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山で「邪視」に出会ってしまった
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59 :邪視 :2016/01/02(土)21:43:28 ID:m4z
「あぁぁっ!!」

「ひっ!!」

ヤツが腰を落とし、四つんばいになり、足を照らす懐中電灯の明かりの位置に、顔を持ってきた。

直視してしまった。

昼間と同じ感情が襲ってきた。死にたい死にたい死にたい!こんな顔を見るくらいなら、死んだ方がマシ!!

叔父もペットボトルをひっくり返し、号泣している。落ちたライトがヤツの体を照らす。

意味の分からないおぞましい歌を歌いながら、四つんばいで、生まれたての子馬の様な動きで近づいてくる。

右手には錆びた鎌。


よっぽど舌でも噛んで死のうか、と思ったその時、

「プルルルルッ」

叔父の携帯が鳴った。


号泣していた叔父は、何故か放心状態の様になり、ダウンのポケットから携帯を取り出し、見る。

こんな時に何してんだ…もうすぐ死ぬのに…と思い、薄闇の中、呆然と叔父を見つめていた。


まだ携帯は鳴っている。プルルッ。

叔父は携帯を見つめたまま。

ヤツが俺の方に来た。恐怖で失禁していた。死ぬ。


その時、叔父が凄まじい咆哮をあげて、地面に落ちた懐中電灯を取り上げ、素早く俺の元にかけより、俺のペットボトルを手に取った。

「こっちを見るなよ!!ヤツの顔を照らすから目を瞑れ!!」

俺は夢中で地面を転がり、グラサンもずり落ち、頭をかかえて目をつぶった。




ここからは後で叔父に聞いた話。

まずヤツの顔を照らし、視線の外で位置を見る。

少々汚い話だが、俺のペットボトルに口をつけ、しょんべんを口に含み、ライトでヤツの顔を照らしたまま、しゃがんでヤツの顔にしょんべんを吹きかける瞬間、目を瞑る。霧の様に吹く。

ヤツの馬の嘶きの様な悲鳴が聞こえた。

さらに口に含み、吹く。吹く。ヤツの目に。目に。



60 :邪視 :2016/01/02(土)21:43:55 ID:m4z
さっきのとはまた一段と高い、ヤツの悲鳴が聞こえる。

だが、まだそこにいる!!


焦った叔父は、ズボンも下着も脱ぎ、自分の股間をライトで照らしたらしい。

恐らく、ヤツはそれを見たのだろう。言葉は分からないが、凄まじい呪詛の様な恨みの言葉を吐き、くるっと背中を向けたのだ。

俺は、そこから顔を上げていた。

叔父のライトがヤツの背中を照らす。

何が恐ろしかったかと言うと、ヤツは退散する時までも、不気味な歌を歌い、体をくねらせ、ゆっくりゆっくりと移動していた!!

それこそ杖をついた、高齢の老人の歩行速度の如く!!

俺たちは、ヤツが見えなくなるまでじっとライトで背中を照らし、見つめていた。いつ振り返るか分からない恐怖に耐えながら…



永遠とも思える苦痛と恐怖の時間が過ぎ、やがてヤツの姿は闇に消えた。

俺たちはロッジに戻るまで何も会話を交わさず、黙々と歩いた。

中に入ると、叔父は全てのドアの戸締りを確認し、コーヒーを入れた。飲みながら、やっと口を開く。

「あれで叔父さんの言う、興味はそれた、って事?」


「うぅん…恐らくな。さすがに、チンコは惨めなほど縮み上がってたけどな」

苦笑する叔父。


やがて、ぽつりぽつりと、邪視の事について語り始めてくれた…



63 :邪 :2016/01/02(土)21:44:41 ID:m4z
叔父は、仕事柄に行く事が多い。詳しい事は言えな姿が、いわゆ技術士

叔父が欧のる街に滞在していたある日の。現地で仲良くなった、通訳も出来る技仲間のが、面白い物をせてくれ言う。

父は人気の無い路地れて行か。ストリップ類か思ってと、路裏の薄汚い、小さに通された調

は中に驚いた

外見はみぼらが、家まる違った。一目で高級品と分かる絨。壺。香の良い香も漂ている。

わけからないま調、叔父が目を奪われていると、部屋に通れた。

には、蝋燭が灯るは60代らいのが座っ異様なのは、夜で家なのにサグラス

現地の男によ ば「視」のち主だと言う

邪視ゃし)とは、世の広囲に布する民間伝承信のつで、意を持って相手睨みけるによって象となっ被害者に呪い掛けるが出来ると

イビルアイ(evil eye)、邪(じゃがん)、魔眼(ん)も言わる。

西力によ病気り衰弱していき、ついには死に至るあるいう。


父は、か分で説明を聞いてこの、そいう奇手品類であろうと。

座っていた姿が、地の男に耳打ち男曰く、信じていない子だら、少だけ力体験させてあげよう、と。

父は、これも一と思い諾した

また男現地の男に耳打ちする


男曰く、

沿宿りあげる。誤解しなもらいのはそれだ退け私力が強いからである方は暴れ回るう。

私はの一瞬だけ、で貴の目見つめる。やるだそれだけだ」



65 :邪視 :2016/01/02(土)21:45:12 ID:m4z
叔父は、恐らく何か目に恐ろしげな細工でもしているのだろう、と思ったという。

本当に目が醜く潰れているのかもしれないし、カラーコンタクトかもしれない。

もしくは、香に何か幻惑剤の様な効果が…と。


縛られるのは抵抗があったが、友人の現地の男も、本当に信頼出来る人物だったので、応じた。

椅子に縛られた叔父に、男が近づく。友人は後ろを向いている。

静かに、サングラスを外す。叔父を見下ろす。



「ホントにな、今日のアイツを見た時の様になったんだ」

コーヒーをテーブルに置いて、叔父は呟いた。

「見た瞬間、死にたくなるんだよ。瞳はなんてことない普通の瞳なのにな。

とにかく、世の中の全てが嫌になる。見つめられたのはほんの、1〜2秒だったけどな。

何かの暗示とか、催眠とか、そういうレベルの話じゃないと思う」


友人が言うには、その邪視の男は、金さえ積まれれば殺しもやるという。現地のマフィア達の抗争にも利用されている、とも聞いた。


叔父が帰国する事になった1週間ほど前、邪視の男が死んだ、という。

所属する組織のメンツを潰して仕事をしたとかで、抹殺されたのだという。

男は娼婦小屋で椅子に縛りつけれれて死んでいた。床には糞尿がバラ巻かれていたと言う。

男は、凄まじい力で縄を引きちぎり、自分の両眼球をくり抜いて死んでいたという。



66 :視 :2016/01/02(土)21:45:37 ID:m4z
も言た様に、邪視は不浄な嫌う。汚物れな、スプか行為でも見せられた

俺は言も発る気力く、話を聞いた。の化も、邪持ちだっという事だろうか。



俺の考たかのよ、叔父はけた。

「アイツが本に化だっいう風に育てられた人分かい。

ただ、イツは逃げゃダメな気がしてなだからぬ気でち向かった

カッ、人の唾が嫌い言うじゃないか。案外、おなんかよりも、人間の体のがああいうモノに効なかもいな


、話をながら弟の事を思いして、話した。弟綿くれじゃいだ泣いてた。


叔父は神妙に1分くらい無言のまま、やがて口開いた。

そういう事もあるしれなな…00はおよりしっかりしてたし

の鳴った携事、覚えてるか?あれな別れた彼女からなんだよ。

な、この山の周辺で、携通じるわねぇんだよ。見ろよ。今、アンテナ一本も立っ

だから、そいう事もるのか知れないな…

ぐ、りて帰ろう。

ジも売るわ。早く彼も電話したいしな

くさそうに笑、コ飲み干し立ち上がった。








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