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「機械と少年」
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33 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/10/29(火) 01:06:36.80 ID:k+BMzrzCP
ホルン司令「勇、リート。暇か?」

いきなり司令の部屋に呼び出され言われた第一声がそれだった

勇「ヴィントのテストなどもありますが・・・」

リート「私はすごく暇です」

ホルン司令「少し頼みたい仕事があるのだが・・・」

勇「仕事・・・ですか?」

リート「私もですか?」

ホルン司令「うむ、今晩空いているか?」

勇「・・・まぁ」

リート「ばっちりです」

ホルン司令「よし。ならば天霧勇。並びにリート。
君たちに今日開催されるパーティに出席する私の護衛任務を命ずる」

勇「自分に・・・護衛任務でありますか?」

リート「パーティってホームパーティですか?」

ホルン司令「いや、ほのエアーホルンにいる重役やVIPの集まる正式なパーティだ」

勇「し、しかし!自分たちはよそ者の身で・・・」

ホルン司令「それがな・・・例の噂もあってか声をかけた者全員が拒絶するのだ」

勇「はぁ・・・」

リート「悲惨・・・」

ホルン司令「護衛と言っても純粋にパーティに参加してくれればそれでいいのだ。特に私が襲われる理由もないし警備も厳重だ」

勇「・・・わかりました。任務に参加させていただきます」

リート「あ、でも私も勇さんもそういうパーティ用の服って持ってないんですけど・・・」

ホルン司令「それならばすぐに買ってくるといい。
ここエアーホルンにはいい洋服やが沢山だぞ」



34 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/10/29(火) 01:14:37.00 ID:k+BMzrzCP
リート「もちろんお金は・・・」

ホルン司令「ちゃっかりしてるな・・・。もちろん基地が出す。」

リート「勇さん!聞きました!?ただですよ!ただ!」

勇「みっともないからタダって大声で騒ぐな」

ホルン司令「任務開始は18時だ。それまでに帰ってこいよ」

リート「行きましょう!」

俺のうでをぐいぐい引っ張るリート

勇「し、失礼しました!」

バタン・・・


クロム「ありがとね。ボス」

ホルン司令「珍しいな。お前が誰かのためにてを回すなんて」

クロム「あの子はね・・・。あんなに若いのに修羅場ばっかで。最近少し疲れているみたいだから このあたりでリフレッシュさせてあげないと そのうち潰れるわよ」

ホルン司令「確かに彼は優秀だ。だからと言ってあそこまでの働きができる兵士は そうそうおらんよ」

クロム「何が彼をあそこまで強くしたのかしらね?」

ホルン司令「私にはあのリートという娘が彼の大きな支えになっている気がするな」

クロム「あ、そうだ。リートといえば この間スティーアの兄さんから聞いたんだけど。彼女ロボットなんですって」

ホルン司令「ほぉ・・・・。」

ホルン司令「・・・マジで?」

クロム「マジで」


--------------------

35 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/10/29(火) 01:22:29.73 ID:k+BMzrzCP
18:00
運転手「それでは出します」

ホルン司令「うむ」

超高級そうな黒塗りのリムジンの中に俺とリート、
司令と指令の奥さんが乗っていた。

ホルン夫人「あら、きれいなドレスね」

リート「お昼に勇さんと選んできたんです」

楽しそうに談笑する二人

ホルン司令「のぉ、勇。あれ、いくらだった?」

勇「自分のと合わせて・・・ボソボソボソ・・・」

ホルン司令「それ選ぶ前に止めとくれよ・・・」

勇「申し訳ありません」

ホルン司令「まぁ・・・仕方ないか・・・」

ここだけの話、この衣装代を申請したところ 受理してもらえなかったので結局司令のポケットマネーからのお買い上げとなっていった

ホルン司令「ともかく、護衛任務と言っても形式だけだ。好きに飲んで食べればいい」

勇「・・・お気遣いありがとうございます」

ほどなくして車は超豪華な外観のパーティ会場へ着いた

念のため拳銃を腰にさしては居るが もし入り口で止められたら没収されてしまうかもしれない

などといろいろな不安が頭に浮かんだ

なにせ自分もこのような場所は初めてだから



37 :名も無き被検体774号+:2013/10/29(火) 07:40:11.26 ID:IDfM4ZdU0
>>1って息抜き話の入れ方が絶妙だよな

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42 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/10/30(水) 01:13:27.28 ID:/HCJFoLsP
会場内

勇「うわ・・・眩しい・・・」

リート「光度補正が追いつかないですね」

会場の中は夜なのに昼間よりも明るかった

周りには高そうな衣装に身を包んだ偉そうな人ばかりだ

ホルン司令「まぁ好きに楽しむといい」

リート「では早速!」

料理の並ぶテーブルに向かうリート

勇「一応任務なんだからな」

そう自分に言い聞かせながら遠目からホルン司令を護衛することにした

料理も豪華だったが余り口に合わずてか、携帯食料ばかりの生活のせいで舌が貧しくなっている

することも無いので隅っこで携帯端末から護衛マニュアルを読み返していた

「いかがですか?」

飲み物を配っている男が話かけて来た

勇「ど・・・どうも・・・」

正直いらなかったが緊張で断れずグラスを一つ受け取った



43 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/10/30(水) 01:21:23.02 ID:/HCJFoLsP
口をつけようとすると微かにアルコールの匂いがした

勇「・・・酒?」

酒など飲まないし、高級な酒などなおさら知らない
グラスを持ったまま立ち尽くしていると

「あなたおいくつ?」

今度は若い女が声をかけて来た

勇「え・・・?」

女「それはお酒です。未成年は飲めませんわ」

勇「え、ああ・・・そうですね・・・」

歴戦の兵士でも全く馴染みのないところに放り込まれれば子猫同然だな・・・と自分で思ってしまった

女がそっとグラスを受け取りさっきの男にグラスを戻し代わりに別のグラスを持ってきた

女「これなら大丈夫ですわ」

そう女は微笑んんだ

グラスを受け取る手が震えていて自分でも情けなくなった

女「もしかしてこういう場は苦手?」

見透かされていた

勇「・・・ええ。護衛として付いてきただけですので・・・」



44 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/10/30(水) 01:28:29.84 ID:/HCJFoLsP
女「あら、私もお父様に付いてきただけですわ。お揃いですね」

ふふふ、と笑う目の前の女の余裕さがすごく羨ましかった

女「私はティーナと言います。あなたは?」

勇「あ、天霧いしゃm・・・」

噛んだ・・・

全身が熱くなる

今までの一生で一番恥ずかしかった

ティーナ「緊張しなくても大丈夫ですわ。天霧さん」

勇「・・・・」

もしここが戦場なら迷わず自害を選ぶような状況だ

ティーナ「護衛・・・ということは警察の方?」

勇「い、いえ・・・軍人です。」

ティーナ「あら、そうでしたか」

何かしら反応する度に微笑む彼女が眩しくて直視できない

ティーナ「同年代の方にお会い出来て嬉しいですわ」

同年代・・・・



>>次のページへ続く
 
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