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「機械と少年」
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229 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/11/16(土) 11:31:01.28 ID:qJamCkZZP
俺の中の胸騒ぎはこれだった

残るVT2が集結する今こそ奴が狙う絶好のチャンスだった

勇「くそっ!こんな状態じゃぁ・・・!」

俺のヴィントは装甲どころかブースターやスラスターも排除してしまったために通常のヴィントよりもロースペックな状態だ

ゴート「あいつとはまともにやりあっても無駄だ!牽制しつつ後退する!」

それぞれライフルを撃ち弾幕を張りながら逃げる

ハーキュリーは両肩をウィングタイプの機械兵に掴まれていた

恐らくウィングタイプは機械兵を空輸する役割もあるのだろう

ハーキュリーは地面に降り立つとまず俺を睨んだ

やはり狙いはVT2か・・・

ドドォンッ!!

突如ハーキュリーの左肩に誰かが攻撃をした

レイト「こいつが噂のハーキュリーって奴か!」

レイトは自分のVT2を再起動していた



230 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/11/16(土) 11:42:35.50 ID:qJamCkZZP
勇「やめろ!こいつは普通の機械兵じゃない!」

レイト「知ってらァ!それでも俺は負けねぇ!!」

レイトのヴィントがハーキュリーに突撃していく

ワイヤーを撃ち出しハーキュリーの両足を拘束する

レイト「喰らえっ!!」

ワイヤーを伝い高電圧の電撃が流れる

しかし・・・

ハーキュリーには全くダメージがない様だ

勇「どんな構造をしていればあの電撃を防げるんだ・・・!?」

ハーキュリーはゆっくりレイトのヴィントに一歩一歩近づいていく

レイト「だったらこいつだ!」

レイトのヴィントの先端が展開して電子砲発射体制になる

それでもハーキュリーはゆっくり前進するのみ

レイト「消えちまいなぁ!!」

トリガーが引かれ電子砲が撃たれた

と、同時にハーキュリーも動いた



231 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/11/16(土) 11:49:24.33 ID:qJamCkZZP
ハーキュリーは少し足を曲げ力いっぱい跳躍した・・・だけだ

しかしその跳躍はまるで打ち上げられた様に鋭く高度が高い

レイト「なんだあいつ!?」

機械兵は重く鈍重だ

跳躍など精々1mくらいしか出来ないはず

だが奴は目測だが8mは跳んだ

勇「レイト!避けろ!!」

ハーキュリーが空から迫る

レイト「っ!動かねぇんだ!!」

電子砲の発射後はヴィントの電力が不足する

今のレイトのヴィントはもう動けなかった

勇「くそっ!!」

ミーラ「勇!?」

レイトのヴィントに向かって俺はヴィントを走らせた

ハーキュリーがレイトに迫る

勇「おおりゃぁっ!!」


ドゴォォォォ!!!!

ハーキュリーは8mの高さから飛び蹴りを繰り出していた

その攻撃によってレイトのVT2は粉砕され木っ端微塵になった



232 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/11/16(土) 11:56:15.57 ID:qJamCkZZP
勇「ま・・・間に合ったか・・・」

その爆発から逃れるように走る俺のヴィントとラリアット状態で爆発したヴィントから連れ出したレイト

レイト「ぐ・・・ぐるじぃ・・・!」

十分距離をとってから振り返る

黒煙の中からハーキュリーが出てくる

あの爆発でも殆ど傷が付いていない

その目線は俺・・・

ではなく近くに止まっていた盗賊のシュトローム

ハーキュリーは空に顔を向けた

そこには2機のウィングタイプ

そのうちの一機がシュトロームから何かを奪い去った

そしてもう一機がハーキュリーを掴み飛び立つ

勇「まt・・・」

ゴート「いや、ここで俺らも一旦引くぞ!」

確かにここで戦えば ほぼ確実に全滅だ

勇「しかし・・・」


引けない理由もある

ゴート「追撃は不可能だ。奴らは空だ。速度もお前のヴィントでなければ追いつけない。」

しかも俺のヴィントは使い物にならない



233 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/11/16(土) 12:02:34.60 ID:qJamCkZZP
ゴート「その盗賊を連行して俺らの任務は完了だ」

勇「・・・了解・・・」

レイトに手錠をかけ迎えに来たチームグリューンのシュトロームに乗せる

レイト「なぁ?」

勇「なんだ?」

レイト「どうして俺なんか助けた?」

勇「・・・」

勇「色々と聞きたいことがあると言った」

レイト「あいつは機械兵なのか?」

勇「わからん」

レイト「あーあ、せっかくのヴィントが」

勇「そもそもお前の物ではない」


俺の勝手な予想だが今回の任務はやはり何か仕込まれた様なきがしてならない

都合よくVT2が集まってそこを襲撃された

運よく・・・かどうかは分からないが

俺のヴィントは助かったが残るVT2は俺の1台になった

そしてレイトの事情聴取により俺の推測は確信にかわる


--------------------


247 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/11/19(火) 01:03:48.86 ID:72loT4PQP
レイト「その赤いEJってのを見つけたら大儲けできるって聞いてよ」

ゴート「確かに赤いEJと言ったのか?」

レイト「間違いねーよ。ずいぶんと詳しく教えてくれっからよ、俺はてっきり本当にそんなもんがあるってだまされたってわけだ」

勇「その情報は?」

レイト「俺がいつも仕事を集める酒屋だよ。そこにいた男が俺に声をかけてきたんだ」

ウェルス「ガッツリあやしーじゃねーか」

レイト「俺だってそんなに簡単に信じたりしねぇよ」

勇「しかしお前を動かす何かがあったんだな?」

ミーラ「何か?」

レイト「お前結構鋭いな。・・・そうだよ。俺がその情報を信じたのはその男を見たことがあったからだ」

ゴート「そいつは?」

レイト「俺がずいぶん前に本国の基地にちょいと
おこぼれを頂戴しに行った時だ」

ウェルス「ってお前そんなこともやってんのかよ」

レイト「それは仕事じゃない。趣味だ!」

勇「いいからその男について」

レイト「わかってるよ・・・。そこでちらっと見えただけなんだが あの顔は忘れねえ」



>>次のページへ続く
 
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