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「機械と少年」
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68 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/11/01(金) 00:57:38.57 ID:b+mMVxhIP
俺は咄嗟に拳銃を抜き構える
男は素人なのか銃を撃つまでに少しの葛藤があったようだ
その隙を見逃すわけにはいかない

ダンッ!!

銃声が会場に響く

男「ぐぅっ!!」

手の甲から血を流す男
男の銃声は発射されなかった
SPが男を取り押さえる
しかしまだ終わらなかった
別の位置にいた男がナイフを抜き男性に向かって突進する

勇「そいつを止めろ!!!」

しかしSPは殆ど先ほどの男を取り押さえる為に
動き男性を守っているSPは一人のみ
そのSPがまず刺された
そして血塗れのナイフが男性に向けられる

ここであの男に発砲したら
弾が貫通して男性にも当たってしまう



69 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/11/01(金) 01:04:39.79 ID:b+mMVxhIP
すると今度はリートがその男に向かって
なかなかに綺麗なハイキックを食らわせた

不意打ちと男が冷静さを欠いていたおかげで
ハイキックは男の鼻っ面に命中
男は鼻血を吹き出して倒れた

リート「や、やった!」

勇「よくやった!」

お互いカッツポーズで称え合う
更にもう一人拳銃を抜いた男が居たが慌てて逃げ出した
だが逃がしてはやらん!

勇「逃がすか!!」

会場の庭へ逃げた男は庭でたまたまそこにいた女性を人質にとった

犯人「く、くるなぁ!!」

相当パニックになっているようだ

勇「っ!ティーナさん・・・!」

ティーナ「勇さんっ!!」

人質はティーナだった
首を腕で後ろからロックされこめかみに
銃口を当てられている

男性「ティーナ・・・!」

ティーナ「お父様!」

さっき狙われたのはティーナの父親らしい



70 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/11/01(金) 01:13:39.48 ID:b+mMVxhIP
ティーナ父「お前は何が望みだ!?」

犯人「ふ、復讐だっ!!お前に切り捨てられて
   どん底に叩き落とされたこの屈辱!!」

どうやら犯人達はこの父親に恨みがあるらしい

ティーナ父「お前は・・・あの時の!」

父親のほうも思い出したようだ

犯人「家族も失い、家も金も食い物も失った!
   それなのに俺たちをここまで叩き落とした
   お前らはぬくぬくと(以下略

とりあえずめんどくさい事情があるようだ

ティーナ父「ならば私をその拳銃で狙えばいい。娘には関係のない事だ」

犯人「こいつも同罪だ!お前らには親子共々地獄まで付き合ってもらうぜ・・・!」

リート「どうしましょう・・・?」

勇「下手に撃てばティーナさんにも当たるかもしれない・・・」

リート「私なら・・・!」

勇「いや、殺してはだめだ」

リート「なんでですか?「

勇「あいつにも事情があるようだ。殺してはいけない」

リート「・・・わかりました。
    でも銃だけ狙うとなると攻めて銃をもっと人質から
    離した状態じゃないと・・・」

勇「・・・わかった。そこは俺が引き受ける。
  いけると思ったらいつでも撃て」

リート「なにするんですか?危ないですよ?」



71 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/11/01(金) 01:21:41.70 ID:b+mMVxhIP
勇「ティーナさんは諦めていない。軍人として彼女を救わなくては」

リート「むぅ・・・」

勇「どうした?」

リート「なんか・・・別にいいですけど・・・」

リートに拳銃を渡して犯人の前に出る

犯人「なんだお前は!!」

勇「天霧勇だ!!」

犯人「なまえのことじゃねぇよ!!」

勇「とっととその人を離せ!」

犯人「ふざけるな!これは復讐なんだ!」

勇「・・・ならばなぜ早く撃たない?」

犯人「・・・は?」

勇「話はだいたい聞かせてもらった。
  お前はこの男性とその人質を殺すためにこんなことをやっている」

ティーナ父「ちょ・・・挑発しては・・・」

勇「お前が撃てない理由はなんだ?怖いからか?」

犯人「な・・・なんだと!?」

勇「俺なら撃てる。」

犯人「ふ、ふざけるな!お、俺だって・・・!」

トリガーに指がかかる

勇「バカかお前は」

犯人「な!なんだと!?」

勇「ここで人質を撃ったらあの男性を撃つ前に取り押さえられるぞ。」

犯人「・・・そうだな」

ティーナ父「なんで犯人にアドバイスしとるんだ!!」



72 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/11/01(金) 01:29:48.14 ID:b+mMVxhIP
勇「だがお前はきっと撃てないだろうな」

犯人「なんだと・・・!」

勇「そのブサイクな顔を晒している時点で素人なのが丸わかりだ」

犯人「ぶ、ぶさっ!?」

勇「プロならば少なくとも顔は隠すだろう。さすがはブサイクだな」

犯人「んぎぎっ・・・!」

犯人が少しずつ怒り出した

勇「その人質も可哀想だ。ブサイクな顔が間近にあってさらに酷い口臭ときた」

犯人「ふ、ふざけるな・・・俺は口臭は臭くない!!」

食いついた

勇「ならば体臭か?この腐ったヤギみたいな臭いは」

犯人「こ、このやろぉ・・・!」

勇「おいブサイク!お前は腰抜けの家畜以下のゴミムシだ。
  人間に嫉妬してばかりのくっせぇくっせぇ蛆虫だ!」

犯人「ふざけるなぁぁぁ!!!俺はブサイクじゃねぇぇぇぇ!!!!」


銃口が俺に向いた
ダンッ!!
犯人の肘に銃弾が突き刺さる
引き金を引く前に肘を撃たれ犯人は銃を落とした



73 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/11/01(金) 01:40:21.80 ID:b+mMVxhIP
すかさず地面を蹴り犯人に突撃する
肘を抑えて呻く犯人の顎に膝蹴りを叩き込む

犯人「がっ・・・・!」

犯人は脳に衝撃が伝わり白目をむいて地面に倒れた

リート「子供みたいな挑発しか出来ないんですか!?」

勇「いや、すまない。これしか思い浮かばなかった」

ティーナは極度の緊張状態から抜け出しその場に座り込んでしまった

勇「怪我はないですか?」

ティーナ「は、はい・・・」

手を差し出し立たせる
そこにティーナの父親が駆け寄ってきた

ティーナ父「大丈夫だったか!?」

ティーナ「はい、でも少し怖かったです・・・」

ホルン司令「良くやったぞ勇!」

勇「いえ、今回はリートの射撃技術のおかげです」

リート「勇さんの挑発はまだまだでしたけどね。
    ・・・でも良く犯人が撃ってきませんでしたね」

勇「こいつらは本当に素人なんだ。よっぽど恨みがあったんだろう」

取り押さえられた3人を眺めながら彼らも
自分のために戦った事に対して攻める気にはならなかった

リート「こんな大都市にもああいう人もいるんですね・・・」

勇「あんなのはどこにでも居る。仕方のない事だ。
  ただ、あいつらは戦い方を間違えた」

リート「作戦が素人ってことですか?」

勇「いや、戦うにしても色々あったはずだ。
  奴らは暴力の道を取ったことが間違いなんだ」



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