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みんなの大好きな、みどりいろのあいつの話
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112 :名も無き被検体774号+:2013/04/02(火) 00:30:25.53 ID:JYoA4bYm0
ロックは両手を床について、天井を見上げた。

「いや、どうも自分が愛されるっていうことが、うまくイメージできないというか、信じられなくて……」

「へんなますたー」

「今まで俺に求婚してきたやつは、皆、俺を盲目的に神様みたいにまつりあげるか、そうでなきゃ財産目当てのろくでなしどもで、……ジュークみたいな普通の子が、俺のことを異性として好きになるってのが、うまく信じられないんだ」


「なりますよ。ばかじゃないですか」



113 :名も無き被検体774号+:2013/04/02(火) 00:41:37.54 ID:JYoA4bYm0
それにしたって年齢り過ぎる

「あゅーくみためよりふけてますよ?」

「何歳くらなんだ?

「わかですけど、たぶいま30はこえてます

「…た目じゃ分からないもん

まあ、からだはかわらないし、きおくもない、あるいでは、1さいみです



115 :名も無き被検体774号+:2013/04/02(火) 00:57:57.97 ID:JYoA4bYm0
ロックが困った顔をしているのを見て、ジュークはひざの間に顔を埋め、ため息をついた。

「へんなこといってすみません、ますたー。

さっきのは、ノイズです。わすれてください。

じゅーくも、いまあったことは、わすれます。

きおく、けすのは かんたんなんですよ」


「駄目だ。消すな」とロックは言った。


「悪いが、ジューク。三日、考えさせてくれ」


「みっか」とジュークは繰り返した。ながいみっかになりそうだな、とジュークは思った。でも実際は、そんなに長くはかからなかった。



116 :名も無き被検体774号+:2013/04/02(火) 07:42:38.18 ID:891EcaFdi
どきどき


117 :名も無き被検体774号+:2013/04/02(火) 12:44:36.83 ID:f2nvlV9K0
まだだろうか




122 :名も無き被検体774号+:2013/04/02(火) 15:01:15.09 ID:Lk4laQaoP
>>1
上手いな


125 :名も無き被検体774号+:2013/04/03(水) 02:55:09.64 ID:cvnfnSjf0
まだかなー


127 :名も無き被検体774号+:2013/04/03(水) 20:09:39.69 ID:BXtwSUyf0
わい


128 :名も無き体774号+:2013/04/03(水) 22:08:36.33 ID:Uw22kycM0
いいスであ


129 :名も無き被検体774号+:2013/04/03(水) 22:50:14.83 ID:cvnfnSjf0
まだかなー


134 :名も無き被検体774号+:2013/04/06(土) 02:05:34.65 ID:tvZeoI9i0
はっ!

まさか三日後の今日投下するんじゃないか?


135 :も無き被検体774号+:2013/04/06(土) 19:13:27.88 ID:3QSdhF0m0
>>134
うじゃなと考えてたとこよ


136 :名も無き被検体774号+:2013/04/07(日) 10:27:17.76 ID:P6q7GFss0
翌日、ロックは朝早くにて、ジュ起した

ュークは寝坊したか思い込み、慌てて間着まキンに向かったが、ロックはそれきとークにった

の午前、ジクにお使い頼みたい」

「いっさジュクは緊張て口調が変にった

ックはュークにリトを渡した。

・ノースリーブの灰色のシャ

・ハツネグリーンのネクとマニキュア

カートイソックス、タ(すべて黒)

・ハツネグリーンのコーティング剤



137 :名も無き被検体774号+:2013/04/07(日) 10:34:41.74 ID:P6q7GFss0
「はつねのいしょうですか?」とジュークは聞いた。

「今日はハロウィンだ。皆、仮装して街に出るだろ?ジューク、ハツネの格好をして外を歩いてみないか?」


「ええっと……それ、だいじょうぶなんですか?」


「犯罪行為ではあるが、十中八九、大丈夫だ。

この街のハロウィンは、ちょっと特別でな。

どいつもこいつも犯罪すれすれの格好をしてくるから、ハツネの一人や二人、誰も気にしないだろ」


「ますたーは なんのかっこうをするんですか?」


「それは内緒だ。でも、ジュークもよく知ってるやつだ。

ジューク、ハロウィンのパレードに出たことはあるか?」


「ないです。たのしみです……たのしみ!」


「よし、それじゃあお使いにいってこい」


「はい、ますたー」とジュークは微笑んだ。




138 :名も無き被検体774号+:2013/04/07(日西) 10:42:34.98 ID:P6q7GFss0
ジュークはデートに行、必要な服小物を買い揃えた

デパートの屋ら街を見下ろすと、既に装した連中であふれていた。

しみ」ジュークは改めて口にした


天気はあいにの曇りだった、気にせしそうにていた。

ジュークはロックを驚よう、デパートで着替えて、ハツネ好で帰っ

すたーびっくりするかなとジューは思った。


街の人は、ジークが通りを歩いていもしなかた。

そもツネを覚えて人自体少ない



140 :名も無き被検体774号+:2013/04/07(日) 11:09:55.37 ID:P6q7GFss0
ジュークはロックが好きだった。

大好きな歌は、ロックの次に好きだった。

ロックが「ジューク」と口にするたびに、「わたしのことだ!」と嬉しくなって、ありもしない心臓が高鳴った。

ロックの綺麗な指が奏でる一音一音が自分に向けられた愛の言葉に感じられて、それが自分の勝手な思い込みである可能性が高いことを承知した上で、それでもジュークは幸せでいられた。

幸せな勘違いができる幸せ。それだけで十分だった。

ジュークの頭の中はロックでいっぱいだった。

ますたー、ますたー、ますたー、ますたー、



141 :名も無き被検体774号+:2013/04/07(日) 11:12:30.52 ID:P6q7GFss0
「ますたー?」

ジュークが買い物から帰ると、ロックが虚空を見つめて立ち尽くしていた。



142 :名も無き被検体774号+:2013/04/07(日) 11:20:54.07 ID:P6q7GFss0
ロックはジュークの声に反応した。

「マスターは、まだ帰ってきてないよ」

そう言ってくすくす一人で笑った。

ロックの様子はいつもと違った。

不安になって、ジュークはロックに駆け寄った。

子供みたいな笑顔で、ロックは言った。

「リンもまだ来てないんだ。ミク、今のうちに、マスターの誕生日の計画を立てようぜ」


「……ますたー、なにいってるんですか?」

ジュークはロックの肩を揺さぶった。

ロックはその場に崩れ落ちた。

そして二度と動かなかった。



143 :名き被検体774号+:2013/04/07(日) 11:28:22.50 ID:P6q7GFss0
に言い聞かせ

ますっとよっぱてるんだ。

めをましたとどおりにな、”ュークってよんでくれるは

ジュークはロックの目覚め待った。

、ロックは目を覚まさなかった。

ュークは歌い始めた。

曲歌い終える調床に正座して頭を持ち上げての上に置き、間をけず、ロックの好きな歌を歌いた。

、なんってますたーは めをさ稿まさなか殿綿



144 :無き774号+:2013/04/07(日便) 11:34:37.64 ID:P6q7GFss0
きせは、おないしょうね」

クはた声言っ

「わたしはうたがへただから」



145 :名も無き被検体774号+:2013/04/07(日) 11:42:04.55 ID:P6q7GFss0
ジュークは、ロックの最期の言葉を頭の中で何度も繰り返していた。

不思議と、懐かしい感じがした。

わたしとますたーは、ずっとむかし、しりあいだったのかもしれないな。

仮装した姿のロックを見て、ジュークはそう思った。

不思議とその恰好は、ロックに馴染んでいた。

まるで最初からこういう姿だったみたいに。

ほんの少しだけ残されている、

機械化されていない部分の肉体。

そこが何かを覚えている気がした。



146 :名も無被検体774号+:2013/04/07(日) 11:44:37.67 ID:P6q7GFss0
ベッドに横たわって、ジュークは口ずさんだ。

ひーろいー べっどでー 

よーるはー  あーけーないー



147 :名も無き被検体774号+:2013/04/07(日) 11:50:34.56 ID:P6q7GFss0
数日が過ぎた。

去り際に、ジュークはロックに向かって言った。

「ボーカロイドは、なみだをながさないんです」

そしてロックに背中を向け、二度と彼の方を見なかった。

シンセサイザーだけを持ち、ジュークは家を出た。

思い出がつまって、いまにも破裂しそうな家。

「そのかわり、かなしいうたをうたうんです」

ジュークが向かったのは、大きな街だった。

街は幸せそうな人で賑わっていた。

スタンドを立て、シンセサイザーを取りつけ、コードを背中に差したジュークを見て、道端に座るホームレスの老人は呆然としていた。

そっくりじゃないか、と思ったのだ。




>>次のページへ続く





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