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ドッペルゲンガーと人生を交換した話
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138 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 22:07:55.34 ID:EjVEnkhT.net
「ねぇ、覚えてるでしょ、私の名前。クリスティーナ。
あの日、私はあんたのおかげで、この名前をまた好きになることができた。
それは、あんただからできたこと、あんたにしかできなかったこと。
だからあんたは、絶対にコピーなんかじゃない」
「七瀬……」
忘れるわけがない。
俺と七瀬をつなげてくれた名前。
139 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 22:08:18.25 ID:EjVEnkhT.net
「いやー面白いですね。クリスティーナ、そんな名前でしたね。僕も呼びますよ、クリスティーナ」
椿が笑いながら言った。
「違う、貴方じゃない。この名前を好きにさせてくれたのは、貴方じゃない。好きにさせてくれたのは柊 京介よ」
「だから、言ってるでしょ。僕も柊 京介だったんですよ。いや、僕が柊 京介なんだ。そいつはただのコピーだ」
「違う、コピーなんかじゃない。私にとっての柊 京介は貴方じゃない」
140 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 22:09:00.92 ID:EjVEnkhT.net
「そうですか、わかりました。じゃあ、ゲームをしましょうか」
「ゲームだと、この状況でお前はふざけてるのか」
何を言っているんだこいつは、わけがわからなくて、つい聞き返してしまった。
「いえ、真剣ですよ。ふざけるわけがないでしょう。僕は今、ムカついているんですよ。僕の席にお前が座っていることが。許せない。
だからゲームをするんだよ。僕かお前か、どっちが柊 京介かを決めるゲームを」
その声は俺が聞いてきた中で一番真剣で、一番怒りがこもった声だった。
141 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 22:10:02.69 ID:EjVEnkhT.net
「ちょうどいいことに、今、僕と貴方の格好は一緒です。制服のワイシャツもズボンも僕達のは完全に同じだ。だから七瀬さんに決めてもらいましょう。どっちが柊 京介か」
「どうやって?」
椿が何をしたいのかがわからなかった。
「ねぇ、覚えてるでしょ、私の名前。クリスティーナ。
あの日、私はあんたのおかげで、この名前をまた好きになることができた。
それは、あんただからできたこと、あんたにしかできなかったこと。
だからあんたは、絶対にコピーなんかじゃない」
「七瀬……」
忘れるわけがない。
俺と七瀬をつなげてくれた名前。
139 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 22:08:18.25 ID:EjVEnkhT.net
「いやー面白いですね。クリスティーナ、そんな名前でしたね。僕も呼びますよ、クリスティーナ」
椿が笑いながら言った。
「違う、貴方じゃない。この名前を好きにさせてくれたのは、貴方じゃない。好きにさせてくれたのは柊 京介よ」
「だから、言ってるでしょ。僕も柊 京介だったんですよ。いや、僕が柊 京介なんだ。そいつはただのコピーだ」
「違う、コピーなんかじゃない。私にとっての柊 京介は貴方じゃない」
140 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 22:09:00.92 ID:EjVEnkhT.net
「そうですか、わかりました。じゃあ、ゲームをしましょうか」
「ゲームだと、この状況でお前はふざけてるのか」
何を言っているんだこいつは、わけがわからなくて、つい聞き返してしまった。
「いえ、真剣ですよ。ふざけるわけがないでしょう。僕は今、ムカついているんですよ。僕の席にお前が座っていることが。許せない。
だからゲームをするんだよ。僕かお前か、どっちが柊 京介かを決めるゲームを」
その声は俺が聞いてきた中で一番真剣で、一番怒りがこもった声だった。
141 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 22:10:02.69 ID:EjVEnkhT.net
「ちょうどいいことに、今、僕と貴方の格好は一緒です。制服のワイシャツもズボンも僕達のは完全に同じだ。だから七瀬さんに決めてもらいましょう。どっちが柊 京介か」
「どうやって?」
椿が何をしたいのかがわからなかった。
142 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 22:10:46.40 ID:EjVEnkhT.net
「簡単なことですよ。今から五回連続、七瀬さんにはどっちが貴方かを当ててもらいます。もちろん一言も喋らずに、見た目だけで。できますよね、こいつが柊 京介だと言うのなら」
そんなのできるわけがない。俺達の見た目は完全に一緒だ。それを見分けるなんて不可能だ。
「いいよ」
七瀬は涼しそうにそう言った。
143 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 22:11:05.75 ID:EjVEnkhT.net
「なっ……」
「じゃあ始めましょうか」
「待て! できるわけがないだろう、そんなこと。無理に決まってる」
「柊、信じて私を。私はわかる、絶対に」
七瀬は俺の目を真っ直ぐ見て、そう言った。
そんな目で見られたら、言い返すことはできない。
144 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 22:11:33.45 ID:EjVEnkhT.net
でも……それでも七瀬にそんなことをさせたくはなかった。だから俺は止めるように声を出した。
「でも……」
「大丈夫だから、ね」
七瀬にそんな顔をされたら、了承するしかなかった。
「わかった」
「決まりですね、じゃあ、少し後ろを向いていてください」
そう言われて、七瀬は後ろを向いた。
145 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 22:11:56.72 ID:EjVEnkhT.net
「じゃあ始めましょうか」
俺達は横並びになった。どっからどう見ても、同じ人間が二人いるようにしか見えないだろう。これを見分けるなんて……
「右」
七瀬は振り向いてすぐにそう言った。正解だった。
146 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 22:12:21.14 ID:EjVEnkhT.net
「当たりですね。まぁ、一回目ですからね。じゃあ、もう一度後ろを向いてください」
椿は飄々とした顔でそう言った。
そうだ、まだ一回目だ。
でも今ので俺の心はもう決まっていた。七瀬が俺に信じてと言ったんだ。それなら俺はただ七瀬を信じるだけだ。たとえ結果がどうなろうと。
147 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 22:12:45.68 ID:EjVEnkhT.net
「じゃあ二回目、どうぞ」
「右」
また即答だった。正解だ。
「当たりです。偶然ってすごいですね。それでは、また後ろを向いてください」
椿の顔にはまだ余裕が感じられた。
148 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 22:13:36.49 ID:EjVEnkhT.net
「三回目、どうぞ」
「左」
「なっ……」
椿の顔に焦りが見え始めていた。
「その反応ってことは、正解みたいね。じゃあ次やりましょう」
七瀬はいつも通りの表情で余裕を持っていた。
「くっ……」
反面、椿にはもう余裕はなさそうだった。
149 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 22:14:00.73 ID:EjVEnkhT.net
「四回目、どうぞ」
「右」
また正解だ。七瀬は本当に俺がどっちだかわかるのか?どうして?
「…………」
椿はもう何も言えないようだった。
「正解みたいね。じゃあ最後やりましょうか」
そう言って七瀬は後ろを向いた。
150 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 22:15:07.28 ID:EjVEnkhT.net
「五回目、どうぞ」
椿の声は震えていた。
七瀬は振り向くと、少しの間、黙って動かなかった。やっぱり、わからないのだろうか。
俺がそんな風に思っていると、七瀬は前に進んできた。
151 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 22:15:36.74 ID:EjVEnkhT.net
そして、俺達の目の前までくると、少し止まって、そのあと、俺にキスをした。
152 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 22:16:31.12 ID:EjVEnkhT.net
時間が止まっているようだった。
一秒が無限に感じられた。
153 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 22:16:48.58 ID:7aNrB6uZ.net
はよ
154 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 22:16:49.54 ID:EjVEnkhT.net
「なっ、どうして、なんでわかった」
椿が焦りを隠さない声で、叫んでいるのが聞こえた。
「私の勝ちみたいね。だから言ったでしょわかるって」
七瀬は俺から離れると、まるで当然の結果のようにそう言った。
155 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 22:17:25.64 ID:EjVEnkhT.net
「なんで、わかるはずがない、どっからどう見ても一緒のはずだ」
椿が叫ぶ。
「違う、一緒じゃない。この世に柊 京介は一人しかいない。わからないわけがない。ちょっと顔が似ているくらいで、わからなくなるわけないでしょ。優しくていつも私を助けてくれる、私が大好きな柊 京介はあんたよ」
俺の方を見て、七瀬はしっかりとした声で言った。
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