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「機械と少年」
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180 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/11/11(月) 01:18:34.80 ID:zn3e0b5xP
ゴート「本当にお粗末な作戦だが・・・成功率は高い」

ミーラ「何せ敵の腹ん中に味方がいるんじゃぁ・・・ねぇ」

勇「本当に本部と戦うのですか?」

ゴート「今更怖気づいたか?」

勇「いえ、しかし本部を攻撃してヴィブロニア側を上手く追い出したとしても
  本部の崩壊は・・・」

グローア「そんな事は既に解決済みだ」

勇「え?」

ミーラ「そこんとこのために私とガイウスが居たのよ。
    本部はヴァーミリオンが完全支配する形で
    しっかりやっていくわ」

ガイウス「・・・結局は人間同士の戦いの延長・・・
     戦っているのはヴィブロニアとヴァーミリオン」


そうか・・・
すっかり俺は機械軍が誕生する前の戦争は終わった物だと思っていた
そうじゃないんだ
この機械と人間の戦争は『機械を操る人間』との戦いだったんだ
リートが昔言っていた・・・
リート『機械は使ってくれる人に逆らう事は出来ません・・・』
人が使うから機械が戦うということだったのか

勇「・・・戦うしかない。相手が人間だろうと機械だろうと!」





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181 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/11/11(月) 01:25:29.43 ID:zn3e0b5xP
その夜

未だに謎のままな事がある
ADAMの存在だ
確かにADAMは人間を攻撃して来た
それはヴァーミリオンもヴィブロニアも関係ない無差別な行為だ
それなのにその裏にはヴィブロニアの影が?

勇「・・・敵って誰だよ・・・」

ADAMの話が作り話ならばそれで解決する

しかしここまで 作り話が広まるか?
だが実際俺はADAMを見たことがない
機械軍には本拠地があるらしいが そこにあるのだろうか?
ロボットとして?
コンピュータとして?
もしかして既に老朽化で壊れているかもしれない

勇「・・・分からん」

リート「さっきから何をブツブツ言ってるんですか?」

向かいのベッドからリートがこちらを見ている

勇「人間にはこうやって悩む時間も大事なんだ。」

リート「悩みがあるんですか?」

勇「そりゃ人間だからな。・・・お前はそういうの無いのか?」

リート「悩み・・・ですか?」

勇「そうだ」

リート「ん〜・・・あります・・・ね」

勇「何だ?言ってみろ」

リート「言いませんよ!悩みですもん!」

勇「俺に話せば俺が的確なアドバイスをしてやることができるかもしれないぞ」



182 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/11/11(月) 01:29:24.40 ID:zn3e0b5xP
リート「絶対ないです!・・・むしろニカさんに聞いてもらった方がいいです!」

勇「あぁ・・・ニカか。そういやぁ会ってないな」

リート「まぁ今日戻ったばかりですからね」

勇「明日久々に顔を合わせに行こう。」

リート「むぅ・・・なんでそんなにニカさんだけは特別なんですかぁ?」

勇「と言ってもいろんな奴に会ってるから優先順位はかなり低いぞ。」

リート「そうですか・・・」

勇「お前こそどうした?ニカには会いたくないか?」

リート「そんなことないです」




183 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/11/11(月) 01:39:18.01 ID:zn3e0b5xP
翌日

勇「辞めた?」

整備女子「ええ、ニカちゃんなら勇さんが旅立った後に辞めましたよ」

リート「どうして!?」

整備女子「なんか心折れちゃったっていうか・・・」

勇「あの襲撃があったからか?」

整備女子「さぁ・・・?怪我は対したこと無かったらしいですけどね・・・」

リート「びっくりです・・・」

勇「まぁ・・・そういうことはないではない」

つまり良くある事だ
心が折れた戦士は戦士で無くなる

整備女子「連絡先なら知ってますけど・・・」

勇「いや、いい。ありがとう」

そう言い残して自室に戻った

リート「いいんですか?」

勇「連絡先か?」

リート「待ってますよ。ニカさん」

勇「待ってない。何せ戦場が怖くなってしまった奴が
  戦場にいる奴の声を聞きたいと思うか?」

リート「・・・・」

勇「もう戦場から解放してやるのが一番だ」

リート「勇さんも解放されたいですか・・・?」

勇「誰だってそうだろう。死と隣り合わせは嫌だろう」



184 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/11/11(月) 01:43:10.97 ID:zn3e0b5xP
リート「今だから言います・・・」

勇「何がだ?」

リート「あ・・・でも言わない方がいいかな・・・?」

勇「だから何が?」

リート「ニカさんは・・・」

勇「ニカは?」

リート「・・・勇さんが好きでした」

勇「・・・」

予想外とは まさにこの事だ
予想外が戦場で起きれば最悪死ぬ

勇「・・・そうか」

リート「・・・」

勇「・・・それでも奴に合うことも話すことも出来ない。
  出来れば戦争そのものを俺や戦争に関しての記憶全て忘れてもらいたいくらいだ」

リート「勇さん・・・」

勇「俺も戦争が終わったらそうしたい。いや、そうする。」

終わらない気がするが・・・




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191 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/11/12(火) 01:02:34.50 ID:f8GWKAVFP
数日後

勇「盗賊の駆逐?」

グローア「ああ、こんな時だが、こんな時こそ仕事をしてもらいたい」

ゴート「それは問題ありませんが・・・」

今司令室には司令と俺とゴートしかいない
というより呼ばれていない

勇「で・・・俺はどうして呼ばれたんです?」

グローア「今回の盗賊、どうやらVT2を所持しているらしい」

勇「その盗賊って・・・」

レイトだ

グローア「いくらこちらが正規軍でもVT2は荷が重い。
     そこでVT2は君になんとかしてもらいたい」

勇「奴はどうしてここまで?随分と長い距離移動してますけど・・・」

グローア「そんな事は本人に聞いてくれ」

そりゃそうだ

ゴート「では、作戦は全て・・・

グローア「任せる。」

ゴート「了解しました」

司令室を出てからも少し何かが引っかかっていた




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>>次のページへ続く
 
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