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涙の色は赤がいいだろ?

 




1 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:00:04.33 ID:msabUvV8.net
「涙の色は赤がいいと思うんですよ」

突然、高校生くらいの女の子にそう話しかけられた。

なぜ俺がこんな状況に陥っているか、説明するなら話は一週間前に遡る。


2 :名も無き被検体774号+@(^o^)/:2016/03/12(土) 20:00:33.12 ID:msabUvV8.net
【公チにだけイト募

人生の夏休みとれる大学生の夏、り早くトが調わった、少し早めの夏休みに入った頃、ネットを彷徨っていと そ文字がに入ってた。

俺はえないだか思い、この見出しにを惹かれてックしんだ

するとそこ


4 :無き被検体774号+@(^o^)/:2016/03/12(土) 20:01:08.82 ID:msabUvV8.net
【内容】

チにもらいます。


集条

十八歳から二十での健康な男性




は追って明します。


け書いてあり、詳い内容については書いてなかっ、確かに貿バイトの求人だった。


5 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:01:56.83 ID:msabUvV8.net
こんなのはありえないと思った、詐何かだとも思った

もさ、俺にはれに応るのに十分な理由があんだ。

学生っていのは何でさ、ぁ、ただいたいものがるだけなんだけど、とかくお金が要だたんだ。


6 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:02:42.08 ID:msabUvV8.net
それでサイトを下まで見ていくと、時給について書いてあってさ、それがわりといい値段だったんだ。

こんなのを見せられたら とびつかないわけがないだろ?

というわけで、俺は冗談半分で応募してみたんだ。





7 :名も無き774号+@\(^o^)/2016/03/12(土) 20:03:24.27 ID:msabUvV8.net
れか、すっかこのバトのことも忘れた、一通メールが来た

こにはの二文字が書いてあった


8 :名も無被検774号+@(^o^)/:2016/03/12(土) 20:04:04.56 ID:msabUvV8.net
の後、折姿して連絡して仕事内容をき、正式にバイトを受けることにった。

もちん いたらかとも思ったが、くこにかなり前金の口座に振り込まれたん

れで俺はこのトをじるしかくなった。


9 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:04:35.30 ID:msabUvV8.net
それでバイト内容なんだけど、本当に公園のベンチに座っているだけらしいんだ。

昼頃公園に行って、連絡があるまで公園にずっといる。それだけでいいらしかった。


ただ、誰にもバイトの話を口外してはいけない。それだけが条件だと聞かされた。

正直不気味だったけど、やっぱりお金が必要だったんだ。


10 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:05:17.34 ID:msabUvV8.net
そういうわけで、俺は今公園のベンチに座っている。

とても寂れていて、ほとんど人なんてこなさそうな公園だ。

こんなところでただ座っているだけなんて、一体俺に何をさせたいんだろうか?


まぁいいや、ここら辺で話を戻そうか。

俺は急に謎の女の子に話かけられたわけだが。

一体この子はなんなんだろうか?

俺は返事ができず、沈黙が場を支配していた。


11 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:05:57.59 ID:msabUvV8.net
先にこの静寂を崩したのは少女の方だった。

「あなたはどう思いますか?」

少女はその長く美しい黒髪をかき分けながら、二言目を発した。

この子はなんの話をしているんだろうか?どう、ってなんのことだ。俺は意味がわからなかった。

ああ、そうか涙の話だな。涙の話? 涙の話ってなんだ? 涙は赤がいいってどういう意味だ?

俺の頭の中は疑問符でいっぱいだった。


12 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:06:47.79 ID:msabUvV8.net
「どうって、というか君は誰なんだ?」

やっとの事でひねり出した言葉は、率直な俺の疑問だった。

「ああ、すみません。そうですね私は公園の主です」

「主?」

少女の答えに、俺の疑問はまた一つ増えた。

「そうです、公園の主。この公園が好きなんですよ。だからよく来るんです。

でもこの公園寂れてるじゃないですか。

だから あんまり人が来なくて、それで久しぶりに人がいるなと思ったんで、話しかけちゃいました。

迷惑でしたか?」

少女は少し伏し目がちに言った。


13 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:07:19.49 ID:msabUvV8.net
「いや、別にそんなことはないけど……」

「そうですか、なら良かった。それであなたはどう思いますか?」

「どうって、涙の話か?」

「そうです。赤がいいと思いませんか?」

この子は何が言いたいんだろうか?

俺にはわからなかったので、結局また質問で返すことしかできなかった。

「どうしてそう思うんだ?」


14 :無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:08:11.90 ID:msabUvV8.net
「そですね、ダーウィン知ってまよね

ああ

ーウィンの涙につの仮説知すか?」

「い論のダーウィンだよな? そんなのがあるの?」

んなのはなか便た。の中でダウィンと、イコール論くらいの知識し


15 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:08:40.96 ID:msabUvV8.net
「簡単に説明すると、ダーウィンは感情を理由とする涙を流す理由に いくつかの仮説を立てました。

そのうちの一つに、人に助けを求めるために涙を流すというものがあるんです」

「でも、一人でいる時も涙を流すだろ? だったらそうはならないんじゃないか?」

つい反射的に反論していた。

「そうですね、フレイという人も そう言って、この仮説を否定しました。

でもそれは間違いだと私は思います。

むしろ一人だからこそ、誰かに気づいてもらうために、涙を流すんだと思うんです」

そう言う彼女の声には少し熱がこもっているように感じた。





17 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:10:03.48 ID:msabUvV8.net
一呼吸置いて、彼女はまた話し始めた。


「それに、感情が原因の涙を流すのは人間だけだと言われています。

ウミガメは別に悲しくて泣いているわけじゃないんですよ。

これこそが さっきの仮説が正しい証拠だと思うんです。


人間以外の動物は、鳴き声や動作で悲しみを表します。

人間にもそれと対応する言葉というものがあります。

ただ、言葉というのは非常に厄介で、たまに嘘をついちゃうんですよ。強がったり、誤魔化したりしちゃうんです、私は悲しくなんてないって。

だから そんな面倒くさい人間のために、悲しみの涙があるんですよ、きっと」


19 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:11:19.84 ID:msabUvV8.net
彼女の力説を、俺はずっと黙って聞いていることしかできなかった。

「確かにそうかもな」

やっと話す機会がまわってきたとき、口から出たのは肯定の言葉だった。

彼女の話を聞いていると、本当にそうではないかと思えてくる、そのくらいの説得力があった。だから俺は、半分は本心で肯定したのだろう。

ただ、半分はきっと俺に自分がないから なんだろう。自分の意見がないから とりあえず肯定するんだ、俺は。


20 :名無き被検774号+@\(^o^)/2016/03/12(土) 20:12:04.96 ID:msabUvV8.net
「でもそれがして赤色がいいって話になんだ?」

この退話がなで涙の話になかがなかっ

っき話をいていて涙に陥がと思いませんでしたか?



西はい、欠陥です。それが色なですよ。涙の色は弱すぎんです、悲しみをは。透明じゃ駄目なんよ、悲しいときにゃ気づいないとうんです

さったも言ってましたよね一人でく時もあと。

の時、涙と少し床を濡らすくいでう。

後からそに人が来たとしても、その涙の跡づく可能性はとても低いと思います。

でももしれが赤だったら? その人はそれづきます。

そし思い泣いていたろう人に話をきに行ょう。

の方がいいま

今の色だSOSのサインとしては不十分なんす」

までは黙っちを見。俺にを求めてう。


21 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:12:49.41 ID:msabUvV8.net
「なるほど、確かにそうかもしれないな」

俺の口からは また肯定の言葉が出ていた。

「そうでしょう?」

「ただ、それでも俺は今の色がいいと思うけどな」

珍しく俺の口から否定の言葉が出ていた。どうしてだろうか?

「どうしてですか?」

彼女が聞き返してきたが、俺自身もなんでそう思ったのかわからなかった。


22 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:13:14.28 ID:msabUvV8.net
「なんでだろうな。ただ、なんとなくそう思ったんだ。

俺は自分のことがよくわからないんだ。

なんとなく人に流されて、肯定してるかと思えば、たまにこう反論してみたくもなる。

なんなんだろうな、本当」

口から本音が出ていた。なんで初めて会った子に、こんなことを話しているんだろうか?

「ふふっ」

少女の口元が少し緩み、微かな笑い声が耳をくすぐった。


23 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:13:51.86 ID:msabUvV8.net
「どうしたんだ?」

「いや、変わった人ですね。すごく面白い人です」

「そんなこと言われたの初めてだな。どちらかというと、つまらない人間だと自覚してるつもりなんだが」

それに急に涙の色の話なんか始めた、彼女の方がよっぽど変わってる。そんな言葉が出かかったが、それは飲み込んだ。

「そんなことないですよ、すごく面白い人です」

彼女は未だに笑っていた。


24 :名も無体774号+@\(^o^)/2016/03/12(土) 20:14:26.88 ID:msabUvV8.net
「そういえ、なんで この公園にですか?」

だったから散たら、たまたま目って少休憩しよと思っただ」

バイトのこえないので嘘をついた。

すか明日も来ますか?」

「ああ、近ずっと暇だからな」

じゃあ、明日もたお話ししてくれますか?私もの公園にてるんで

「俺別にけど…… でいいのか?

はい、あなたしてると面白いで

「そうら喜んで」


25 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:14:58.71 ID:msabUvV8.net
「それじゃあ、私はそろそろ帰ります。また明日会いましょう」

「ああ、また明日」

そんな約束をして、彼女は帰って行った。


26 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:15:31.49 ID:msabUvV8.net
俺は自分でも、なんで こんな約束をしたのかわからなかった。

さっきからわからないことだらけだな。俺はどうしようもなく自分のことがわかってないみたいだ。

ただ、多分彼女と話すのを楽しいと感じたんだろう。

それだけは なんとなくわかった。




>>次のページへ続く


 

 

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