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バイト帰りに出会った女子高生との数年間の話
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61 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/09(金) 22:22:21.89 ID:V7RNIziR.net
そんな風に考えていると白石の足音が聞こえ、俺の前まで来てから止まる。
そのまま少しの間を置いて柔らかな感触に包まれる。
気付いたら、白石に抱きしめられていた。
俯いて泣いたからだろうか、頭をそのまま胸元の方に引き寄せられて抱きしめられる。
「し、白石・・・」
「いいから、じっと、して・・・」
「・・・」
抱きしめられたまま後頭部を撫でられる。顔の位置は左右の胸の間。
「辛かったら、吐き出していいから、お兄さん。無理しちゃだめだよ?」
優しく、諭すように、言い聞かせるように、白石は俺に対して話しかける。
「大丈夫、大丈夫。嫌なことも、大変なこともいっぱいあるから、ゆっくり行こう?ね?」
「うぅ・・・ふ、ぅ・・・」
白石の言葉で閉めたはずの涙腺がまた緩み始める。白石の体に行き場のなかった腕が抱き着く。
傍から見たら男の俺がみっともなく一回りも二回りも小さい女の子に泣きついてるようだっただろうが白石は何も言わずに、優しく、ただ優しく頭を撫で続けてくれた。
62 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/09(金) 22:25:18.46 ID:V7RNIziR.net
「「・・・・・・」」
10分ほど経った。
流石に泣き止んだ。
泣き止んだのは良いのだが、俺も白石も完全に離れるタイミングを失ってしまった。
(しかも・・・)
位置が悪い。いや、ある意味では最高のポジションと言えるかもしれないが、こう、意識しないでいるのが難しい位置であるのは言うに及ばない。
JKの谷間である。更に始末に悪いのは発育もいいことである。
しかも先程まで そこで泣いていたのかとか未だに抱き着いたままだとか思ってグルグルと思考が渦になっていく。
薄手のTシャツ一枚の下の下着の感触まで感じる。いやに時計の秒針が大きく聞こえる。互いの鼓動が、互いの吐息が聞こえる。
「・・・ごめん、白石、もう大丈夫・・・」
「うん・・・」
辛うじてでたかすれ声で白石がゆっくりと離れる。
そんな風に考えていると白石の足音が聞こえ、俺の前まで来てから止まる。
そのまま少しの間を置いて柔らかな感触に包まれる。
気付いたら、白石に抱きしめられていた。
俯いて泣いたからだろうか、頭をそのまま胸元の方に引き寄せられて抱きしめられる。
「し、白石・・・」
「いいから、じっと、して・・・」
「・・・」
抱きしめられたまま後頭部を撫でられる。顔の位置は左右の胸の間。
「辛かったら、吐き出していいから、お兄さん。無理しちゃだめだよ?」
優しく、諭すように、言い聞かせるように、白石は俺に対して話しかける。
「大丈夫、大丈夫。嫌なことも、大変なこともいっぱいあるから、ゆっくり行こう?ね?」
「うぅ・・・ふ、ぅ・・・」
白石の言葉で閉めたはずの涙腺がまた緩み始める。白石の体に行き場のなかった腕が抱き着く。
傍から見たら男の俺がみっともなく一回りも二回りも小さい女の子に泣きついてるようだっただろうが白石は何も言わずに、優しく、ただ優しく頭を撫で続けてくれた。
62 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/09(金) 22:25:18.46 ID:V7RNIziR.net
「「・・・・・・」」
10分ほど経った。
流石に泣き止んだ。
泣き止んだのは良いのだが、俺も白石も完全に離れるタイミングを失ってしまった。
(しかも・・・)
位置が悪い。いや、ある意味では最高のポジションと言えるかもしれないが、こう、意識しないでいるのが難しい位置であるのは言うに及ばない。
JKの谷間である。更に始末に悪いのは発育もいいことである。
しかも先程まで そこで泣いていたのかとか未だに抱き着いたままだとか思ってグルグルと思考が渦になっていく。
薄手のTシャツ一枚の下の下着の感触まで感じる。いやに時計の秒針が大きく聞こえる。互いの鼓動が、互いの吐息が聞こえる。
「・・・ごめん、白石、もう大丈夫・・・」
「うん・・・」
辛うじてでたかすれ声で白石がゆっくりと離れる。
64 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/09(金) 22:28:20.78 ID:V7RNIziR.net
「その・・・迷惑かけた・・・」
「うん。大丈夫。また辛くなったら言ってね?その時はお兄さんの泣き顔じっくり見てあげるからww」
「バーカww・・・ごめん、それと、ありがとう・・・」
「・・・うん。」
今まで見た中でも一番優しい笑顔が俺に向けられていた。
「えーと・・・と、とりあえず晩御飯作っちゃうね?おかゆでいい?食欲ある?」
白石が聞くと俺が答える前に台所に向かう。まだ若干顔が上気しているのが分かる。
そりゃ冷静になってみると ちょっと、というかかなり恥ずかしいが。
「あ、ああ・・・」
聞いてもいないだろうが返答をする。
再び台所に立って作業をし始める白石。
「その・・・リンゴでもつまんで待ってってよ。」
そういう白石は顔を背けて俺に見られないようにしていたが耳まで赤かった。
「・・・ん」
バツが悪い空気のまま時間が進む。口の中で崩れていくリンゴの味が分からなかった。
65 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/09(金) 22:30:42.76 ID:V7RNIziR.net
「ごめんお兄さん。用事あるんだ。」
おかゆを作り終わった直後に白石は顔を赤らめながらすぐに帰って行った。
部屋に残ったのは ほとんど入れ替わりに入ってきた医学生と病人の二人だけだった。
「で、よかったのか?白石ちゃん帰して?」
「別に・・・何もする気無かったし・・・」
「疚しいことが何もなかったと?」
「・・・」
返答も出来なくて押し黙る。
「ったく心配になってきてみたら・・・」
「・・・すまん」
「まあいい。だが しばらくは白石ちゃんと無理に時間作って会うの控えろよ?それで期末落としたなんて白石ちゃんにも気使わせることになるぞ?」
「ん・・すまん・・・迷惑かける・・・」
「お互いそれは言いっこなしだろ?まあいいや、洗い物やっておくから薬飲んで寝てろ。」
「ん、ありがと・・・」
「貸し一な。」
小さく笑う伊達の顔を見れなかった。見たら涙腺が緩んでいる今だと感極まりそうな気がした。
66 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/09(金) 22:33:05.63 ID:V7RNIziR.net
そこからの二週間弱、八月上旬までは伊達の言った通りほとんど白石の所には行かなかった。また面倒をかけるのは流石に憚られた。
行ったとすれば二日で治った風邪の報告の一度ぐらいである。
最も、試験が迫ってきたのでバイトを休むと白石には言ってあったから帰りにフラッと立ち寄ることも無くなったというのも要因として大きかった。
「試験終わって余裕出来たらまた来るよ。」
「ホント?お兄さんいないと観客ゼロだからさ。来る意味無くなっちゃうよww」
「また来るってww」
「約束ね?」
白石が右手の小指を出してきた。
「・・・ん、」
まさか高校卒業してから女子高生と指切りなんてするとおもっていなくって、幾分か気恥ずかしさと照れくささと、それを微かに上回る喜びを感じながら期末試験が終わるまで白石に短いながら別れを告げた。
67 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/09(金) 22:35:39.83 ID:V7RNIziR.net
人間、漫然と生きていると一日って言うものは意外と短かったりするものだが二週間っていうのは中々長かったりするものだったりする。
「試験長ぇよ〜・・・」
学食で伊達に数学を教わりながらぼやく。
「まぁ、お前からしたら心のオアシスから離れた様なもんだからな・・・」
「それは・・・」
「違うのか?」
違うとは とても言えなかった。
「俺って もしかして分かりやすい・・・?」
「何だ?今更か?ww」
「・・・聞くんじゃなかった・・・」
ため息交じりに机に突っ伏す。
「まあ、そこも含めてお前の魅力じゃないか?wwあんまり凹むなよww」
「・・・」
何も言えずに黙っていると伊達がまた言葉を続けた。
「しかし、いい機会だったんじゃないか?ちょっと白石ちゃんから距離取れて。」
「…どういう意味で?」
「ああ、深読みすんなよ?単純にさ、少し離れてみると大切なものの大切さに気付くって話よww」
「・・・三日でもう分かったっての・・・」
顔を背けながら言うと伊達が小さく笑った気がした。
68 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/09(金) 22:38:49.82 ID:V7RNIziR.net
自分はそれなりに我慢ができる人間だと思っていた。
色々なものに妥協もしてきたし、20年も生きていれば全てといわないまでもある程度自分という人間がどういう奴か位は理解していると思っていた。
だからまぁ、誰かを好きになったことはあっても本気で一人の女の子が気にかかるという事態が今まで無かったんだと気づいて、白石に対しての自分の感情というものは分かってたけれど、自覚すると関係が変わってしまいそうな気がして気づかないフリをしていたのにも理解しながら意識しないようにしていた。
「はぁ・・・」
どうにもならないのにため息をつく。
「とりあえず試験でヘマやらかさないようにしろよ?白石ちゃんから離れた意味無くなっちまうぞ?ww」
「う〜・・・」
「なんていうか…お前女子だったらモテただろうなぁ・・・ww」
「気味の悪い話するなよ・・・コーヒー買ってくるけどいるか?」
「ん、ブラックで。」
とりあえず外に出て気持ちを入れ替えよう。そうでなければ伊達の言った通り意味がなくなってしまう
69 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/09(金) 22:41:06.77 ID:V7RNIziR.net
八月に入って数日たった。
俺の人生の中でも指折りで長い二週間がようやく終わったのだ。
大学は日程上金曜まであったが、火曜の2コマが俺の前期の最期の試験だった。
幾つかレポートが残っていたが徹夜続きからの解放で俺は若干テンションが上がっていた。
だからだろう。
「そうだな・・・白石誘ってどっか行こうかな?」
いつもの中々に奥手な感じは どこへ行ったのか。らしくもない考えが浮かんだ。
これまたいつもからは考えられないような感じで思い立ってすぐにケータイで白石に電話をかけた。
二週間弱ぶりに声を聞くと思うと小さく胸が高鳴った。
前もってメールくらいすれば良かったなんて考えながらコール音を聞いていると七、八回目辺りでそれが切れた。
『はい・・・白石です・・・』
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