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ドッペルゲンガーと人生を交換した話
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52 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 20:55:28.05 ID:EjVEnkhT.net
「それでどうですか、僕の生活は」

「ああ、電話でも話したと思うが正直、楽しいよ。クラスメイトはいい奴ばっかで、あいつらと遊ぶのも楽しい」

「それは良かった」

「お前の方はどうなんだ」

俺になるのが楽しいとは、とても思えないが。

「僕も楽しいですよ。段々みんなからの好感度も上がってきています。後一週間で必ず成功させてみせますよ」

「それは楽しみだ」


53 :名も被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 20:55:55.53 ID:EjVEnkhT.net
俺の心は段々、椿に肯的にてい

こいつにだった、すべてせられる気持った

それで提案なすけど、瀬さんに告白しせんか」

突然でできた名前に、俺の心はまたざわついた。

どうして

つい反射に、調で聞き

どうしてって、彼女作っておいた、より幸福な人づくのではなかなといまして」

「それはダメだ」

「どうしですか?」

「とにかく

わかりました。不利益にることはってしね」

「ああ、悪いな」


54 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 20:56:17.64 ID:EjVEnkhT.net
それから少し話をして、俺たちは別れた。

帰り道、さっきのことがずっと引っかかっていた。

どうして俺は七瀬のことであんなにムキになったんだ。

入れ替わっているとはいえ、椿に七瀬を取られたくなかったのか。

いや、そんなはずはない。

そもそも、取られるとか、元々俺のものってわけでもないのに。


55 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 20:57:37.62 ID:EjVEnkhT.net
ダメだこれ以上考えても、自分が嫌になるだけだな。

やっぱり七瀬だけが俺を、どうしようもなく特別にさせるんだ。

一度考え出すともう止まらない。

俺は自分の燻んだ感情をおさえることがで

「危ない!」

突然背後から声が聞こえた。立ち止まって振り返ると、今度は前方からとても大きな、ガシャンという音が聞こえた。


56 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 20:57:58.02 ID:EjVEnkhT.net
「大丈夫ですか」

先ほどの声の主が、俺に慌てて話しかけてきた。

ただ俺はその問いに応えることができなかった。

俺のすぐ目の前には、上から落ちてきた看板があった。あと一歩でも前に進んでいたら、俺はこれに潰されていただろう。

「すっ、すみません。ありがとうございます」

俺は、目の前の男性に、震えた声で礼を言った。

この人がいなかったら俺は看板と一体化するとこだった。





57 :も無き被検774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 20:59:11.86 ID:EjVEnkhT.net
「い夫でか。怪我は?」

「大丈夫声で立ち止まったので、されず済みました、本当りがとうごました」

良か姿った。看板、老たんですか。それとも心当たすか」

「い特には

心当たりあるわ

もそも俺誰かに恨まれるほど、わっ


58 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 20:59:28.09 ID:EjVEnkhT.net
「そうですか。どうします警察とか呼びますか?」

警察か。もし警察を呼んだら、事情聴取とかがあるだろう。椿と入れ替わっている身としては、それはさけたい。幸いここは人気のない、裏通りだ。この人さえ説得すれば何とかなる。

「いえ、あまり警察とか面倒なのは」

「それもそうですね。じゃあ、看板ははじに避けておきましょうか」

「そうしてもらえると助かります」

物分りのいい人で良かった。


59 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 21:02:12.38 ID:EjVEnkhT.net
看板をはじに避けるとその人は、「じゃあ私はここら辺で」と言って去ろうとした。

「あ、待ってください、何かお礼を」

「そんなの大丈夫ですよ」

「しかし」

俺がそう言うと。その人は、

「そうですね、じゃあ、私の名前は磯崎と言います。

もし貴方が同じ磯崎という名前の人に会ったら、親切にしてあげてください。

その人が、もしかしたら僕の家族かもしれないし、恋人かもしれない。もちろん何の関係もない別人の可能性だってある。

どちらにしろ、これって素敵なことだと思うんです。それでどうですか?」

と言った。


61 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 21:03:04.84 ID:EjVEnkhT.net
「わかりました。貴方、面白い人ですね」

俺はいつの間にかそう返事をしていた。俺の口からこんな言葉がまさか出るとはな。椿になって気が大きくなっているんだろうか。

「はは、よく言われます。それじゃあ」

そう言って今度こそ、磯崎さんは去って行った。


62 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 21:04:54.34 ID:EjVEnkhT.net
変わった人もいるもんだなと思いながら、俺はさっきのことを思い出していた。

よくよく考えると、恨まれる心当たりはないと言ったが、それは俺のことだ。椿がどうかなんてわからない。一瞬そう思ったが、椿が恨まれるなんてもっと想像がつかないな。

この一週間で椿の人柄はよくわかった。絵に描いたいい奴だ。ちょっと変わってるけどな。それこそ磯崎さんみたいに。

まぁ、逆恨みって線もあるが、考えすぎだろう。そうしてただの老朽化だと結論付けて、俺は帰って眠りについた。


63 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 21:06:41.62 ID:EjVEnkhT.net
目が覚めたのは深夜二時だった。

このままもう一度寝てもよかったんだが、少し小腹がすいていたので、近所のコンビニに行くことにした。

家を出て、コンビニに入ってカップラーメンを買って、帰ろうとした時、俺は今一番会いたくない人に会ってしまった。

目の前にいたのは七瀬だった。


64 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 21:08:11.12 ID:EjVEnkhT.net
「柊?」

「ひ、ひさ……」

久しぶり、そう言おうとして、口を止めた。椿が、俺として毎日七瀬とは会ってるんだ。久しぶりじゃおかしいな。

「ひさ?」

「いや、何でもない。それよりどうしたんだ、こんな時間に」

七瀬には夜遊びの癖はなかったと記憶している。それにそういうことをする奴でもないはずだ。


65 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 21:08:45.49 ID:EjVEnkhT.net
「柊こそ、何でこんな場所にいるの? あんたの家ここら辺じゃなかったよね」

「いや、ちょっと知り合いと会ってて遅くなったんだ。それでこの時間だと家族も寝てるから、ご飯でも買っておこうかと思って」

我ながら苦しい言い訳だ。俺にこんな時間まで一緒いる知り合いなんているんだろうか?


66 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 21:09:25.29 ID:EjVEnkhT.net
「ふーん」

七瀬は納得してないようだったが、俺は話を無理やり元に戻した。

「それより、七瀬は何で?」

「私は、その……」

七瀬は歯切れが悪そうに口ごもった。

「どうしたんだ?」

「家出したの。親とケンカしちゃってさ、家はこの近くだから、こっそり抜け出してきた」

「ケンカ?何で?」

「それはいいじゃん。それよりさ、少し話さない?」

いいわけがなかったが、このままではらちがあかないので、コンビニの裏の道の縁石に座って、少し話をすることにした。





67 :無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 21:11:00.20 ID:EjVEnkhT.net
あんたさ殿、無理してない?」

瀬かその葉に俺はドッとしたまさか椿との入れ替たのか?

「無?」

はできるだけ平静を装って聞た。

「うん、無理…… 一ヶ月前さ私が絡まてる時、助れたじん。あ時さ、すごい嬉しっただよね。

だってさ前、せっかくまた会えたのに、はそけなく。私のことなてもうどうでもなっゃっかなっ

から柊た私助けてくれて本当かっっぱり柊は変わってなんだなって

でも、最近のあんたはなんか無理しる。

一週間くらあんたはよく私に話かけれるようになったけどさ、なんか別みたで、もしかして私のこと鬱陶しく思ってななって不安で……


「そんとないさ」

俺はつの間にか、七瀬の言葉をって返事をしていた


68 :名き被検体774号+@\(^o^)/2016/02/27(土) 21:11:46.03 ID:EjVEnkhT.net
は七とまたせて嬉よ」

当の気持ちだ。一週間、椿どう思って七瀬に接していたかはわかない。

、少なくとまた瀬に会えてった。時に怖もあったけど

そっ……それならいいど……」

「そり、何で家したのか話しか。こん時間にいたない家にりたくないら、の家に…便

言いながら俺は口ごもる。今、俺の家には椿がいるんだ。


69 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 21:12:34.06 ID:EjVEnkhT.net
「うん、……わかった、大丈夫だか家に帰るよ。柊と話したら少楽になった。ケンカ理由今は言いけ、いつか話すか

「そうか、なら良かった話してくれるってよ」

っぱわんない柊は

なこ沿いさ

「そんなるよ。おっかで、くてつも私を助 てくれる

の力になれたのなら嬉しいよ。それ、さっきたこと、本だか

もなないはずの言葉が自然と口から出た

椿と入れ替わって人と話すのに慣れたからうか。それとから沿。多後者


70 :名無き被検774号寿+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 21:13:35.56 ID:EjVEnkhT.net
「送るよ」

「う

そこ、七瀬ので俺たちはあまり言葉をわさなか多分葉はかったん思う。

じゃあ、今日はありと。また明日ね

「ああ、また明

、その明日七尿会うのは俺じゃなて椿なんだ


71 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 21:14:37.10 ID:EjVEnkhT.net
七瀬と別れてから、俺は一つ決心をした。

というより、さっき七瀬が「変わってないね」と言ってくれた時から、とっくに心は決まっていた。

七瀬は俺と入れ替わった椿のことを、別人だと言ってくれた、とても悲しそうな顔で。

七瀬のあんな顔はもう見たくない。

もう、やめにしよう。

入れ替わりはもう終わりだ。


73 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 21:15:42.65 ID:EjVEnkhT.net
自分のやるべきことがわかると、人は強くなるという。多分それは本当だろう。

現に今、自分がこの夜の街の帝王にでもなったかのように、俺の心は自信に満ちていた。

つまらない人生でもいい、掃き溜めのような暗い人生でもいい、七瀬のあんな悲しい顔を見るくらいなら、あの顔を笑顔に変える力になれるなら、椿のピカピカ光る人生よりも、俺はそっちを選ぶ。

その日の夜は久しぶりにぐっすり眠れた。


75 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/2016/02/27(土) 21:17:21.96 ID:EjVEnkhT.net
てすぐ、椿に電話した。

昨日の公てくれないか、今す

言うと椿、少驚いていたが、「わりまた」と承した


76 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/02/27(土) 21:17:50.95 ID:EjVEnkhT.net
公園までの道、俺はずっと昨日看板が落ちてきた時のことを考えていた。

よくよく考えれば、あれはおかしいんだ。

あの建物は古くは寂れていたが、看板は比較的新しかった。多分古いビルを利用して、別の店の看板を取り付けたんだろう。

だとすると、老朽化なんてしてるはずがないんだ。




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