を消しているのです。
酒は最高の媚薬と申します。しらふで抱けるようになるまで酒の力を借りる事にしました。
先日、佐伯の会社の社長が、何がしかの金銭を持って我が家を訪れました。
甥が大変な不祥事を起こし申し訳ないと、ついてはこの事は口外しないで頂きたいと。
私たち夫婦の恥を何を好き好んで口外するでしょうか。
妻を抱く頻度はあれから増えました。妻の感じ方、妻の積極性は目を見張るものがあります。
しかし、妻の乱れ方を見て、佐伯の事を思い出してしまいます。
妻のこの体は佐伯が開発したのだ、佐伯の癖が妻の体に染み込んでいるのだと思うと、私のものが萎えてしまいます。
つい妻に辛く当たってしまいます、冷たい目で見てしまいます。
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