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水遣り
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妻の思いは逆だったのです。佐伯と会っても自分の気持ちは変わらない、その確信が欲しかったのです。
佐伯が来る前に離婚届に名を書き印を押します。メモを書きますが、離婚届をの後には文字が続きません。
「どうして離婚届けを書いた」
「もし佐伯に抱かれたら私はそれまでの女です。もう貴方の元には帰れません」
--------------------
佐伯が来て、妻は佐伯の車に乗ります。バッグにはある物をしのばせています。
「ご亭主には抱かれているのか」
「・・・・・」
「そうか、ご亭主とは別居だな。自分で慰めていたのか?淫乱な洋子は我慢出来ないからな」
「そんなそんな事していません」
車の中での佐伯の言葉はそれ一点に集中しています。信号で停まると妻の乳房、太腿を撫ぜようとしますが、妻はその手を払います。
「そうか、洋子も久しぶりで恥ずかしいのか」
「・・・・・」
「マンションに着いたらたっぷり可愛がってやるからな」
マンションに着き、部屋に入ると佐伯はいきなり妻を押し倒します。
ブラウスを強引に脱がせます。ボタンが2つ外れます。ブラを取り乳房を引き出します。
「やめて下さい。私はこんな事しに来たのではありません」
佐伯は聞いていません。スカートを脱がせにかかります。男の力には適いません。ショーツ一枚になり、妻の裸身が晒されます。
佐伯もトランクス一枚です。
「ほう、今日はオバサンパンツか。俺に抱かれたくないのか」
「抱かれたくなんかありません」
「今にたまらなくさせてやる」
佐伯は口づけしようとします。妻は顔を背け、口を硬く結びます。佐伯は舌でこじ開けようとしても、妻の口の中には届きません。
それでも佐伯の手は執拗に妻の乳房を、女陰を捉えようとしています。妻は手で足でそれを払いのけるのです。
「もうやめて」
もみあいが暫く続きます。力が尽きた妻の抵抗も力がなくなってしまいます。
佐伯はショーツごしに女陰を揉みしだきます。足を羽交い絞めにして女陰の匂いを嗅いでいます。
「洋子のここはいつもいい匂いだな」
暫く、唇での責めが続きます。妻の足を自分の足で押さえ、また手でいたぶります。
妻は、私が佐伯の股間を蹴り上げた事を思い出します。
足は佐伯の足で押さえられ自由になりません。
手で思い切り男根を掴みます。
「えっ」
妻は驚くのです。佐伯の男根には力がありません。
佐伯は勘違いするのです。妻の手が許したしるしだと。
「洋子も我慢が出来なくなったか。ほらパンツを脱がしてやるからな」
数十分にも及ぶ佐伯の責めで妻も感じ始めていました。
「こんなに濡れてるぞ。なにが、もうやめてだ」
佐伯はショーツを脱がそうと、その時です。
妻は頭の横にあるバッグの中からある物を取り出し、自分の太腿に突き立てるのです。
ある物は、鋏だったのです。
鋏は妻の太腿の皮を破り肉に突き刺さり、血が流れ出てきます。
佐伯もさすがに驚き、行為を諦めるのです。部屋にある塗り薬と絆創膏を妻に渡します。
妻はそれで傷の手当をします。佐伯は茫然と眺めています。
「悪かった、もうしない」
「・・・・・」
「俺は来週から大阪の平社員だ。洋子ともう一度だけでもと思った」
脱がされた服を身につけながら、妻はそれを聞いています。
「さっき解っただろう。俺はご主人に蹴られてから駄目になった」
「・・・・・」
「洋子となら出来ると思った。しかし・・・」
「俺と居た時は楽しかったと言ってくれ、良かったと言ってくれ」
佐伯は聞いていません。スカートを脱がせにかかります。男の力には適いません。ショーツ一枚になり、妻の裸身が晒されます。
佐伯もトランクス一枚です。
「ほう、今日はオバサンパンツか。俺に抱かれたくないのか」
「抱かれたくなんかありません」
「今にたまらなくさせてやる」
佐伯は口づけしようとします。妻は顔を背け、口を硬く結びます。佐伯は舌でこじ開けようとしても、妻の口の中には届きません。
それでも佐伯の手は執拗に妻の乳房を、女陰を捉えようとしています。妻は手で足でそれを払いのけるのです。
「もうやめて」
もみあいが暫く続きます。力が尽きた妻の抵抗も力がなくなってしまいます。
佐伯はショーツごしに女陰を揉みしだきます。足を羽交い絞めにして女陰の匂いを嗅いでいます。
「洋子のここはいつもいい匂いだな」
暫く、唇での責めが続きます。妻の足を自分の足で押さえ、また手でいたぶります。
妻は、私が佐伯の股間を蹴り上げた事を思い出します。
足は佐伯の足で押さえられ自由になりません。
手で思い切り男根を掴みます。
「えっ」
妻は驚くのです。佐伯の男根には力がありません。
佐伯は勘違いするのです。妻の手が許したしるしだと。
「洋子も我慢が出来なくなったか。ほらパンツを脱がしてやるからな」
数十分にも及ぶ佐伯の責めで妻も感じ始めていました。
「こんなに濡れてるぞ。なにが、もうやめてだ」
佐伯はショーツを脱がそうと、その時です。
妻は頭の横にあるバッグの中からある物を取り出し、自分の太腿に突き立てるのです。
ある物は、鋏だったのです。
鋏は妻の太腿の皮を破り肉に突き刺さり、血が流れ出てきます。
佐伯もさすがに驚き、行為を諦めるのです。部屋にある塗り薬と絆創膏を妻に渡します。
妻はそれで傷の手当をします。佐伯は茫然と眺めています。
「悪かった、もうしない」
「・・・・・」
「俺は来週から大阪の平社員だ。洋子ともう一度だけでもと思った」
脱がされた服を身につけながら、妻はそれを聞いています。
「さっき解っただろう。俺はご主人に蹴られてから駄目になった」
「・・・・・」
「洋子となら出来ると思った。しかし・・・」
「俺と居た時は楽しかったと言ってくれ、良かったと言ってくれ」
「言えません」
打ちひしがれた佐伯を後に妻は帰って来たのです。
--------------------
自分の気持ちを確かめる為とは言え、妻は大芝居を打ったのです。
私への贖罪とこれからの貞節の印を刻んだのです。
思えば睡眠誘導剤を飲んだ時から、その芝居が始まっていたのかも知れません。
私は妻の膝元に歩み寄ります。
「傷を見せなさい」
絆創膏を剥がしますと、固まった血糊の薄皮も剥がれます。そこからまた血が流れ出るのです。
それは妻の血の思いの涙なのです。私は思わず妻の血を舐めます、流れ出る血を吸い取るのです。
私の首筋に熱いものが落ちてきます。見上げますと妻は泣いています。
「有難う、貴方」
許したわけではありません。妻の心情を思うと、せめて血を舐めてあげたかったのです。
しかし、抱きしめる事は出来ません。
「今日はこれで戻る。明日朝また来る」
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このまま家に居た方がいいのかも知れません。
しかし、過去の事、今日の事、もう一度アパートで考える事にします。
許そうと思っても、浮かんでくるのは10月17日の妻の痴態、変わってしまった妻の女陰、着けていた下着。そこから連想できる佐伯との絡み。
打ち消しても打ち消しても出てきます。
佐伯のものが機能を果たしていても、妻は受け入れなかっただろうか?
佐伯は もう来週には大阪へ発ちます。
しかし、佐伯が居なくなっても、あれだけ変わってしまった妻は他に男を求めないだろうか?
きっかけがあれば又、他の男に走ってしまうのでは?
ふと自分の気持ちに気がつきます。
妻との別れを考えていないのです。
妻と暮らした場合の心配事ばかり考えています。娘の明子の事もあります。明子は私たち夫婦の出来事は知りません。このまま知らせずに済ませたい。
夫婦の過去20余年の暮らしがあります。共に笑いもし、泣きもしました。破産しても愚痴一つ言わず一緒に頑張ってくれました。
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明くる朝、6時に目が覚めました。
そのまま妻の居る家に向かいます。
6時半、家に着きます。
『洋子はまだ寝ているかも知れないな』
家には入らず、庭の花を眺めています。何やらクリスマスローズも元気がありません。
妻も暫く忘れていたのでしょうか。軒先にある水撒きで水をやります。
妻が自転車で帰ってきます。籠にはパン屋のレジ袋が入っています。
近所に朝早くから開いているパン屋さんがあるのです。出来立てのパンの香りが漂っています。私の腹の虫もグゥと鳴いています。
「貴方、水遣りして頂いているのですか」
「ああ、何にでも水遣りは必要だ」
これから妻を許せる日が来るのか、妻の痴態はいつ消えるのか?今の私には解りません。
解らないまま別れるより、解らなくとも一緒に暮らす事を選びました。
正しい選択であったどうかは、妻が答えてくれると思っています。
アパートを解約し、家での妻との暮らしが再開されました。
>>次のページへ続く
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