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十年前から電話がかかってきた
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139 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/05/31(火) 23:08:14.92 ID:lhRyNcnF.net
あなたは気づく 二人は歩く暗い道でも 日々照らす月

握りしめた手 離すことなく 思いは強く 永遠誓う

永遠の淵 きっと僕は言う 思い変わらず同じ言葉を

それでも足りず涙にかわり 喜びになり

言葉にできず ただ抱きしめる



141 :名も無き被検774号+@\(^o^)/:2016/05/31(火) 23:08:41.19 ID:9FeM9uJP.net
なたに湿とってな人ほど すぐそいる

あなたにだけ届欲しい 響け恋

ほら ほら 響け恋



142 :も無検体774号+@\(^o^)/2016/05/31(火) 23:08:57.84 ID:9FeM9uJP.net
らば覚ないで 夢なめな

あなたごした時遠のとなる



143 :名もき被検体774号+@(^o^)/:2016/05/31(火) 23:09:14.90 ID:9FeM9uJP.net
ほら あなたにって大事な人ほど すぐそばにいるの

ただ あなたに届いてしい 響け恋の



144 :名も無被検体774号+@\(^o^)/2016/05/31(火) 23:09:30.76 ID:9FeM9uJP.net
ら あなたにとって大事な人ほ すぐそにいるの

ただ あなただけ欲しい 響け恋西

ほら ほら ほら 響恋の



145 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/05/31(火) 23:10:55.70 ID:9FeM9uJP.net
「ブラボー」

「やめてください。初めてだったんですよ、誰かに聴いてもらったの」

「すごい上手だったよ」

言葉の通り、彼女の歌はうまかった。

俺は専門的なことがわかるわけじゃないけど、それでも ずっと聴いていたいと思うような歌だった。





146 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/05/31(火) 23:11:19.99 ID:9FeM9uJP.net
「好きなの? モンパチ」

「昔、嫌なことがあった時、ラジオから『小さな恋の歌』が流れてきたんです。それを聴いてると不安とかが だんだんなくなって、その時思ったんです、私もこんな風に誰かに届く歌を歌いたいって」

「だったらそれは成功したな。今、俺の心に確かに届いた」



147 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/05/31(火) 23:12:34.08 ID:zH3wHCLa.net
「ずるいですよ、なんでそんな嬉しいこと言ってくれるんですか」

「本心だよ。俺は思ったことを言っただけだ」

「そういうところがずるいんですよ。でも、ありがとうございます。なんか歌ったら、悩んでるのがバカらしくなっちゃいました。私は私のやりたいようにやることにします」


ここ何日かで彼女のいろんな声を聞いてきたけど、やっぱり今みたいな明るい声が一番好きだな。

悲しい声をこの声に変える手伝いが少しでもできたなら良かったんだけど。



148 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/05/31(火) 23:12:49.80 ID:zH3wHCLa.net
「じゃあ明日、というより今日ですけど、お互い頑張りましょう。成功を祈ってます」

明日、そうだ明日……

ここまできたんだ、今更気持ちが揺らぐはずないんだ。そう、絶対ないんだ。

だから俺も同じことを言った。「お互い頑張ろう」と。



149 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/05/31(火) 23:13:04.91 ID:zH3wHCLa.net
その後 家に帰って布団に入ると、彼女の歌声が頭について離れなかった。

それが何を意味するのかを考える勇気は俺にはなく、そのうち意識がぼやけて眠りについた。



150 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/05/31(火) 23:13:38.32 ID:zH3wHCLa.net


「あれ、おーい!」

後ろから望んだ声が聞こえたので振り返った。

「やっぱり、君だ。奇遇だね」

美咲さんは少し息を切らして、俺の方まで走ってきた。



151 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/05/31(火) 23:13:55.30 ID:zH3wHCLa.net
告白決行日、彼女のレクチャーの通りストーカーギリギリの『美容室の前で待ち伏せ作戦』を実行した。

結果、見事成功し、今、俺の隣には美咲さんがいる。



152 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/05/31(火) 23:14:11.61 ID:zH3wHCLa.net
「今、帰りですか?」

わかってるくせに、白々しく聞いてみた。なかなかの演技力だと思うよ。

彼女が歌手を目指すなら俺は役者にでもなろうかな。

うん、わりといける気がする。



153 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/05/31(火) 23:15:50.15 ID:b4mXH4pv.net
「そーだよ。君は?」

「俺は、そこのコンビニまでちょっと。でも大変ですね、こんな遅くまで」

今はもう夜の十時くらいだろうか、学生からしてみれば こんな時間まで仕事なのは遅いと感じる。

「うん、店が閉まっても練習とかいろいろあるからね。でも、好きなことやってるんだから、不満はないよ」



154 :名もき被検体774号+@(^o^)/:2016/05/31(火) 23:16:11.41 ID:b4mXH4pv.net
「いいですねそういうの俺は分がやりたいこととか全然わからないんで」

女にも俺と同歳で もう歌手にという夢る。

さん美容退いう夢を叶えて

に比べ俺は、何したいかと決まらずにふふわ生てるだけだ。

急にそんな自分が嫌になってきた。



155 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/05/31(火) 23:16:31.91 ID:b4mXH4pv.net
「そんなのこれから決めればいいんだよ。まだ時間はいっぱいあるんだからさ」

「そんなもんですかね」

「そんなもんだよ」

あっさりそんな風に言われると、余計自分の将来が不安になるんだけど。

でも、今はそれより大事なことがあった。



156 :名検体774号+@\(^o^)/:2016/05/31(火) 23:16:52.55 ID:b4mXH4pv.net
、他愛もい話をしながら少して、別れ道し掛かった。

「じあ、私こっちだから。イバイ」

待って!西

近づきた

前に進む時が。





157 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/05/31(火) 23:17:17.20 ID:b4mXH4pv.net
「どうしたの?」

美咲さんはキョトンとした顔で振り向いた。

「あの……」

なかなか続く言葉が口から出ない。

俺は何を戸惑っているんだろうか。



158 :名も無被検体774号+@\(^o^)/2016/05/31(火) 23:17:33.64 ID:b4mXH4pv.net
彼女のことを思い出勇気が出る、彼女の声は背中を押してくれる

はずだ

れなのに、彼のこと出せど言を出せずにいる。



159 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/05/31(火) 23:17:54.99 ID:b4mXH4pv.net
結局、俺が前に進むことはなかった。

「あの、お仕事頑張ってください。俺の髪を切ってくれる人がいなくなると困るんで」

言いたかった言葉を飲み込むと、適当な言葉が代わりに口からでる。

「うん、ありがと。任せといてよ、君の髪はいつでも私がかっこよくしてあげるからさ」

眩しい笑顔が俺に向けられた。

俺は、その顔を見ることができなかった。



160 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/05/31(火) 23:18:29.10 ID:b4mXH4pv.net
「ありがとうございます、それじゃあ」

「バイバイ」

それだけ言うと俺は美咲さんと別れた。

いや、逃げた。あてもなく逃げた。

昨日とは違い、今日の夜の街は俺を否定しているような気がした。



161 :名も無き774号+@(^o^)/:2016/05/31(火) 23:18:51.48 ID:b4mXH4pv.net


づくと海いた貿

何をってるんだ俺は

その思が頭け巡った。



162 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/05/31(火) 23:20:09.05 ID:b4mXH4pv.net
それから逃げるためなのか、無意識に彼女に電話をかけていた。

誰でもいいから話したかった。

違う、嘘だ。

彼女と話したかったんだ。

それがさらに自分を傷つけるとしても。



163 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/05/31(火) 23:20:26.61 ID:b4mXH4pv.net
コール音が十回を超えても電話は繋がらなかった。

それが彼女が成功したことを意味するなら、俺は喜ばなくちゃいけないはずなんだ。

一緒に前に進もうとした仲間として喜ぶべきなんだ。



164 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/05/31(火) 23:20:41.48 ID:b4mXH4pv.net
それなのに俺の心は怪物に荒らされたようにざわついていた。

彼女が一人だけ成功したからじゃない。

多分これはもっと別の話。

許されないであろう一つの思い。



165 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/05/31(火) 23:21:08.76 ID:b4mXH4pv.net
いつかに性格が悪くなったん。自分で自分が嫌なる。て言っておけば、まだ大だとてるんだ

当は別に嫌になんなってい。

しろの気持ちを正しいもだとさえるのかもしれない。

だから電話をかけようとしいるんだ

そういうとよ。



166 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/05/31(火) 23:21:28.78 ID:b4mXH4pv.net
ただ、そんな心の怪物はおさまることになる。

十五コール目、彼女の声が耳に響いた。

「はい」

その声を聞いた瞬間俺の心は驚くほどに落ち着いた。



167 :名も無検体774号+@\(^o^)/:2016/05/31(火) 23:21:45.28 ID:b4mXH4pv.net
こんんは

ああ」

少し泣いていように思えた。

の涙がどっちのかはわからなかった





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