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バイトに出逢いなんてある訳ない
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70 :名も無き被検体774号+:2014/01/13(月) 02:03:27.40 ID:OxWQmhzkP
悠人「古い・・・って感じかな」

舞「そっかぁ〜。大変だったね」

よしよしと背中を撫でる舞


悠人「それが普通だと案外そんなに苦じゃないからさ」

舞「うちの弟はずっとテレビとゲームばっかり。わたしの言うこと全然聞かないんだから」

悠人「ははは、なんか三木さんの方こそ苦労してる感じがする」

舞「もう、お父さんも『ダメだぞー』って軽くしか怒ってくれないし〜!」

悠人(ずっと不思議だったけど三木さんが ここのおばさん連中と仲がいいのって母親っぽいからなのかな?)

舞「折角作ったご飯も苦手なもの残すし!」

悠人「あ、料理も三木さんが?」

舞「うちお母さん居ないからさ。家事全般はわたしが」

悠人「大変だね」

舞「ほんっと!あ〜、わたしも ゆーちゃんみたいに一人暮らししたい〜!」

悠人「一人暮らしも それなりに辛いけどね」

舞「たとえば?」

悠人「・・・寂しい・・・とか?」

舞「あれぇ〜?ゆーちゃんって意外と寂しがり屋さん?」



71 :名も無き被検体774号+:2014/01/13(月) 02:09:55.68 ID:OxWQmhzkP
悠人「そんなんじゃ・・・ないと・・・思うけど」

舞「自信なさそ〜」

悠人「極限まで静かだと耳鳴りがするんだ」

舞「テレビとか つければいいじゃん」

悠人「テレビかぁ・・・」

舞「バイト代、ここ結構時給いいからすぐ買えるんじゃない?」

悠人「そうだね」


本気で買おうか迷っていると


店長「あなた達、時間いいの?」

時計を見ると もう10時を過ぎていた


悠人「あ、もう一時間もここにいたのか」

舞「いっけない!早く帰らないと お父さんが心配する!」

悠人「門限とかあるの?」

舞「特に無いけど あまり遅いと・・・やっばぁ、着信気がつかなかった」


すぐに電話をかける舞


舞「うん、大丈夫。ちょっとバイト先で話し込んじゃって・・・いいよ、バイトの人と一緒に帰るから。・・・え?男の人だけど?」

やっぱり かなり心配していたようだ



72 :名も無き被検体774号+:2014/01/13(月) 02:15:40.78 ID:OxWQmhzkP
舞「だ、大丈夫だって!いい人だから!え・・・?」

チラッとこっちを振り返る舞


舞「大丈夫!そんな事しない人だと思う。」

店長「なんか言われてるわね〜」

悠人「みたいですね」

舞「え?いいって!やめてよ!・・・えー・・・分かったよぉ・・・」


舞は俺に携帯を差し出して


舞「お父さんが話させろって・・・ごめんね。適当でいいから・・・」

悠人「わ、わかった・・・」


電話を受け取り・・・


悠人「も、もしもし・・・」

舞父『お前が舞のバイト仲間か?』

悠人「は、はい・・・」


舞父『歳は?』

悠人「三木さ・・・舞さんと同い年です。学校も一緒です」


舞父『お前は舞の彼氏なのか!?』

悠人「ち、違いますっ!!断じて!!」


舞父『本当か!?』

悠人「本当です!!」


舞父『なぜだ!?』

悠人「な、なぜ!?」


やばい、だんだん会話になってきてない



73 :名も無き被検体774号+:2014/01/13(月) 02:21:19.21 ID:OxWQmhzkP
舞「もう!貸して!」


携帯を俺から奪い取って・・・


舞「大丈夫ったら大丈夫!!ゆーちゃんは紳士だから安心して!」

舞父『紳士って変態って意味のしんs』ブチッ!


電話を一方的に切ってしまった


悠人「だ・・・大丈夫?」

舞「もう!しつこいんだから!!」

舞がカバンを持って俺の手を掴んだ


舞「行こ!」

悠人「あ、うん・・・。お疲れでした・・・」

店長「はいはい・・・気を付けて・・・」


ズンズンと歩いていく舞に腕を引かれながら外に出た


舞「いっつも ああやって過剰に心配しちゃってさ!」

悠人「それだけ三木さんが心配なんだよ」

舞「それでも限度ってもんがあるでしょ!」


悠人「あははは・・・」

舞「あとさ・・・」


急に声が小さくなる舞


舞「さっきの電話みたいにしたの名前で呼んでくれない?」

悠人「・・・え?」



74 :名も無き被検体774号+:2014/01/13(月) 02:26:54.44 ID:OxWQmhzkP
舞「わたしばっかり ゆーちゃんって下の名前じゃん?ゆーちゃんもわたしのこと舞ちゃんって・・・」

悠人「まった!・・・それはハードルが高過ぎる!」

舞「そんな事ないよ〜」

悠人「せめてバイトのみんなと同じようにミキちゃんで」

舞「バイトの時はそれでいいけど折角友達なんだからさ〜」

悠人「と・・・友達・・・」


なんだろう・・・

その言葉を聞いた途端に嬉しさがこみ上げてきた


悠人「友達・・・」

舞「そ!友達なんだからさ!」


悠人「でも、やっぱり呼びづらいよ」

舞「え〜・・・じゃぁ・・・ミキちゃんでいいや」


悠人「そうしてくれ」

舞「その代わり学校でもゆーちゃんって呼んでいい?」

悠人「それはだめ」


舞「だって永久崎くんってなんか硬いし」

悠人「そんなこないでしょ」





>>次のページへ続く
 
カテゴリー:読み物  |  タグ:青春, 胸キュン, ほのぼの,
 


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