バイト帰りに出会った女子高生との数年間の話
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264 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 21:36:34.29 ID:Q5UKg1qg.net
「・・・察してくれ・・・」
「言ってくれないと分かんないなぁ?ww」
豆電球の薄明かりの中でも分かる。いつものように口の端に笑みを浮かべて俺を見る白石。
「・・・言わせたいだけだろ?ww」
「さっきのお返しww」
二人で笑いあって、どちらが言うともなく近づいて唇だけ合わせてキスをする。
「・・・寝るか・・・」
「・・・うん・・・」
そういって白石が更に俺の方によって来るとそのまま抱き枕のごとく俺に抱き着く。
「ちょ!?」
「んー?いいじゃん。私こうしてた方が落ち着くんだよねーww」
・・・当たってるんですがそれは・・・
「お兄さん暖かい・・・体にヒーターでも入ってるの?w」
「単純に緊張してるからこれ以上俺をからかうな・・・いや、ホントマジで。余裕ない。」
「はいはいwwこのくらいで勘弁してあげるよw」
二人の声が消える。
265 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 21:39:34.82 ID:Q5UKg1qg.net
「ねぇ、お兄さん・・・」
「ん?」
「・・・ごめん、何でもないや・・・」
「・・・ん」
白石が考えて言ってこない以上はそれがこたえだろう。聞きたい気持ちを押し殺して眼を閉じる。
腕の中の白石の体温がより鮮明に感じられる。柔らかい。
ちょうど俺の顔の近くに白石の頭が来ている。すげーいい匂い。シャンプーとかかな?
眠ろうと考えて呼吸をしているのに白石の方に意識が行ってしまって中々寝付けない。瞼を開けてみる。
オレンジ色の薄明りの中、白石はというと、
「・・・すぅ、すぅ・・・」
まさしく穏やかと言った具合に早くも寝付いてしまった。心の中で寝落ちかよと小さく笑う。
しかし、「・・・何ていうか・・・」子供みたいだ。よく食べて、表情豊かに笑ってはしゃいで、かと思いきや甘えて来たり拗ねてみたり、疲れたらすぐ眠る。
まぁ・・・こういった裏表のなさが好きなんだろうけれど、
266 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 21:41:43.38 ID:Q5UKg1qg.net
「・・・いつまでこうしていられるかな・・・」
考えたことがふと口をついていた。
時間的にではなく、将来的に。
結構本気で白石が幸せになって欲しいとは思っている。
でも、仮に俺じゃなくて横に立っているのが伊達とかだったら俺はなんて思って、何て言うんだろう。
いや、止めよう。考えてもしょうがない。そうなったらそうなったときである。
瞳を閉じて深く息を吸う。白石の匂いが微かにして、温もりが感じられて。
心地よさを覚えながら、悩んでいたのがバカみたいにスッと眠りについた。
「・・・察してくれ・・・」
「言ってくれないと分かんないなぁ?ww」
豆電球の薄明かりの中でも分かる。いつものように口の端に笑みを浮かべて俺を見る白石。
「・・・言わせたいだけだろ?ww」
「さっきのお返しww」
二人で笑いあって、どちらが言うともなく近づいて唇だけ合わせてキスをする。
「・・・寝るか・・・」
「・・・うん・・・」
そういって白石が更に俺の方によって来るとそのまま抱き枕のごとく俺に抱き着く。
「ちょ!?」
「んー?いいじゃん。私こうしてた方が落ち着くんだよねーww」
・・・当たってるんですがそれは・・・
「お兄さん暖かい・・・体にヒーターでも入ってるの?w」
「単純に緊張してるからこれ以上俺をからかうな・・・いや、ホントマジで。余裕ない。」
「はいはいwwこのくらいで勘弁してあげるよw」
二人の声が消える。
265 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 21:39:34.82 ID:Q5UKg1qg.net
「ねぇ、お兄さん・・・」
「ん?」
「・・・ごめん、何でもないや・・・」
「・・・ん」
白石が考えて言ってこない以上はそれがこたえだろう。聞きたい気持ちを押し殺して眼を閉じる。
腕の中の白石の体温がより鮮明に感じられる。柔らかい。
ちょうど俺の顔の近くに白石の頭が来ている。すげーいい匂い。シャンプーとかかな?
眠ろうと考えて呼吸をしているのに白石の方に意識が行ってしまって中々寝付けない。瞼を開けてみる。
オレンジ色の薄明りの中、白石はというと、
「・・・すぅ、すぅ・・・」
まさしく穏やかと言った具合に早くも寝付いてしまった。心の中で寝落ちかよと小さく笑う。
しかし、「・・・何ていうか・・・」子供みたいだ。よく食べて、表情豊かに笑ってはしゃいで、かと思いきや甘えて来たり拗ねてみたり、疲れたらすぐ眠る。
まぁ・・・こういった裏表のなさが好きなんだろうけれど、
266 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 21:41:43.38 ID:Q5UKg1qg.net
「・・・いつまでこうしていられるかな・・・」
考えたことがふと口をついていた。
時間的にではなく、将来的に。
結構本気で白石が幸せになって欲しいとは思っている。
でも、仮に俺じゃなくて横に立っているのが伊達とかだったら俺はなんて思って、何て言うんだろう。
いや、止めよう。考えてもしょうがない。そうなったらそうなったときである。
瞳を閉じて深く息を吸う。白石の匂いが微かにして、温もりが感じられて。
心地よさを覚えながら、悩んでいたのがバカみたいにスッと眠りについた。
267 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 21:45:10.76 ID:Q5UKg1qg.net
「白石さ、いつこっち帰ってくる?」
東京駅の構内で色々と土産を買っていれば時間になるだろうという白石の意見で色々物色しているとき気になって聞いてみた。
それに合わせてバイトの休みとか帰省とかを考えようというものだ。
「んー?そうだなぁ・・・いつになるかな・・・」
「確定はしてない感じか?」
「うん。大学は八月入ったらすぐ終わるんだけどバイトとかサークルとかあるし。」
「なるほど・・・まぁ早めに教えてくれると助かるな。」
「あ!じゃあ あれだ!こうしよう!」
「今決めるのかよwいつ?」
半ば呆れて白石を見る。
「おにーさんが『帰ってきて』って言ったときに帰ってくるね!」
いつもの俺をからかうような笑顔ではない。白石は俺に満面の笑みで言って見せた。
「・・・したら、意外と早く呼ぶかもしれないぞ?」
「心配し過ぎだと思うよww私こう見えて一途だし、それに・・・」
「うん?」
「多分お兄さんが思ってるよりも、私はお兄さんの事好きだからww」
「・・・土産買ってくる・・・」
余りの殺し文句にその場に居続けることが出来なかった。
適当に見繕っておいた土産をレジに持っていく。背中から聞こえる白石の声が今度は上機嫌で笑っているのがすぐに分かった。
268 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 21:48:28.08 ID:Q5UKg1qg.net
ホームに行くと休日だけあった人はいたが特段何の日でもない訳で幾らか混んでいる程度だった。
「お兄さんさ・・・人前なんだから これ止めた方が良いんじゃないの?」
白石がそう言いながら繋がれた自分の右手を少し上げて見せる。
「・・・もうちょいで帰るんだから勘弁しろ。今回だけだ。」
しょうがないなぁといったままそれ以上は白石は何も言わない。
「あーあ、でもお兄さん帰っちゃうのか・・・私この二日間の予定色々つぶれちゃったよ・・・」
「・・・俺にどうしろと・・・?」
もう帰るところなんだが。それを聞いて白石は小さく笑うと、
「じゃあ今度埋め合わせね?w」
良い彼女を持ったと実感したのは数えきれないがこれは特に印象的だった。次に会う口実を彼女の方から俺にくれるのだから。
269 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 21:52:08.17 ID:Q5UKg1qg.net
「ん、分かった。約束な。」
そう言うと白石がつないだ手を一度離して、指切り、とだけ小さく言う。
いつだって白石は変わらない。こういったことを自分から素直に言うところも、それを自分で言いながら恥ずかしがるところも。
小指だけ再びつなぐ。
『まもなく電車が到着します。白線の内側まで・・・』
アナウンスが流れた。
「指切りげんまんうそついたら・・・どうしよっか?」
「しまらねぇなぁww」
繋いだまま、離すことなくいると電車が来てしまった。
「じゃぁその時決めよっか!」
「はいはいww」
つないだままいると電車のドアが開いた。もう、時間はない。
「・・・」
「じゃあな」も「元気でな」もちがう。
数瞬だけ考えて、「またな。」
自然に出た言葉が一番しっくり来た。
272 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 21:55:30.44 ID:Q5UKg1qg.net
「・・・うん。」
白石が応えてから俺が歩き出すと、一歩目で白石の腕が少し伸びたのが判って、二歩目で ほとんどほどけかけて、三歩目で白石の温度が消えた。
振り返ると足が止まりそうな気がして振り返らなかった。
引き延ばされたようなような感覚を覚えた数秒は、時間の流れの中に自然に溶けていった。
乗ってすぐに発車のアナウンスが流れる。
ドアが閉まる。
振り返ると白石が少し寂しそうに笑っていた。声も聞こえない中でなにを言うでもなく、俺はただ笑って見せた。
白石も応えるように笑う。
車窓が徐々に捉える世界の位置を変え始める。徐々に白石が遠くなっていく。
寂しさもあったが来た時よりも軽く感じる肩の荷物が確かな充足感を与えてくれていた。
終点まで三時間はあったが行きよりも気持ちはずっと楽だった。
白石と別れたのは それから二ヵ月後だった。
273 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/09/10(土) 21:59:13.56 ID:G97z5VDW.net
わか・・・わかっ・・・別れ!?
274 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/09/10(土) 22:01:50.52 ID:y4H7mC4j.net
one more time one more chanceの準備したわ
277 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 22:38:04.86 ID:Q5UKg1qg.net
別れようとは白石から切りだされた。
俺からしてみれば寝耳に水とは まさにこのことで、俺の方に落ち度があれば何とかすると言ったが、白石からは そういうことではないという答えが返ってきて
以来連絡が取れなくなり、俺も俺でゼミとかインターンシップとか就活とかが始まってしまってまともに白石の方にかまえる状況ではなかった。
分かっている。
分かっていた。
自分の中では そんなことを言い訳にして逃げていたのだ。
理由をこじつけてフラれたという事実から目を背けていただけだ。そうしていることしかできなかったのだ。ただ目の前のことに没入することで名状できない感情を振り払おうと必死になった。
幸か不幸かその がむしゃらのお陰で俺の身の丈には合わない程の企業から内定をもらって、気付いたら東京で働く少し若い一端の社畜になっていた。
278 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 22:38:55.51 ID:Q5UKg1qg.net
分かり切っていたことだが俺という人間は基本的に自分に全くと言っていいほどに自信がない。
だからまぁ、言い訳になってしまうが「俺以上に良い奴に出会ったのだろう」という諦観に似た感情によって白石には直接会いに行かなかった。
時期もあってバイトを止めてジャムさんと会わなくなって、互いに忙しくなって伊達に会う機会が減って行けば俺に親身になってくれる人間なんぞいなかった。
どうも俺は伊達やジャムさんの様な支援というか背中を押してくれる人間がいないと前に進めないらしい。
頭でごちゃごちゃ考えていながら結局白石に会いに行かなかった理由は つまりそういったことなのだろう。
そんなこんなで大学を卒業した俺だったが これが予想以上に時間の流れが速くて驚いた。というか体感時間が早く感じたのだろう。
失ったものの大きさを見ないために仕事に没頭していけば評価が上がって、嬉しくないことに相対的に仕事が増えていって、それにまた没入していくという循環だった。
279 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 22:40:22.80 ID:Q5UKg1qg.net
入社して一年ちょいもすれば そんな俺でも がむしゃらにではなく要領よく努力するということが出来るようになり周りを見渡す余裕が出来るようになった。
先輩でスゲー綺麗な人がいると気づいたのは その時だった。
だがまぁ、自分から声をかけられるほどの社交性と言ったものは無かったので眼で追ったりするような日が続いていたある日。
上司とともに取ってきた それなりに大きな仕事で部署で飲みをすることになった。
俺は酔うとゆっくり一人の世界に浸るとか少人数で飲むのに適しているらしく、大人数で飲むのはどうも煩わしいと思ってしまう。
なわけで俺は隅っこの方で諸先輩から離れて煙草をふかしながらゆっくり飲んでいた。
「お疲れさま小島君、大丈夫?」
件の綺麗な先輩から声をかけられた。
隅で騒ぐこともなく飲む俺を心配しての事らしい。
「ああ、戸田さん(戸田恵梨香似なので)お疲れ様です。大丈夫ですよ。騒がしいのが あんまり得意じゃないので…」
自然俺の横に座り二人だけで話すこととなる。
280 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 22:42:09.14 ID:Q5UKg1qg.net
「でも凄いね小島君。結構大きい話だったのに上司さんと一緒に取ってきたんでしょ?大変じゃない?」
「ほとんど上司さんの仕事ですよww 自分は付き添いみたいなもので・・・大変じゃないといえば嘘になりますけど、充実してますね。」
そりゃあまりデカくない企業とはいえ社会人二年目で過大な評価で受けているのだから大変ではある。
入社試験も滑り込みのつもりが何の冗談か結構良かったりして上司からは大分絞られている。
だがまぁ大変な状況なら その分だけ他の事を考えなくていいのだからそれでいい。
我ながらまだ消化できないのかと半ば呆れ、同時に女々しいとも思う。未だに残る心残りを大仰にジョッキをあおって酒と一緒に飲み干す。
「…1本良いですか?」
出来れば女性の前では吸いたくはないが習慣というのは中々直すのが難しい。
学生の頃に酒と一緒に吸って安上がりにしようと画策したものだが どうも金が稼げても貧乏性は抜けないらしい。
「意外、吸うんだね」
「昔から止めろっては言われてるんですけどねww」
「おいしいの?」
「不味いですよww 試しに吸ってみます?」
箱ごと向けると一瞬悩んだような顔を見せてから「じゃあ…」といって灰を落としていたほとんど吸っていない俺の手の中のをかすめとって自分で吸い始める。
少し驚いて呆気に取れられる俺を尻目に戸田さんは大きく息を吸って、むせた。
281 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 22:43:21.12 ID:Q5UKg1qg.net
「けふ!げほげほ!」
「あーあーww ほら水ありますから・・・」
頼んでおいたお冷を渡して火傷をしないように戸田さんの手から煙草を受け取り灰皿に置く。年上のはずなのだが世話の焼ける・・・
白石みたi・・・
一気に半分ほど残っていたジョッキを飲み干して次の注文をしておく。
「・・・かぁ〜!!!」
「ちょ、小島君!?」
「ッ!・・・大丈夫です。それより、落ち着きましたか・・・」
「あ、うん、ごめんね・・・」
顔を赤らめて俺を見る戸田さん。どこか懐かしい感覚と、既視感。途端、心臓が軋みだす。
押さえつけるために頼んでおいた酒をまたあおってから灰皿に残るフィルターに口紅のついた煙草を手に取る。
「あ・・・」
小さく戸田さんが声を出した気がしたが気にせず口をつける。
いつもと変わらない。微かなバニラの香りが鼻腔を満たす。
>>次のページへ続く
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