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俺と犬と女の子の話
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23 :名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 20:58:32.78 ID:mav3knV20
ちょっと席外します。



24 :名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 21:04:45.79 ID:LOevEpO7O
飼ってるけど全く世界だわ



26 :名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 21:11:56.17 ID:jt0YKG1A0
(・∀・)イイ!!



28 :名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 21:21:50.33 ID:mav3knV20
>>24-46
ありがとう
意外と目を通してくれる人が多くて嬉しいです


夏になる頃には、事前にメールをして河川敷に行く時間を合わせるようにもなっていた。

合流しては一緒に練習して、お互いにあれがダメじゃない?これがダメじゃない?という話をしていた。

大学に行っていなかった恵は、俺の大学の話もよく聞いてくれた。

俺は獣医学科に通ってたんだけど、犬飼いにそれを言うと一線引かれるのを分かっていたから、しばらくは恵にも伝えていなかった。

でもそれを伝えた時でも「そうなんだ?」の一言で彼女は済ませた。それがまた少し嬉しくもあった。彼女とはあくまで対等でありたかった。



29 :名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 21:27:44.81 ID:mav3knV20
そんな中で迎えた秋、1年前に大失敗をやらかした競技会がやってきた。1年前の失敗を糧に、自分なりにできることは全てやって臨んだ。

自分の前に出ていた同じクラブの人が出した点数が99.8点。

ほとんどの競技会ならそこで順位が確定するところだった。

ところがその後、また別の同じクラブの人が99.9点をたたき出した。

「これってさすがに無理じゃね?」という空気が、逆に少し気を楽にさせてくれた。

もう前みたいに緊張することはなかった。

そして出た点数が99.9点。

JKCの競技規定では、同点の場合は1種目目の点数が高い方が上位になる(同点なら2種目目、以下同)。

結果的には俺は最初の科目が9.9点で、同じクラブの人が10点だったので決勝戦には出られなかった。

それでも1位99.9点、2位99.9点、3位99.8点で全て同じクラブと言うのはちょっとした話題になった。

余談ながらこの競技会のあと、同じクラブはなるべく別グループにするという方針になったらしい。




30 :名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 21:42:12.35 ID:mav3knV20
その後も競技会に出て、それなりの成績を残し続けた。

仲の良い他クラブの人からは「>>1君と同じグループになったら1位は無理やから2位を狙えって先生に言われるんよw」と言われたりもした。

連戦連勝というわけでも無かったけど、この頃には事実上その地区のアマチュアではトップクラスにいたと思う。

そうすると一度は他の地域の人ともやってみたいと思うようになってきた。

基本的に他地域の人が参加しても何の問題も無いんだけど、アジリティーみたいに全国各地を飛び回る人は少なかった。

じゃあ来ないならこっちから行ったら良いじゃんと言うことで、春と秋に東京で開催されている本部競技会を目指した。

まあ本部と言っても関東の少し大きな大会と言うだけで、他地域の人は少なかった。それでも関東のレベルを知りたいというのもあって申し込んだんだ。



31 :名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 21:45:40.00 ID:mav3knV20
ちょうど春の本部競技会と前後して部活を辞めたり、2年に上がって専門科目が増えたりで、犬に割ける時間は少し減っていた。

それだけが理由ではなかったんだろうし、結局は自分の力不足だったんだろうけど、春の競技会は惨敗した。

大ミスはしなかったけど、犬の動きが全くいつもとは違った。

失意の中で恵にメールを送ると「井の中の蛙にならずに済んだでしょ?また1から頑張んなさい」と返ってきた。

全く持ってその通りだった。あの時好成績を残していたら、もうそこで全て終わっていたかもしれなかった。



32 :名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 21:48:38.46 ID:mav3knV20
それからは「とりあえず秋を」ということで練習をしていた。恵もそれに付き合ってくれた。

そんな中、他地域の競技会に出るんだったら免許が欲しいと思って教習所に通うようになった。確か3ヶ月くらいで免許を取ったと思う。

それを恵に言ったら「じゃあ今度ドライブに連れてって」と言われた。



33 :も無き被体774号+:2012/03/22(木) 21:52:48.35 ID:cJd8/Z8B0
あ、パンツ脱



34 :名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 21:56:22.27 ID:mav3knV20
愛情かどうかは別にして恵には好意もあったから快諾した。

そして翌週末、2人で割と近くの夜景スポットに行った。

その帰り道。



恵「>>1は競技会出てて嫌なこと無い?」

俺「嫌なことか……。」



無いと言えば嘘だった。当時まだ19のガキ。好き放題やっていたし、俺の言っていないことを言いまわしては俺を蔑む人がいたのも事実だった。


俺「無くは無いけど、なんで?」

恵「……私、見習いやってたって言ったでしょ?」


俺「ああ、どこかは教えてくれんかったけど。」

恵「私ね、先輩たちから虐められてたのね。」


予想外の言葉だった。


恵「その時だけじゃない。高校の時も私は嫌われてた。」



35 :名も無被検体774号+:2012/03/22(木) 22:00:11.22 ID:cJd8/Z8B0
めんパンいた



36 :名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 22:02:18.46 ID:mav3knV20
恵「私、高校生の時に彼氏がいたんだけど、デート中に交通事故に巻き込まれて亡くなったの。」

もうこの時点で何話したら良いか分からなかった。

恵「私だけ助かったのが申し訳なくて、辛くて、悲しくて、しばらく学校には行けなかった。」

恵「それでも2ヶ月くらいしてから学校に行った。そうしたら知らないうちに私が彼を殺したってことになってたの。」

恵「彼のことを好きだった子が流した話だったんだけど、彼女はそもそも私のことを嫌っていたみたいで友達も多かったせいか、気付いたら私の居場所は無かった。」

恵「私は誤解を解こうとしたけど、思い込みからスタートしてるんだからそんなのが通用する相手じゃなかった。そもそも私もそこまでできるだけの余裕が無かった。」

恵「結局私は留年してから卒業したの。」



38 :名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 22:07:46.30 ID:mav3knV20

「高校を卒業する時になっても進学は考えなかった。でも何か仕事をと思っても何も無い。」


「それくらい当時は追い詰められてた。そんな時に犬の訓練士のことを知ったの。」


「もともと犬は好きだったから、住み込みで働かせてもらうことになった。」


「お給料なんてお小遣い程度だったけど、犬と一緒にいられるのは楽しかった。でもそれもすぐに潰えた。」


「所長は私のことを凄い可愛がってくれた(変な意味では無く)。でもそれが先輩たちには気に食わなかったのね。」


「所長の見てないところで色々嫌がらせをされた。レイプ紛いのことも、された。」




39 :名も無被検体774号+:2012/03/22(木) 22:10:49.25 ID:mav3knV20

「ある時1頭の犬をたの。でそれは普通の見習いが任されるよりた。


「所長は『期待してるから』と言れたけど、周りはそゃ無かった。」


所長色目を使とか色々言われた。も私レーニングをその犬を競技会に出し


「そ好成でね。これがた先輩たちは寿気に食わなたみたい綿


だから所出ません』うと、これもま気になかったい。もうどうしたら良いか分からなた。」


「そんな時お母さんが亡くなっになの時に私練士なることを諦めた。」



40 :名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 22:18:43.29 ID:mav3knV20

「>>1はまだ若いし、本当ならこの世界に求められるだけの力もあると思う。でも、それだけじゃないんだよね。」


「この世界は表に出ないだけで物凄くどす黒い世界だと思う。それはある程度のレベルにならないときっと分からない。」


「でもきっと>>1はそれを知ってしまう時が来る。それだけ>>1はできると私は思ってるし、実際そうだと思う。」


「その時に周りに屈するか、己を貫けるかは人次第なんだろうけど、>>1には貫いて欲しい。」


「きっと自分ができなかったことを押しつけてるだけなんだろうけど、>>1には今のままの>>1でいて欲しい。」


大体こんな感じのことを言われた。

翌日メールが来た。

「昨日は暗いこと言ってごめんなさい。でも私は>>1のこと応援してるからね。一度も>>1の競技見たことないけど(笑)>>1の一番のファンだと思ってます。」



41 :名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 22:25:04.63 ID:mav3knV20
それからしばらくして俺とライリックは北海道に向かった。

ライリックは初めての船でめちゃくちゃテンション上がってたw

それでも前日には着いて、場慣らしをしてその日は就寝、翌日に備えた。


競技会当日、万全とは言い難かったけどそれなりにライリックは動いてくれた。

点数も上々で成績発表が終わった時点ではトップだった(この競技会は決勝戦が無かった)。

が、俺は致命的なミスを犯していた。



競技会の規定ではポケット等に何も入れてはいけないとなっている。だから普段は携帯も財布も全て出していたのが、この日に限って誤ってボールを入れっぱなしにしていた。

気付いたのは競技終了後。

「やべーwww」と言って周りと笑ってたけど、最終成績が出てからクレームが出た。

後で聞いた話だと、クレームを付けたのは2位だったペアー。関東からの遠征組だった。

審査員も俺を守ってくれようとしたけど、これは規定上仕方ないことなんで受け入れた。

結局俺は失格という扱いになった。

少しだけ恵の言葉を思い出した。




44 :名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 22:32:18.94 ID:fcQV27Qn0
ボダコ飼いたいよボダコ

いつかボダコでディスクやるんだ



46 :名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 22:41:08.44 ID:mav3knV20
>>44
獣医とし言わせてもらげは止めとけ

歯悪くするし、後ろ足にトラブルる子多い

整形科を専門にしは良いさんになけどね



45 :名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 22:32:44.14 ID:LOevEpO7O
出る杭は打たれるってやつか

まあ規定に書いてあるなら仕方ないのかもしれないけど


46 :名も無検体774号+:2012/03/22(木) 22:41:08.44 ID:mav3knV20
>>45
この時は完ったと思う

じようなことが前にもあったらしい

時は2位だったがトップだっ、何言わ調ずに終わっらし

結局自分が勝ちたいだけかと思たのは正直なとこ宿



47 :名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 22:44:01.65 ID:mav3knV20
この1件があって以来、俺の目標は完全に秋の本部競技会に定まった。

恵もばつの悪そうな顔をしながら「仕方ないよね」と言っていた。

そんなこんなで迎えた秋の本部競技会。

前日入りして少し練習したけど、その日は強風だったのもあって指示が届かずイマイチな感じ。

翌日に少し不安を残しながらその夜は寝た。





>>次のページへ続く





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