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「機械と少年」
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70 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/11/01(金) 01:13:39.48 ID:b+mMVxhIP
ティーナ父「お前は何が望みだ!?」

犯人「ふ、復讐だっ!!お前に切り捨てられて どん底に叩き落とされたこの屈辱!!」

どうやら犯人達はこの父親に恨みがあるらしい

ティーナ父「お前は・・・あの時の!」

父親のほうも思い出したようだ

犯人「家族も失い、家も金も食い物も失った!それなのに俺たちをここまで叩き落としたお前らはぬくぬくと(以下略

とりあえずめんどくさい事情があるようだ

ティーナ父「ならば私をその拳銃で狙えばいい。娘には関係のない事だ」

犯人「こいつも同罪だ!お前らには親子共々地獄まで付き合ってもらうぜ・・・!」

リート「どうしましょう・・・?」

勇「下手に撃てばティーナさんにも当たるかもしれない・・・」

リート「私なら・・・!」

勇「いや、殺してはだめだ」

リート「なんでですか?「

勇「あいつにも事情があるようだ。殺してはいけない」

リート「・・・わかりました。でも銃だけ狙うとなると攻めて銃をもっと人質から離した状態じゃないと・・・」

勇「・・・わかった。そこは俺が引き受ける。いけると思ったらいつでも撃て」

リート「なにするんですか?危ないですよ?」



71 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/11/01(金) 01:21:41.70 ID:b+mMVxhIP
勇「ティーナさんは諦めていない。軍人として彼女を救わなくては」

リート「むぅ・・・」

勇「どうした?」

リート「なんか・・・別にいいですけど・・・」

リートに拳銃を渡して犯人の前に出る

犯人「なんだお前は!!」

勇「天霧勇だ!!」

犯人「なまえのことじゃねぇよ!!」

勇「とっととその人を離せ!」

犯人「ふざけるな!これは復讐なんだ!」

勇「・・・ならばなぜ早く撃たない?」

犯人「・・・は?」

勇「話はだいたい聞かせてもらった。お前はこの男性とその人質を殺すためにこんなことをやっている」

ティーナ父「ちょ・・・挑発しては・・・」

勇「お前が撃てない理由はなんだ?怖いからか?」

犯人「な・・・なんだと!?」

勇「俺なら撃てる。」

犯人「ふ、ふざけるな!お、俺だって・・・!」

トリガーに指がかかる

勇「バカかお前は」

犯人「な!なんだと!?」

勇「ここで人質を撃ったらあの男性を撃つ前に取り押さえられるぞ。」

犯人「・・・そうだな」

ティーナ父「なんで犯人にアドバイスしとるんだ!!」



72 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/11/01(金) 01:29:48.14 ID:b+mMVxhIP
勇「だがお前はきっと撃てないだろうな」

犯人「なんだと・・・!」

勇「そのブサイクな顔を晒している時点で素人なのが丸わかりだ」

犯人「ぶ、ぶさっ!?」

勇「プロならば少なくとも顔は隠すだろう。さすがはブサイクだな」

犯人「んぎぎっ・・・!」

犯人が少しずつ怒り出した

勇「その人質も可哀想だ。ブサイクな顔が間近にあってさらに酷い口臭ときた」

犯人「ふ、ふざけるな・・・俺は口臭は臭くない!!」

食いついた

勇「ならば体臭か?この腐ったヤギみたいな臭いは」

犯人「こ、このやろぉ・・・!」

勇「おいブサイク!お前は腰抜けの家畜以下のゴミムシだ。人間に嫉妬してばかりのくっせぇくっせぇ蛆虫だ!」

犯人「ふざけるなぁぁぁ!!!俺はブサイクじゃねぇぇぇぇ!!!!」

銃口が俺に向いた

ダンッ!!

犯人の肘に銃弾が突き刺さる

引き金を引く前に肘を撃たれ犯人は銃を落とした



73 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/11/01(金) 01:40:21.80 ID:b+mMVxhIP
すかさず地面を蹴り犯人に突撃する

肘を抑えて呻く犯人の顎に膝蹴りを叩き込む

犯人「がっ・・・・!」

犯人は脳に衝撃が伝わり白目をむいて地面に倒れた

リート「子供みたいな挑発しか出来ないんですか!?」

勇「いや、すまない。これしか思い浮かばなかった」

ティーナは極度の緊張状態から抜け出しその場に座り込んでしまった

勇「怪我はないですか?」

ティーナ「は、はい・・・」

手を差し出し立たせる

そこにティーナの父親が駆け寄ってきた

ティーナ父「大丈夫だったか!?」

ティーナ「はい、でも少し怖かったです・・・」

ホルン司令「良くやったぞ勇!」

勇「いえ、今回はリートの射撃技術のおかげです」

リート「勇さんの挑発はまだまだでしたけどね。・・・でも良く犯人が撃ってきませんでしたね」

勇「こいつらは本当に素人なんだ。よっぽど恨みがあったんだろう」

取り押さえられた3人を眺めながら彼らも自分のために戦った事に対して攻める気にはならなかった

リート「こんな大都市にもああいう人もいるんですね・・・」

勇「あんなのはどこにでも居る。仕方のない事だ。ただ、あいつらは戦い方を間違えた」

リート「作戦が素人ってことですか?」

勇「いや、戦うにしても色々あったはずだ。奴らは暴力の道を取ったことが間違いなんだ」



74 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/11/01(金) 01:51:19.90 ID:b+mMVxhIP
リート「なんかあの人達をやけに擁護しますね」

勇「俺が武力で戦う以外に道を知らない人間だからな。」

リート「それってどういうことですか?」

勇「武力以外で戦える人が羨ましいって事かな。」

ティーナ・・・

彼女はきっと武力以外で戦える人なのだろう

俺とは全く正反対の彼女がこれからどう戦って行くのか

迎えの車に乗り込んで基地に帰ろうとした時

ティーナ「勇さん」

ティーナが声をかけてきた

勇「色々大変でしたね」

ティーナ「助けて頂いて・・・ありがとうございました」

勇「自分は護衛で来たましたので。仕事をこなしたまです」

ホルン司令を守るために脅威を排除した

結果ティーナが救えただけだとリートに言い訳したばかりだった

ティーナ「・・・また、お会い出来ますか?」

勇「・・・わかりません。自分はいつ死ぬかも分からない職業ですので」

ティーナ「・・・絶対に・・・また会いましょう」

ティーナが抱きつく

勇「・・・わかりました。いつかまた面白い話でも準備しておきます」

ティーナ「楽しみにしていますわ」

帰りの車の中で誰もティーナについて聞いては来なかった

俺も彼女とはもう二度と会うことはないと割り切るべきだと考えはあるのだが またいつか会いたいと思ってしまう自分は消えなかった


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